KINAN Racing Team

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Race Report

レースリポート

ツール・ド・熊野 第4ステージ・太地半島

小石祐馬がツール・ド・熊野最終日に果敢な逃げ トマ・ルバのラストレースを彩る攻撃的な走り

●ツール・ド・熊野2026(UCIアジアツアー2.2)
5月10日 第4ステージ・太地半島周回コース
9.8km+10.5km×9laps=104.3km

・出場選手
山本元喜
橋川丈
ルーカス・カーステンゼン
レイン・タラマエ
トマ・ルバ
小石祐馬

ツール・ド・熊野最終日は、太地半島周回コースを舞台に第4ステージが行われた。
KINAN Racing Teamは総合上位での逆転が難しい状況ながら、勝利を目指して積極的に展開。
今大会を最後に現役生活へ区切りをつけるトマ・ルバへの思いも重なる中、小石祐馬が長時間にわたる逃げで勝利への意志を示した。

ツール・ド・熊野最終日となる第4ステージは、和歌山県太地町を舞台とする太地半島周回コースが舞台。
くじら浜公園を発着点に、0.7kmのパレード走行を経て、9.8kmの導入区間と10.5kmの周回コースを9周する全長104.3km。
熊野灘に突き出した太地半島をめぐる、海沿いの景観とテクニカルなレイアウトが特徴。

前日の熊野山岳コースで個人総合成績が大きく動き、首位にはルーク・バーンズ選手(ヴィクトワール広島)が立った。
KINAN Racing Teamは総合上位での逆転こそ難しい状況となったが、最終日にステージ優勝を狙うべく、攻めの走りを誓う。

スタート前には今大会を最後に長きキャリアへ区切りをつけるトマ・ルバへ向けた選手たちによるセレモニーがスタート前に行われた。

2017年の加入以来、長年にわたってKINAN Racing Teamを支えてきた偉大な選手へ労いと感謝が贈られ、会場は温かな拍手に包まれた。
まだその余韻が残る中、選手たちはスタートラインへ。KINAN Racing Teamも集団前方に位置取り、最終決戦へと発進。

そのレースは1周目から動きが発生。逃げグループが形成されるとKINAN Racing Teamからは小石祐馬が加わる。
メイン集団では、リーダージャージを擁するヴィクトワール広島が中心となってコントロール。KINAN Racing Teamも集団前方で戦局を見守る。

逃げ集団では、3周目通過前に発生するスプリントポイントをめぐって争いが発生。
総合時間で上位につける逃げメンバーがボーナスタイムを奪い合う。
さらに5周目にも同様の争いが発生。一段落すると逃げメンバーがメイン集団に戻っていく。
このタイミングで小石が逃げの意志を見せると単独で先行を続ける。

個人総合時間への影響も無い小石の逃げは容認されたままリードを拡大。
小石の1人逃げが続いた7周目、集団では個人総合上位につける選手らがここへの合流を図る。
すると山田拓海選手(シマノレーシング)が単独で接近。これを小石が待って2人での逃げを選択した。

総合時間上位に位置する山田選手を逃さない集団からはヴィクトワール広島がメイン集団を率いて接近。

最終周回になっても2人の逃げの体制が続くと逃げ切りも視野に入ってくる。
すると、登り区間で小石がペースを上げて山田選手を切り離す。ステージ優勝を狙った動きに会場の雰囲気は最高潮に。

しかしその後方、メイン集団でも最後の争いが発生。
リーニン・スターをはじめとする強力なチームがペースを上げると集団は崩壊。KINANも集団に残るメンバー総員で対応する。
やがて集団の勢いは先頭の小石にまで伸びると残り4km地点で吸収。

振り出しになった集団ではレインやトマもアタックで展開。その流れからニルス・シンシェク選手(リーニン・スター)が先頭へ出るとさらに独走してフィニッシュへ到達。

3名の総合時間で争われるチーム総合順位も視野に入れながらレイン、トマ、橋川で追撃を見せたが、追走集団内でフィニッシュ。
橋川の17位を最高位とした。橋川の順位を以って個人総合時間も10位で確定、UCIポイント3点を獲得したほか、チーム総合も2位が確定。

小石の逃げ切りは実らずともその勇姿は、KINAN Racing Teamのツール・ド・熊野への意志を示すものに。
また、そうしたマインドを汲んできたトマの最後のレースに。そんなトマはチームの動きを支える走りに従事して18位でフィニッシュ。チームのために走る選手らしい姿でキャリアを締めくくった。

レース後の表彰式には多くのファンが詰めかけ、有料観戦エリアの設置といった新たな観戦スタイルも相まって、会場は盛況。
大会期間中には「ツール・ド・熊野2026 オフィシャル観戦ツアー」も実施され、花田聖誠や畑中勇介コーチのアテンドのもと、レース観戦に加え、ホテル浦島での懇親会などさまざまな楽しみ方が提案された。

ツール・ド・熊野を終え、続いて開催されるのが、5月24日から31日にかけて行われるツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.2)。
熊野での4日間を通じて積み上げたコンディションとレース勘をそのままに、短いインターバルで次戦へと臨む。

●選手コメント
小石祐馬
「総合成績のジャンプアップを軸にレースを進めるのは良い判断ではないと思っていたので、今日はオールインで勝ちを狙って走り抜くと決めていました。昨日(熊野山岳コース)はグルペットで走る時間もあったので脚はフレッシュで、後半(最終周回まで)までしっかり動けた思います。

最後は集団に捕まってしまいましたけど、たくさんの声援や(株式会社キナン)角口会長もご覧になっている中で全力で走り切れたことは良かったです」

トマ・ルバ
「(レースについて)昨日のレースで個人総合優勝は遠のいてしまったので、今日は集団前方でしっかり動いていいレースをしたいと思っていました。展開や狙いは良かったと思います。レース後半では残念ながら不運も重なってしまいましたが、小石さんの逃げも素晴らしく、チームはよく機能していました。

(引退について)ツール・ド・熊野の期間中も良いレースをすることに集中していたので、スタートラインでセレモニーを見た時は驚きました。自分の最後のレースなんだと。これを実行してくれたライダーたちに感謝したいです。

2017年の加入以来、キナンは本当にスタッフやサポーターが暖かくて家族のように接してくれましたし、今回のツール・ド・熊野期間中も応援が力になっていました。

チームの居心地もよく気がついたら10年在籍していました。ここでのキャリアはとても素晴らしいものでしたし、これからもチームに貢献できるよう、ジャパンライダーの育成などに取り組みたい。

自分の選手生活で関わってきた全ての人に感謝したいです。みなさん本当にありがとう。」

Photos, Text: Ryo KODAMA
Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU

ステージ成績

  1. 1 ニルス・シンシェク(リーニン・スター) 2時間31分18秒
  2. 2 アンドレア・ダマト(チーム右京) +10秒
  3. 3 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
  4. 4 キャメロン・スコット(リーニン・スター)
  5. 5 ルーク・マッジウェイ(リーニン・スター)
  6. 6 織田聖(AISAN RACING TEAM)
  1. 17 橋川丈(KINAN Racing Team)
  2. 18 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
  3. 20 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) +16秒
  4. 35 山本元喜(KINAN Racing Team) +1分22秒
  5. 38 小石祐馬(KINAN Racing Team) +1分51秒
  6. 47 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) +7分1秒

2026 個人総合時間

  1. 1 ルーク・バーンズ (ヴィクトワール広島) 11時間1分25秒
  2. 2 ニルス・シンシェク(リーニン・スター) +1秒
  3. 3 ニコロ・ガリッボ(チーム右京) +14秒
  4. 4 ファーガス・ブラウニング (トレンガヌサイクリングチーム) +25秒
  5. 5 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島) +32秒
  6. 6 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +44秒
  7. 10 橋川丈(KINAN Racing Team) +48秒
  1. 16 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) +1分26秒
  2. 19 トマ・ルバ(KINAN Racing Team) +2分23秒
  3. 29 小石祐馬(KINAN Racing Team) +11分45秒
  4. 30 山本元喜(KINAN Racing Team) +13分3秒
  5. 48 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) +21分25秒

チーム総合時間

  1. 1 ヴィクトワール広島 33時間7分12秒
  2. 22 KINAN Racing Team +1分41秒
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