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KINAN RACING

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Stay Home Interview-荒井佑太

いま世界的に叫ばれている「Stay Home」をキーワードに選手たちへインタビュー。
今回は荒井佑太選手です。

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いていますが、みんな前向きに日々を送っています。
チームで唯一フルタイムワーカーとして業務に励みながら競技に取り組む荒井選手の現在の生活、シーズン再開への思い、そして今後の目標を聞いてみました。
-元気に過ごせていますか?

体調はばっちりです! トレーニングも仕事も、まったく支障なく取り組むことができています。


-現在トレーニングはどのように行っていますか?

新型コロナウイルスの感染拡大によって外出制限が出る以前と比べても、トレーニング方法そのものは変わっていないというのが実のところです。終業後か出勤前の朝の時間をトレーニングに充てていて、例えば終業後のトレーニングであれば自宅のローラー部屋でZwiftトレーニングを行っています。


-1日の流れについて教えてください

まず、出勤前に1時間ほどのトレーニングを行います。これはウエイトトレーニングが主です。午前8時30分から午後5時15分まで勤務して、普段であればそこからロードトレーニングに出ることもありますし、業務の都合で帰宅後にZwiftでトレーニングする日もあります。


-現在のお仕事について教えてください

福井県の県立高校で事務員をしています。学校の運営全般にかかわっていて、県からの予算で授業を充実させるためのお金の割り振りをしたり、入学式や卒業式をはじめとした学校行事の準備を先生たちと行っています。


-仕事と競技の両立を図る中で、コロナ騒動前と現在とで大きく変わった部分はどこが挙げられますか?

文部科学省の方針に合わせて学校現場が動いているので、刻一刻と変化する状況への対応にエネルギーを使ってしまっていて、いざトレーニングとなっても質の高いメニューができていないのが実情です。練習時間に関して、コロナ騒動前に確保できていたものが今では難しくなっているので、どうしても「短時間で高強度」という内容になってしまいます。


-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?

モチベーションに関してはまったく落ちることがないですね。僕の場合はKINAN Cycling Teamに所属して、そこに居場所を置くことで得られる経験値や価値観への対価を求めています。この先きっとバンクリーグが控えているのだと思えば、さらなる刺激が得られることをイメージしながらトレーニングへと向かえるので、自然と高いモチベーションを維持できています。


-ウエイトトレーニングやローラートレーニングといった室内活動では、映画や音楽など、どんな“燃える要素”を取り入れていますか?

ローラーであればZwift画面を観ながらになりますが、ウエイトトレーニング中に流す音楽にはこだわっています。それは洋楽のラブソングで、トレーニングで興奮状態の中、熱くなる音楽だと気持ちまで疲れてしまうので、ラブソングを流して心を満たしながら取り組む…これがお気に入りです。もう1つ、これは洋楽ではないですが、玉置浩二さんが好きで、玉置さんの曲であればウエイトはどこまででもいけます(笑)


-自転車に限らず、日々何か楽しみを見つけていますか?

最近は油絵を描くことと読書にハマっています。油絵はアートの本を読んだことがきっかけで、自分の中にときめくものがあるとすぐに行動したくなるので、美術の先生に相談しながら画材をそろえてみました。何かテーマをもって描くというよりは、自分の中から湧き上がってくるものをそのまま筆に移らせている感じですね。ただ、作品が全然完成しなくて…鋭意制作中です(笑)

2019年の東日本ロードクラシック。トレインの先頭が荒井

-「Stay Home」が叫ばれる中で、何か健康を維持する効果的な方法があれば教えてください

個人的なことになりますが、職場ではアルコール消毒の使用と常時換気を徹底しています。それと、最近は通勤時に限定してランニングにも取り組み始めています。往復で10kmほどの距離ですが、ラン通勤しています。体を動かすという目的もそうですが、自転車とは違う動きを取り入れて、そこから得られるものに期待をしています。


-食生活で気を付けていることは何かありますか?

練習量が減っているからといって、食事をコントロールしたりということはないですね。心掛けていることを挙げるとすれば、毎食必ずフルーツを食べることでしょうか。ビタミンをしっかり補給することを意識しています。


-レースに目を向けて、シーズンが予定通りであれば、この時期はどのような目的のもと活動するビジョンをお持ちでしたか?

バンクリーグに向けて、競輪場でのトレーニングが多くなっていたと思います。本来であれば、日照時間が長くなるこれからの時期は競輪場でしっかり走り込んでバンクリーグに備えるはずでした。現在、競輪場は閉鎖されていて、バンクでのトレーニングができない状態です。


-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標に据えて取り組んでいきますか?

昨年1年間、KINAN Cycling Teamの一員として走って、自分にできることとできないこと、チームから求められていること、それらを感じ取ることができました。それをもとに、いまは短所の改善より、長所を生かすことに重きを置いて取り組んでいきたいと考えています。例えば、ロードであれば50kmまでの集団牽引ですね。この「50km」というところを重視していて、昨年の東日本ロードクラシック(※)で経験したような、短い距離でもチームに貢献できる働きを意識しています。また、バンクリーグやトラックのレースであれば、ポイントを獲得しに行く動きが求められているので、スプリントのキレが重要になってきます。

※2019年のJプロツアー・東日本ロードクラシックでは、スタート直後から50km地点までの集団コントロールを担当。レースを構築する役割を担った。


-中学・高校年代のスポーツでは、総合体育大会が中止になるなど活躍の場が失われている現状ですが、そんな彼らにどんな言葉をかけたいとお考えですか?

部活動指導員としての役割もあって、まさに大きな問題に直面しているところです。高校3年生は競技力を生かして大学進学を目指すのか、競技に見切りをつけて就職活動へシフトしていくのか、岐路に立たされています。そんな彼らにどんな言葉をかけられるだろうと常に考えています。正直、自転車にかけてきた生徒たちに伝えにくいことではありますが、やはり自転車だけがすべてではなくて、広い視野を持って、可能性が多くあるうちに進学なり就職なり、次のステージに進むことを最優先に考えるべきではないかとアドバイスしてあげたいと思っています。
Interview: May 2nd, 2020
Interview, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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