Race Report
ツアー・オブ・カフラマンマラシュ 第3ステージ エシャブ・イ・ケフ-バシュコヌシュ
レインが総合ポディウム圏内へ浮上 橋川もトップ10を守ってツアー・オブ・カフラマンマラシュ最終日へ
●ツアー・オブ・カフラマンマラシュ2026(UCIヨーロッパツアー2.2)
8月6日 第3ステージ 135km
・出場選手
山本元喜
橋川丈
草場啓吾
ルーカス・カーステンゼン
レイン・タラマエ
新城雄大
小石祐馬
ツアー・オブ・カフラマンマラシュ第3ステージは、エシャブ・ケフをスタートし、オニキシュバト地区を目指す約135kmの丘陵ステージで争われた。
獲得標高約2215m、終盤には3級山岳を含む登坂区間が続くタフなレイアウトの中、KINAN Racing Teamは草場啓吾が逃げに入り、橋川丈も一時先行グループに加わるなど積極的に展開。
終盤の総合争いではレイン・タラマエがステージ4位に入り、個人総合3位へ浮上した。
橋川もステージ10位、個人総合9位とトップ10圏内を維持し、チームは好位置で最終日へ進む。

ツアー・オブ・カフラマンマラシュ第3ステージは、トルコ南部のエシャブ・ケフをスタートし、南東のオニキシュバト地区を目指す約135kmの丘陵ステージ。
エシャブ・ケフは、キリスト教・イスラム教の双方で重要な意味を持つ聖地とされ、周辺には洞窟や複合施設が残る。歴史的・文化的背景を感じさせる地点から、レースは始まった。

この日の獲得標高は約2215m。コース上には中間スプリントに加えて、4級山岳と3級山岳が設定される。
長い登坂やテクニカルな下り、変化に富んだ地形が続く構成で、今大会の中でもタフな一日となることが予想された。

特に残り25kmから続く登坂区間は、総合成績に大きな影響を与える可能性のある勝負どころ。
最終盤の3級山岳では、登坂力のある選手たちがタイム差を生み出す展開も想定される。
KINAN Racing Teamは、レイン・タラマエが個人総合4位、橋川丈が同8位と好位置につけており、総合順位を守りながら、ステージ優勝のチャンスも狙ってスタートラインに立った。

前日の平坦基調のステージとは打って変わり、この日はスタート直後から激しいアタック合戦となる。
各チームが抜け出しを狙い、優位な展開を作ろうと動く中、KINAN Racing Teamも逃げをつなげる動きに反応。他チームに有利な状況を許さないよう、序盤から積極的に対応した。

激しい仕掛け合いが続いた後、約40km地点の中間スプリントポイントを前に逃げの動きが発生する。ここに草場啓吾が入り、そのまま6名の逃げグループを形成。20〜30秒ほどのリードを保ちながら、先頭グループは4級山岳へと入った。しかし、ペースを上げたプロトンによって、この逃げは吸収される。

その登坂と直後の下り区間では、ライバルチームによる仕掛けもあり、橋川を含むグループが一時レースをリードする場面も生まれた。
これに対してソリューションテック・NIPPO・ラーリらが追走し、やがて吸収。一連の動きによってプロトンの人数は絞られていった。
その後、KINAN Racing Teamは総合上位につけるレインと橋川を、残るメンバーで守る走りに徹する。
終盤の山岳勝負へ向けて、2人をできるだけ温存しながらレースを進めた。

残り25kmからは、本格的な3級山岳区間へ。ソリューションテック・NIPPO・ラーリやトレンガヌサイクリングチームが勝負をかける中、KINAN Racing Teamも総合争いをレインと橋川に託す。
レインは先頭付近で個人総合争いに加わり、そのやや後方では橋川もトップ10を狙えるグループで粘り強く走った。

登りと下りが連続する山岳区間では、一時、橋川のグループがレインのいるグループへ近づく場面もあったが、終盤にかけて勝負はレインを含む少人数に絞られていく。
最終的に先頭は4名となり、ステージ優勝争いはフィニッシュスプリントへ持ち込まれた。

レインはステージ4位でフィニッシュ。勝利には届かなかったものの、個人総合順位をひとつ上げて3位へ浮上した。

遅れて橋川も数名との競り合いを経て10位でフィニッシュし、個人総合でも9位とトップ10圏内を維持した。

大きなタイム差が生まれる可能性のあった難関ステージで、KINAN Racing Teamは総合上位の2人をしっかりと残し、チームとしても狙いに沿った走りを見せた。
レインが総合表彰台圏内へ上がり、橋川もトップ10を守ったことで、大会最終日へ向けて好位置を維持している。

翌日の第4ステージは、カフラマンマラシュを代表する自然景勝地のひとつであるイェシルギョズをスタートし、市街地へと向かう約114kmのコース。獲得標高は約1490mとなっている。

●選手コメント
橋川丈
「最後の登りは、レインが総合優勝争いをしているグループの後方でレースをしていました。昨日までの結果から、個人総合のタイム差が近い選手を見ながら走っていました。
レインたちが入ったグループについていければ良かったのですが、そこまでの脚がなく、見送る形になってしまいました。1回目の登りでは上位勢に食らいつくことができていて、調子も悪くなかっただけに、そこは少し残念です。
ただ、実力差があることは分かっていたので、そこからは気持ちを切り替えて、自分のペースで登りました。結果的に順位を大きく崩すことなくフィニッシュできたことは良かったと思います。
今日も暑い中、チームメイトが補給や位置取りを完璧にこなしてくれたので、しっかり勝負することができました」
Photos, Text: Ryo KODAMA
Edit: Syunsuke FUKUMITSU
ステージ成績
- 1 サンティアゴ・ウンバ (ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) 3時間10分43秒
- 2 ベンジャミ・プラデス(VC福岡) +0秒
- 3 キリロ・ツァレンコ (ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) +2秒
- 4 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)
- 5 アウェト・アマン(イスタンブールチーム)
- 6 アドネ・ファンエングレン (トレンガヌサイクリングチーム) +22秒
- 10 橋川丈(KINAN Racing Team) +1分33秒
- 71 小石祐馬(KINAN Racing Team) +14分20秒
- 76 新城雄大(KINAN Racing Team) +15分40秒
- 94 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) +17分34秒
- 104 草場啓吾(KINAN Racing Team) +19分14秒
- 109 山本元喜(KINAN Racing Team) +28分22秒
2026 個人総合時間
- 1 キリロ・ツァレンコ (ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) 8時間42分48秒
- 2 サンティアゴ・ウンバ (ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) +2秒
- 3 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) +31秒
- 4 アドネ・ファンエングレン (トレンガヌサイクリングチーム) +37秒
- 5 アウェト・アマン(イスタンブールチーム) +41秒
- 6 ベンジャミ・プラデス(VC福岡) +57秒
- 9 橋川丈(KINAN Racing Team) +2分36秒
- 63 小石祐馬(KINAN Racing Team) +21分54秒
- 64 新城雄大(KINAN Racing Team) +22分10秒
- 87 草場啓吾(KINAN Racing Team) +28分47秒
- 96 ルーカス・カーステンゼン(KINAN Racing Team) +31分5秒
- 109 山本元喜(KINAN Racing Team) +41分59秒
ポイント賞
山岳賞
- 9 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team) 1pts
チーム総合時間
- 1 トレンガヌサイクリングチーム 8時間54分2秒
- 7 KINAN Racing Team +18分51秒