Race Report
宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース
2026宇都宮ジャパンカップサイクルロードレースで山本元喜が山岳賞獲得 橋川丈も粘りの走りでUCIポイント獲得
●2026宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース(UCIプロシリーズ)
10月18日 宇都宮市大通り
10.3km×14周=144.2km
・出場選手
山本元喜
橋川丈
草場啓吾
レイン・タラマエ
新城雄大
小石祐馬
宇都宮ジャパンカップは、大会最終日のロードレースを迎えた。
KINAN Racing Teamは山本元喜が序盤から逃げに加わり、3周目の山岳賞を獲得。
中盤以降は海外の強豪勢による激しいペースアップで集団が分裂する厳しい展開となったが、橋川丈が粘り強い走りで37位フィニッシュを果たした。
UCIワールドチームやプロチームが多数参戦する「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」は、10月18日に大会のメインイベントとなるロードレースを迎えた。
前日のクリテリウムでは草場啓吾が周回賞を獲得したKINAN Racing Team。世界の強豪を相手に積極的な走りを見せ、翌日の本戦へとつなげていた。

ロードレースの舞台となるのは、宇都宮市森林公園周辺に設定された1周10.3kmの周回コース。
14周する総距離144.2kmで争われ、古賀志林道を中心としたアップダウンが選手たちを待ち受ける。
特に古賀志林道の登坂区間はレース展開を大きく左右するポイントとなり、繰り返される登坂への対応力と集団内での位置取りが重要となる。

KINAN Racing Teamは、山本、草場、橋川のほか、新城雄大、小石祐馬、レイン・タラマエの6選手が出場。
世界トップクラスの選手たちが集結するなか、チームは積極的なレースを展開し、上位進出を目指した。

レースはスタート直後からハイペースで進行。クイン・シモンズ選手(リドル・トレック)ら海外の有力選手が積極的にペースを上げ、1周目の古賀志林道から集団が大きく引き伸ばされる展開となった。
この動きにうまく対応した山本は、最初の登坂区間の終盤で好位置を確保すると、続く下り区間を経て形成された18人の先頭グループに加わることに成功する。
海外チームの選手や国内の有力選手たちを含む逃げ集団は、プロトンとの差を広げながら周回を重ねていった。

先頭グループは協調してローテーションを回し、後続に対して最大約2分30秒のリードを築く。
山本も安定したペースで逃げを続けた。さらに山本が見せ場を作ったのは、3周目に設定された最初の山岳賞を懸けた争い。
古賀志林道の山頂へ向けて先頭グループ内でペースを上げると、ライバルたちを抑えて先頭で通過。
見事に山岳賞を獲得し、前日の草場による周回賞に続き、2日連続でチームに賞をもたらした。
山岳賞獲得後も山本は先頭グループでの走行を続け、再びローテーションに加わりながら次の展開に備えていく。
序盤から続いたハイペースのなかでも、逃げ集団の一員としてレースの前方を走り続け、チームの存在感を示した。

一方、後方のプロトンでは、ワールドチーム勢を中心に徐々にペースが引き上げられ、周回を進めるごとに先頭との差が縮まっていく。
古賀志林道での登坂を繰り返すなかで集団内の選手も次第に絞られ、レースは中盤から後半にかけて大きく動き始めた。

決定的な局面を迎えたのは、9周目の山岳賞を前にした登坂区間。
海外の有力選手たちが麓から一気にペースアップを図ると、その強烈な加速によってプロトンは大きく分裂。
先行していた山本らの逃げも吸収され、レースは新たな局面へと移っていった。

この厳しい展開のなか、KINAN Racing Teamの選手たちも懸命に対応する。
長時間の逃げから戻った山本に加え、橋川、小石、新城もペースアップに食らいつき、登坂区間の終盤まで先頭勢を追い続けた。強豪選手たちによる激しい攻撃を受けながらも、古賀志林道の山頂付近まで粘りを見せる。
しかし、その後の下り区間から平坦路にかけて先頭グループがさらにペースを上げると、徐々に差が開いていく。
KINAN勢も懸命に追走を続けたが、先を急ぐ上位グループとの差を埋めることはできず、後続へと位置を下げることになった。
この激しい展開のなかで、橋川が最後まで粘りを見せる。先頭争いからは遅れたものの、第4グループ相当の位置で走行を続け、最後までフィニッシュを目指して走り続けた。
前方では先頭グループがさらに絞り込まれ、終盤にはシモンズ選手とベン・ヒーリー選手(EFエデュケーション・イージーポスト)の2人が抜け出す展開に。
残り2周に入る時点で追走グループとの差は約50秒まで広がり、優勝争いはこの2人に絞られた。
最終周回まで続いた両者の争いはフィニッシュでのスプリント決着となり、シモンズ選手がヒーリー選手を抑えて優勝。
KINAN Racing Teamでは、橋川がトップから8分9秒差の37位でフィニッシュ。
集団が大きく分裂する厳しいレースのなか、チームで唯一の完走者となり、UCIポイント3点を獲得した。

チームとして上位進出はかなわなかったものの、山本が序盤から逃げに加わり山岳賞を獲得したことは大きな収穫となった。
また、橋川も世界の強豪が次々にペースを上げる厳しいレースで最後まで粘りを見せ、フィニッシュへとたどり着いた。
2日間を通じて沿道には多くのファンが詰めかけ、KINAN Racing Teamもその声援に応えるべく積極的な走りを披露。国内外の強豪が集う舞台でチームの存在感を示した。

シーズンも佳境。最終戦となるツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー 1.2)まで、チーム一丸となって全力で駆け抜ける。

●選手コメント
山本元喜
「逃げについては流れについて行く形で加わったので比較的余裕を持って行けた。山岳賞もとっていけたらということで、他の選手も警戒しながら動いたが、案外争わず獲ることができた。3回目の山岳賞がかかった登りでは、逃げが吸収されたが、そのまま山頂の通過でついて行ければさらに良かったが…。
ただチームとしてはまず、表彰台に乗ることが大切だと思っていたので、いいメンバーの逃げの中で目的を果たせたことは良かったように思う」
Photos, Text: Ryo KODAMA
Edit: Syunsuke FUKUMITSU
2026 個人総合時間
- 1 クイン・シモンズ(リドル・トレック) 3時間33分2秒
- 2 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト) +0秒
- 3 イェノ・ベルクムース(ロット・アンテルマルシェ) +1分12秒
- 4 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー)
- 5 ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO)
- 6 ジュリアン・ベルナール(リドル・トレック)
- 37 橋川丈(KINAN Racing Team) +8分9秒
山岳賞
- 3周目 山本元喜(KINAN Racing Team) pts