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KINAN RACING

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Flashback to victory-マルコス・ガルシア個人総合優勝&チーム総合1位 ツアー・オブ・ペニンシュラ第5ステージ

過去の名レースをプレイバックする企画「Flashback to victory」。
現所属メンバーの勝利レースをレビューしていきたいと思います。

今回は2019年シーズンを締める鮮やかな勝利となった、ツアー・オブ・ペニンシュラの最終・第5ステージです。
マルコス・ガルシア選手がリーダージャージを堅守。
チームが1つになってエースを勝ちへと導いた1日を振り返ります。
■まえがき

2019年シーズン前半は思うようにいかないことも多くありましたが、後半に入ってチーム状態は一変。
5つの勝利に恵まれ、要所でしっかりと強さを示すことができました。

苦戦続きだった時期を乗り越えた選手たちは、一様に「辛抱強く戦い続けた成果」がシーズン後半の好調として表れたと口にしていました。
同時に、選手たちが重視する連携面の歯車が合い、「勝利の方程式」が成り立ったこともこの頃の戦いには出ていたと言えます。

さて、この大会の最終日。
首都・クアラルンプール郊外の開発地域でのフィナーレでした。
最後の難所でもあった山岳からこの地区へのダウンヒルは、UCIアジアツアーにおいても屈指のテクニカルさ(今年のツール・ド・ランカウイでも採用されている)。
頂上に設定された山岳ポイントを通過後、フォトグラファーモトのパイロットがまったく下りを攻めないので、内心「何でこんなにゆっくりなの?」と思っていたら、やがてその下りはとんでもなくリスキーなものへと変わっていきました。

このダウンヒルで選手・関係車両に次々と追い抜かれたわれわれは、いつの間にかレース最後尾付近へと下がっていたわけで…。
大急ぎでフィニッシュへと向かい、カメラを構えたのは選手たちが到達するほんの数秒前。
ギリギリで間に合った、そんな出来事もこの大会での良い思い出です。

-メディアオフィサー 福光俊介
マルコス・ガルシアがツアー・オブ・ペニンシュラ個人総合優勝
最終ステージは終始レースをコントロールし盤石の態勢を築く
●ツアー・オブ・ペニンシュラ(UCIアジアツアー2.1)
第5ステージ クアラリピス~セティアワンサ 151.4km

●KINAN Cycling Team出場選手
椿大志
マルコス・ガルシア
山本大喜
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
マレーシアで行われてきたステージレース「ツアー・オブ・ペニンシュラ(Tour of Peninsular、UCIアジアツアー2.1)」は10月19日に最終の第5ステージを行い、KINAN Cycling Teamはマルコス・ガルシアの総合リーダージャージを守り切ることに成功。
すべてのステージを終えて、マルコスが個人総合優勝を達成し、山岳賞との個人2冠。
さらに、チーム総合でもトップを堅守。個人・チームともに総合力の高さを誇示する結果となった。
前日は今大会唯一の山岳ステージが設定され、序盤に形成された先頭グループに4人を送り込むことに成功。
レースの主導権を握り、最後はマルコスが後続に大差をつけてステージ優勝。
さらに、アシストでも大車輪の働きを見せたトマ・ルバが2位となり、ワン・ツー・フィニッシュを達成。
マルコスは個人総合で首位となり、リーダージャージを獲得。
2位以下に対して3分以上の総合リードを持つ。また、山岳賞でもマルコスが首位、チーム総合もトップに立ち、個人・チームともにレベルの高さを示している。
そしてマレー半島をめぐってきた戦いは最終日。
第5ステージは151.4kmで争われ、前半に4級、後半に2級とそれぞれカテゴリー山岳が設定される。
その他はおおむね平坦基調だが、数少ない登坂区間がレース展開にどう影響するかがポイントとなる。
最後は首都クアラルンプール郊外のセティアワンサにフィニッシュ。
KINAN Cycling Teamはマルコスの個人総合首位のキープを絶対的な位置づけとし、最後のステージに臨むことになった。
その意識通り、KINAN勢はレースを展開していくこととなる。
リアルスタートから約1時間にわたって出入りの激しい流れが繰り返されたが、その間はライバルチームの逃げ狙いの動きを選別。
危険なアタックに関しては、各選手がチェックに入るなど、集中したレースの入り。
そうした状況から、50kmを過ぎたところで5人の逃げが決まる。
以降はKINAN勢を中心にメイン集団が統率され、レース全体が落ち着く。
中盤までは新城雄大や山本大喜が前線に出てペーシングを担った。
おおよそ2分台で進行した先頭とメイン集団との差は、後半の山岳区間で徐々に縮まりを見せる。
上りのペースメイクはトマに加え、椿大志やサルバドール・グアルディオラが務め、マルコスの総合固めに。
長い登坂で集団の人数を減らしながら、先を急ぐ選手たちとのタイムギャップを安全圏内へと戻していった。
ハードな上りに、テクニカルなダウンヒルも続き、タフなコース設定がなされたレース後半だったが、KINAN勢はトラブルなくプロトンを統率し、そのまま終盤へ。
結果的に2選手の逃げ切りを許すこととなったが、総合争いに関係しない選手の動きとあり、マルコスを確実にメイン集団でフィニッシュへ送り込むことを優先。
ステージトップから14秒差で集団がフィニッシュし、この中にマルコスはもちろん、最後までケアに努めたサルバドールとトマも入った。
この瞬間、マルコスのツアー・オブ・ペニンシュラ個人総合優勝が決定。
同様に首位で最終日を迎えていた山岳賞でもトップを守って個人2冠を達成。
山岳での圧倒的な強さが生かし、5日間の戦いにおける王座を戴冠した。
さらに、各ステージのチーム内上位3選手の合算で競うチーム総合でも1位に。
個人で勝利したマルコスにとどまらず、各選手のアシストとしての働きや、要所での効果的な動きが奏功し、チームとしての強さも示すことに成功した。
ツアー・オブ・ペニンシュラ第5ステージ(151.4km)結果
1 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チーム サプラサイクリング) 3時間19分12秒
2 モハマドエスマイル・チャイチラヒミ(イラン、フーラッド・モバラケ・セパハン) +0秒
3 ソフィアンナビルオマール・モハドガクリ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム) +14秒
4 マーカス・クレイ(オーストラリア、チーム サプラサイクリング)
5 レイナード・バトラー(南アフリカ、プロタッチ)
6 チャラランポス・カストランタス(ギリシャ、ブルネイコンチネンタルサイクリングチーム)
30 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
32 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
35 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
50 椿大志(KINAN Cycling Team) +2分11秒
65 新城雄大(KINAN Cycling Team) +6分32秒
72 山本大喜(KINAN Cycling Team)


個人総合
1 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 16時間59分7秒
2 イゴール・チザン(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +3分2秒
3 メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +3分24秒
4 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チーム サプラサイクリング) +3分57秒
5 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +4分2秒
6 ムハマドヌルアイマン・モハドザリフ(マレーシア、チーム サプラサイクリング) +4分19秒
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4分23秒
12 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +4分52秒
52 椿大志(KINAN Cycling Team) +19分51秒
66 新城雄大(KINAN Cycling Team) +26分11秒
67 山本大喜(KINAN Cycling Team) +26分16秒


山岳賞
1 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 37pts
2 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 35pts


チーム総合
1 KINAN Cycling Team 51時間6分54秒
※レースレポートは2019年10月19日付メディアリリースから
※レースレポートの一部に加筆・修正・削除を施しています
Race report, Photos, Re-edit: Syunsuke FUKUMITSU
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