Race Report
ツアー・オブ・シャールジャ 第5ステージ
レイン・タラマエがツアー・オブ・シャールジャ個人総合優勝 チーム総合でもトップ獲りでシーズン最高のスタートに
●ツアー・オブ・シャールジャ(UCIアジアツアー2.2)
1月27日(火)
第5ステージ シャールジャ~シャールジャ 100.99km
・出場選手
橋川丈
草場啓吾(第2ステージDNF)
ルーカス・カーステンゼン
レイン・タラマエ
トマ・ルバ
小石祐馬
5日間にわたって展開されたステージレース、ツアー・オブ・シャールジャが1月27日に最終日を迎えた。
ここまでの4ステージをトップで終えていたレイン・タラマエは、第5ステージもその座をキープ。栄えの個人総合優勝を獲得した。
また、KINAN Racing Teamとしてもチーム総合時間賞のトップとなり、出走5選手で表彰台へ。
最後の最後までライバルチームの猛攻をしのぎ続け、個人・チーム双方で2026年のスタートを最高のものとした。

アラブ首長国連邦(UAE)の主要都市・シャールジャを基点とし、23日から全5ステージで行われてきた今大会。
第2ステージでレインが見せた50km独走劇でチームに勇気をもたらすと、その後は他チームとの駆け引きにおいても優位に立った。
大会最終日もリーダーチームとしてはもとより、レインが着用する個人総合首位の証であるイエロージャージを守り抜くことが最大のミッションとなる。

最後を飾る第5ステージは、シャールジャ近郊を走る100.99km。
個人タイムトライアルで争われた第3ステージをのぞくと最も短いレース距離だが、砂漠地帯を駆けるルートは風との戦いにもなる。
横風を利用しペース変化を図るチームが出ることも予想しながら、KINAN勢はスタートラインについた。

その見立て通り、チームカテゴリーでは上位にあたるUCIプロチームが中心となって横風区間での集団の分断を狙った動き。
KINANメンバーはこの流れを見越して5選手いずれも集団内のポジションを上げていく。
後方に位置した選手たちが耐え切れず切り離されていく中、KINAN勢は冷静に立ち回り、レースリーダーのレインみずからが先頭に立つ場面も見られた。

スタートから50kmを過ぎ、レース距離が半分を切ると断続的に飛び出した4選手が先頭グループを形成。
集団では橋川丈やトマ・ルバが最前線に出て統率に努める。
54.1km地点に設けられたこのステージ3つ目の中間スプリントポイントでは、レインが2位通過し2秒のボーナスタイムを獲得し首位固め。
やがて、フィニッシュでのスプリントを狙うチームが集団前方に位置し始めたこともあり、先頭ライダーたちを射程圏に捉えながら最終盤へと移っていった。

KINAN勢はルーカス・カーステンゼンのスプリントをもくろみながら、個人総合で上位に位置するレインと小石祐馬を常時安全なポジションに配置。
確実にリスクを回避しながら、レースクローズへと持ち込んだ。

先頭で粘り続けた選手たちはフィニッシュ前1kmを切ったところで集団に吸収され、ステージ優勝争いはスプリントに。
実質今大会最初で最後となったスプリンターの出番は、ルーカスが7位。
ここから、シーズンを通して勝利量産となるようブラッシュアップしていくことを誓っている。

その後ろでは、レインがきっちりとフィニッシュラインを通過し個人総合優勝を確定させた。
前回大会の同3位を上回り、これ以上ない大きな成果を残した。
オールラウンドな強さを求められるこのイベントにあって、レインの良さが光った5日間に。
チームとしても、通算4回目の出場で最高の栄誉を獲得した。

また、各ステージのチーム内上位3選手のタイム合算で競うチーム総合時間賞でも優勝。
改めてチーム力の高さと、エースひとりに頼ることなく各選手が持ち味を発揮したあたりがタイトル獲得の要因になった。

レインに続き、小石も個人総合6位となり、トップ10圏内に2人を送り込んだKINAN Racing Team。
この快進撃によって、UCIポイントを60点獲得。UCIアジアランキングでの上位進出を目指すチームとして、これ以上ないシーズンのスタートになった。

チームが主戦場とするアジアでの成功を経て、活動は一気に加速度を増していく。
レースに向けてはしばしの調整期間となり、2月下旬の国内シリーズ・Jプロツアーの開幕に向けて進んでいく。
この間、ライドイベントへのゲスト参加なども予定され、ファンや関係者との交流の場も広げていく。

●選手コメント
レイン・タラマエ
「スタート前から風向きが気にはなっていたけど、それ以上にモチベーションが私たちを突き動かした。今日は個人総合優勝を決めるためにあらゆる手を尽くすつもりだったし、チームメートもそのために全力で走ってくれた。昨日以上のチームワークが発揮できて、彼らがいなかったら勝てなかったと今は感じている。すべてのチームスタッフ、スポンサー、日本のファンにお礼を言いたい。このレースのためにみんなが施してくれた準備は本当に素晴らしかった。シーズン初戦で得た勝利は、私だけじゃなくチーム全体に良い影響をもたらすはず。新しいチームメンバーはみんな強いし、日本に残っている選手たちもレースに向けた準備を進めている。誰がレースを走っても成功できるチームだから、自信をもって走り続けたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
ステージ成績
- 1 アレクサンダー・サルビー(リーニンスター) 2時間2分3秒
- 2 デュシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) +0秒
- 3 クリスティアン・ダヴィド・ピタ(ルージャイインシュアランス・ウィンスペース)
- 4 ダヴィデ・ペルシコ(MBHバンク・CSB・テレコムフォート)
- 5 ピエール・バルビエ(トレンガヌサイクリングチーム)
- 6 レッド・ウォルタース(アブダビサイクリングクラブ)
- 7 7 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team)
2026 個人総合時間
- 1 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team 11時間10分7秒
- 2 マルチン・ブジンスキ(MBHバンク・CSB・テレコムフォート) +1分7秒
- 3 アドネ・ファンエングレン(トレンガヌサイクリングチーム) +1分10秒
- 4 マッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) +2分19秒
- 5 アブドゥラ・ジャシム・アルアリ(UAEチームエミレーツGenZ) +3分19秒
- 6 小石祐馬(KINAN Racing Team) +3分55秒
- 29 橋川丈(KINAN Racing Team) +9分49秒
- 41 トマ・ルバ(KINAN Racing Team) +12分39秒
- 86 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) +22分1秒
ポイント賞
- 4 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) 33pts
- 23 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) 10pts
- 40 トマ・ルバ(KINAN Racing Team) 2pts
- 43 橋川丈(KINAN Racing Team) 1pts
山岳賞
- 4 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) 10pts
チーム総合時間
- 1 KINAN Racing Team 33時間38分24秒