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Flashback to victory-トマ・ルバ優勝 ツアー・オブ・ジャパン2018第5ステージ
過去の名レースをプレイバックする企画「Flashback to victory」。
現所属メンバーの勝利レースをレビューしていきたいと思います。
前回に引き続きツアー・オブ・ジャパンでの戦いの軌跡をたどります。
今回は2018年大会から、トマ・ルバ選手がマッチスプリントを制した第5ステージ(南信州)のレポートを。
終盤にメイン集団から抜け出して、鮮やかに逃げ切った会心のレース。
ライバルの追随を許さなかった他のメンバーの働きぶりも見逃せません。
現所属メンバーの勝利レースをレビューしていきたいと思います。
前回に引き続きツアー・オブ・ジャパンでの戦いの軌跡をたどります。
今回は2018年大会から、トマ・ルバ選手がマッチスプリントを制した第5ステージ(南信州)のレポートを。
終盤にメイン集団から抜け出して、鮮やかに逃げ切った会心のレース。
ライバルの追随を許さなかった他のメンバーの働きぶりも見逃せません。
Flashback to victory
第1回 山本元喜優勝 全日本選手権ロードレース2018
第2回 中島康晴優勝 スリランカ Tカップ2018第1ステージ
第3回 中島康晴個人総合優勝 スリランカ Tカップ2018第3ステージ
第4回 椿大志優勝 ツール・ド・モルッカ2017第4ステージ
第5回 マルコス・ガルシア優勝 ツアー・オブ・ジャパン2017第7ステージ
第1回 山本元喜優勝 全日本選手権ロードレース2018
第2回 中島康晴優勝 スリランカ Tカップ2018第1ステージ
第3回 中島康晴個人総合優勝 スリランカ Tカップ2018第3ステージ
第4回 椿大志優勝 ツール・ド・モルッカ2017第4ステージ
第5回 マルコス・ガルシア優勝 ツアー・オブ・ジャパン2017第7ステージ
■まえがき
スリランカでの中島康晴選手の大勝利で勢いづいたチームは、大きな自信と最高のメンバーでツアー・オブ・ジャパン(TOJ)へと臨みます。
この大会では最終的にマルコス・ガルシア選手が個人総合優勝を果たすわけですが、それまでには数多くのドラマがチームにはありました。
いなべでの第3ステージで受けた大声援、新城雄大選手が逃げでチームの負担を軽くした美濃での第4ステージ。
そして、本格的な丘陵・山岳での勝負が始まる南信州での第5ステージで、トマ選手の勝利と続きます。
今だから明かすと、この勝利によって、私はメディア関係者から「今年はトマがエースなのか?」「マルコスとサルバがアシストに回るKINANは富士山で無双するのでは?」といった質問をいくつも受けることとなります。
結果的にマルコス選手が富士山で狙い通りの走りをするのですが、その前段階でチームとしてアドバンテージを得られたこと、そしてどこからでも勝負を仕掛けられる強さを示せたことで、ライバルチームに対してプレッシャーを与えられたのだと確信しています。
-メディアオフィサー 福光俊介
スリランカでの中島康晴選手の大勝利で勢いづいたチームは、大きな自信と最高のメンバーでツアー・オブ・ジャパン(TOJ)へと臨みます。
この大会では最終的にマルコス・ガルシア選手が個人総合優勝を果たすわけですが、それまでには数多くのドラマがチームにはありました。
いなべでの第3ステージで受けた大声援、新城雄大選手が逃げでチームの負担を軽くした美濃での第4ステージ。
そして、本格的な丘陵・山岳での勝負が始まる南信州での第5ステージで、トマ選手の勝利と続きます。
今だから明かすと、この勝利によって、私はメディア関係者から「今年はトマがエースなのか?」「マルコスとサルバがアシストに回るKINANは富士山で無双するのでは?」といった質問をいくつも受けることとなります。
結果的にマルコス選手が富士山で狙い通りの走りをするのですが、その前段階でチームとしてアドバンテージを得られたこと、そしてどこからでも勝負を仕掛けられる強さを示せたことで、ライバルチームに対してプレッシャーを与えられたのだと確信しています。
-メディアオフィサー 福光俊介
トマ・ルバが会心の逃げ切り勝利
TOJ第5ステージを終えて個人・チームともに総合首位に
TOJ第5ステージを終えて個人・チームともに総合首位に
●ツアー・オブ・ジャパン(Tour of Japan、UCIアジアツアー2.1)
第5ステージ 南信州 123.6km
●KINAN Cycling Team出場選手
マルコス・ガルシア
山本大喜
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
第5ステージ 南信州 123.6km
●KINAN Cycling Team出場選手
マルコス・ガルシア
山本大喜
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
第3ステージでホーム・いなべの大声援を受け、第4ステージでは逃げで見せ場を作ったKINAN Cycling Team。
士気が高まったチームは、ついにツアー・オブ・ジャパンのトップに立った。
長野県飯田市“南信州”での第5ステージで、トマ・ルバが優勝。
残り2周回に入った直後にメイン集団を飛び出し、ともに逃げた選手とのマッチスプリントを制した。
この会心の逃げ切りによって、トマは個人総合でも首位に浮上。
グリーンのリーダージャージに袖を通した。
また、サルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシアもメイン集団でフィニッシュ。
これが奏功し、チーム総合でも1位に。
個人、そしてチームの力を証明し、残るステージでさらなるトライを続けていくことになる。
士気が高まったチームは、ついにツアー・オブ・ジャパンのトップに立った。
長野県飯田市“南信州”での第5ステージで、トマ・ルバが優勝。
残り2周回に入った直後にメイン集団を飛び出し、ともに逃げた選手とのマッチスプリントを制した。
この会心の逃げ切りによって、トマは個人総合でも首位に浮上。
グリーンのリーダージャージに袖を通した。
また、サルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシアもメイン集団でフィニッシュ。
これが奏功し、チーム総合でも1位に。
個人、そしてチームの力を証明し、残るステージでさらなるトライを続けていくことになる。
折り返し地点を過ぎた大会は、いよいよ本格的な山岳での戦いが始まった。
その皮切りとなるのが、この南信州ステージ。
飯田駅前から7.3kmのパレード走行を経て、1周12.2kmのサーキットコースへと入り10周回。
勾配10%を超える急坂の先には、標高561mの山岳ポイントが控えるほか、テクニカルなダウンヒル、そして名物の鋭いヘアピン「TOJコーナー」が登場する。
そして、フィナーレは周回から離脱し、1.6km先のフィニッシュライン。
特に、最後の1kmは直線で、例年この区間で劇的な幕切れが待つ。
KINAN Cycling Teamは第4ステージを終えて、マルコス・ガルシア、トマ・ルバ、サルバドール・グアルディオラが総合上位に位置。
南信州でさらなるジャンプアップを視野に入れつつ戦う。
アシストとして期待されるのが、前日の逃げで存在感を示した新城雄大、中島康晴、山本大喜の3人だ。
その皮切りとなるのが、この南信州ステージ。
飯田駅前から7.3kmのパレード走行を経て、1周12.2kmのサーキットコースへと入り10周回。
勾配10%を超える急坂の先には、標高561mの山岳ポイントが控えるほか、テクニカルなダウンヒル、そして名物の鋭いヘアピン「TOJコーナー」が登場する。
そして、フィナーレは周回から離脱し、1.6km先のフィニッシュライン。
特に、最後の1kmは直線で、例年この区間で劇的な幕切れが待つ。
KINAN Cycling Teamは第4ステージを終えて、マルコス・ガルシア、トマ・ルバ、サルバドール・グアルディオラが総合上位に位置。
南信州でさらなるジャンプアップを視野に入れつつ戦う。
アシストとして期待されるのが、前日の逃げで存在感を示した新城雄大、中島康晴、山本大喜の3人だ。
レースはスタート直後から出入りが激しいものとなる。
パレードを終え、周回に入るとすぐに厳しい登坂が待ち受け、集団から次々と選手たちが脱落していく。
KINAN勢はしっかりとメイン集団に位置して1周回目を終える。
パレードを終え、周回に入るとすぐに厳しい登坂が待ち受け、集団から次々と選手たちが脱落していく。
KINAN勢はしっかりとメイン集団に位置して1周回目を終える。
逃げが決まったのは2周回目。
9人が抜け出した中に、KINANからはサルバドールを送り込むことに成功。
有力チームの多くがこの逃げにメンバーを送り出すが、その中でも個人総合最上位のサルバドールは、持ち前の登坂力でもライバルチームにプレッシャーを与える。
しばらくはメイン集団との差は約1分で推移したが、3周回目に入ってからは約2分30秒差にまで開いた。
9人が抜け出した中に、KINANからはサルバドールを送り込むことに成功。
有力チームの多くがこの逃げにメンバーを送り出すが、その中でも個人総合最上位のサルバドールは、持ち前の登坂力でもライバルチームにプレッシャーを与える。
しばらくはメイン集団との差は約1分で推移したが、3周回目に入ってからは約2分30秒差にまで開いた。
しかし、この形勢を嫌った他チームがメイン集団のペースアップを試み、サルバドールらの逃げに迫っていく。
一時は20名程度が追走グループを作りかけるが、後続も追随し、結果的にハイスピードのまま逃げをとらえることとなる。
5周回目に逃げから3人が再度飛び出すが、サルバドールらはいったんメイン集団へ戻って、次の展開に備えた。
一時は20名程度が追走グループを作りかけるが、後続も追随し、結果的にハイスピードのまま逃げをとらえることとなる。
5周回目に逃げから3人が再度飛び出すが、サルバドールらはいったんメイン集団へ戻って、次の展開に備えた。
先行を続けた3人も6周回目にはメイン集団がキャッチ。
代わって、ダミアン・モニエ選手(フランス、愛三工業レーシング)が7周回目に入って独走を開始。
メイン集団はモニエ選手の動きを容認し、最大で2分45秒にまで広がった。
この日最大の局面は9周回目に入った直後にやってきた。
上りを利用してアタックを仕掛けたのはトマ。
これにホルヘ・カミロ・カスティブランコ選手(コロンビア、チーム イルミネイト)が続く。
勢いに乗った2人は協調しながらモニエ選手を追走。
2分以上あった差はあっという間に縮まり、10秒差として最終周回へ。
この頃には、トマたちとメイン集団とは約2分差となっていた。
トマたちは労せずモニエ選手に合流すると、そのままパスして先頭に立つ。
カスティブランコ選手との協調体制は崩れることなく、後続との差を保ちながら先行を続ける。
ダウンヒル区間でメイン集団から1人飛び出すが、十分なリードを得たトマたちは後続の追随を許さず、フィニッシュへ向かう最後の1.6kmを迎えた。
代わって、ダミアン・モニエ選手(フランス、愛三工業レーシング)が7周回目に入って独走を開始。
メイン集団はモニエ選手の動きを容認し、最大で2分45秒にまで広がった。
この日最大の局面は9周回目に入った直後にやってきた。
上りを利用してアタックを仕掛けたのはトマ。
これにホルヘ・カミロ・カスティブランコ選手(コロンビア、チーム イルミネイト)が続く。
勢いに乗った2人は協調しながらモニエ選手を追走。
2分以上あった差はあっという間に縮まり、10秒差として最終周回へ。
この頃には、トマたちとメイン集団とは約2分差となっていた。
トマたちは労せずモニエ選手に合流すると、そのままパスして先頭に立つ。
カスティブランコ選手との協調体制は崩れることなく、後続との差を保ちながら先行を続ける。
ダウンヒル区間でメイン集団から1人飛び出すが、十分なリードを得たトマたちは後続の追随を許さず、フィニッシュへ向かう最後の1.6kmを迎えた。
勝負は最後の直線へ。
最終局面でトマはカスティブランコ選手の後ろにつけ、仕掛けどころを図る。
そして残り150mでその時はやってきた。
満を持してトマが加速し、カスティブランコ選手をかわす。
そのまま前を譲ることなく、誰よりも早くフィニッシュラインへ。
最後はきっちりチームスポンサーの「KINAN」をアピールして勝ち名乗りを挙げた。
最終局面でトマはカスティブランコ選手の後ろにつけ、仕掛けどころを図る。
そして残り150mでその時はやってきた。
満を持してトマが加速し、カスティブランコ選手をかわす。
そのまま前を譲ることなく、誰よりも早くフィニッシュラインへ。
最後はきっちりチームスポンサーの「KINAN」をアピールして勝ち名乗りを挙げた。
トマの歓喜のフィニッシュから1分19秒後、メイン集団がフィニッシュ。
ライバルチームの追い上げ阻止に努めたサルバドールとマルコスが、それぞれ7位と11位。
レース前半から中盤にかけてアシストに努めた中島、新城、山本もきっちりと走り終えている。
トマの勝利によって、レース後のチームピットは歓喜に沸いた。
トマにとって今季初勝利は、個人総合首位に立ってリーダージャージも獲得するという価値あるものに。
チームにとっても、この大会での勝利は昨年第7ステージでのマルコスに続く、通算2勝目。
リーダージャージ着用はチーム創設史上初となる。
ライバルチームの追い上げ阻止に努めたサルバドールとマルコスが、それぞれ7位と11位。
レース前半から中盤にかけてアシストに努めた中島、新城、山本もきっちりと走り終えている。
トマの勝利によって、レース後のチームピットは歓喜に沸いた。
トマにとって今季初勝利は、個人総合首位に立ってリーダージャージも獲得するという価値あるものに。
チームにとっても、この大会での勝利は昨年第7ステージでのマルコスに続く、通算2勝目。
リーダージャージ着用はチーム創設史上初となる。
なお、トマは後続に総合タイム差1分以上のリードを得て、次のステージを迎えることになった。
さらには、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算で争われるチーム総合でも首位浮上を果たしている。
さらには、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算で争われるチーム総合でも首位浮上を果たしている。
ツアー・オブ・ジャパン 第5ステージ結果(123.6km)
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 3時間13分35秒
2 ホルヘ・カミロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネイト) +0秒
3 ディラン・サンダーランド(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネスサイクリングチーム) +20秒
4 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +1分19秒
5 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
6 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
7 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
44 中島康晴(KINAN Cycling Team) +9分57秒
58 新城雄大(KINAN Cycling Team)
62 山本大喜(KINAN Cycling Team)
個人総合時間
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 12時間42分16秒
2 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +1分1秒
3 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分4秒
4 ホルヘ・カミロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネイト) +1分6秒
5 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) +1分9秒
6 サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネスサイクリングチーム) +1分18秒
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分27秒
13 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分30秒
47 中島康晴(KINAN Cycling Team) +12分41秒
51 山本大喜(KINAN Cycling Team) +15分16秒
64 新城雄大(KINAN Cycling Team) +22分41秒
チーム総合
1 KINAN Cycling Team 38時間9分50秒
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 3時間13分35秒
2 ホルヘ・カミロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネイト) +0秒
3 ディラン・サンダーランド(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネスサイクリングチーム) +20秒
4 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +1分19秒
5 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
6 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
7 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
44 中島康晴(KINAN Cycling Team) +9分57秒
58 新城雄大(KINAN Cycling Team)
62 山本大喜(KINAN Cycling Team)
個人総合時間
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 12時間42分16秒
2 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +1分1秒
3 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分4秒
4 ホルヘ・カミロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネイト) +1分6秒
5 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) +1分9秒
6 サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネスサイクリングチーム) +1分18秒
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分27秒
13 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分30秒
47 中島康晴(KINAN Cycling Team) +12分41秒
51 山本大喜(KINAN Cycling Team) +15分16秒
64 新城雄大(KINAN Cycling Team) +22分41秒
チーム総合
1 KINAN Cycling Team 38時間9分50秒
※レースレポートは2018年5月24日付メディアリリースから
※レースレポートの一部に加筆・修正・削除を施しています
※レースレポートの一部に加筆・修正・削除を施しています