Race Report
ツアー・オブ・サムスン 第1ステージ サムスン-サムスン
ツアー・オブ・サムスン開幕 第1ステージは草場啓吾がスプリントに挑んで6位で終える
●ツアー・オブ・サムスン2026(UCIヨーロッパツアー2.2)
8月27日 第1ステージ
サムスン-サムスン 169.8km
・出場選手
橋川丈
草場啓吾
ルーカス・カーステンゼン
レイン・タラマエ
新城雄大
小石祐馬
トルコでのレース活動を行うKINAN Racing Teamは、4戦目となるツアー・オブ・サムスン(UCIヨーロッパツアー2.2)へ。
169.8kmで争われた第1ステージは、序盤から積極的にレースを動かし、他チームと協調しながら逃げをコントロール。
終盤はスプリント勝負に持ち込んだものの隊列を整え切れなかったものの、草場啓吾が単独でポジションを上げて6位でフィニッシュした。

8月27日から30日の4ステージで行われる大会は、前年まで「ツアー・オブ・ルート・サルヴェイション」として行われていたレースを引き継ぐ形で開催される。
チームは直前までレースを戦っていたトルコの都市・オルドゥからサムスンへ移動。
メンバーは山本元喜に代わってルーカス・カーステンゼンが加わり、小石祐馬、新城雄大、橋川丈、草場啓吾、レイン・タラマエ、ルーカス・カーステンゼンの6名で大会に臨む。
前年大会ではレイン・タラマエが個人総合2位に入っており、今年も総合成績を狙える存在。
大会を通して総合タイムを意識しながら、比較的平坦なフィニッシュが設定されるステージでは、ルーカス・カーステンゼンを中心にスプリントでの勝機も見据える。
大会の舞台となるサムスンは、トルコ北部の黒海沿岸に位置し、地域の交通・産業・文化を支える主要な港湾都市。
1919年にムスタファ・ケマル・アタテュルクが到着し、トルコ独立運動へとつながる動きを進めたことから、現代トルコ史の重要な転換点となった都市として知られる。

第1ステージは169.8km。サムスンを代表する都市公園「ドウ・パーク」をスタートし、黒海沿岸を西へ進んだのち内陸部へ。
トルコ最長の河川で、黒海へと注ぐクズルウルマク川沿いを経て、再びサムスン方面へ戻るコースが設定された。

総獲得標高は1339m。前半の比較的平坦な海岸線に対し、中盤以降は細かなアップダウンが続く変化に富んだレイアウト。
終盤は再び平坦基調となるため、集団がまとまればスプリンターにも明確な勝機があるステージとなった。

レースはスタート直後から激しいアタックの応酬。KINAN Racing Teamも全員で動きに対応するが、なかなか決定的な逃げは生まれず、約1時間にわたってハイペースな展開が続いた。

序盤のアップダウンを越え、クズルウルマク川周辺へと入る頃に、ようやく4名の逃げが形成される。
KINANはプロトン前方をキープしながら集団コントロールに加わり、終盤のスプリント勝負を見据えてレースを進めた。先頭4名との差は最大でも2分弱にとどまり、常に射程圏内に捉えた状態を維持する。

中盤以降は、ツェノロ・プロサイクリングチームやトレンガヌ・サイクリングチームなどと協調してプロトンを牽引。
クズルウルマク川沿いを抜ける頃にはタイム差を1分以内まで縮める。さらに復路のアップダウン区間に入ると先頭グループの人数も減り、逃げをいつでも捉えられる状況に。
チームは徐々にスプリントへ向けた態勢を整えていった。

残り20kmを切ったところで逃げをすべて吸収。当初はルーカス・カーステンゼンでのスプリントを想定していたが、草場啓吾を勝負の軸に切り替え、プロトン前方でポジション争いに加わる。
残り5kmを過ぎると複数のスプリンターチームが一斉に隊列を組み始め、集団内の緊張感は一気に高まった。

フィニッシュが近づくにつれて各チームの隊列が激しく交錯。
KINANも混戦の中でポジションを争ったものの、狙っていた形で隊列を機能させることができず、草場は集団内から自力でポジションを上げてスプリントへ。
最後は草場が6位でフィニッシュ。
理想とするスプリントの形には持ち込めなかったものの、序盤から積極的にレースへ関わり、長時間にわたってプロトンをコントロール。
終盤までステージ勝利を狙える態勢を維持したことは、今後につながる内容となった。

4日間のステージレースはまだ始まったばかり。
初日からチーム全体でレースを動かし、勝負に加われる手応えを得て第1ステージを終えた。
翌日の第2ステージは、サムスン県南部のラディクを発着する143.5km。
高原の街・ラディクをスタートし、西側のハヴザ方面を経由して再びラディクへ戻る。第1ステージ以上に起伏が増えるコースで、個人総合争いにとっても重要な一日を迎える。

●選手コメント
草場啓吾
「今日は、スプリントの展開になればルーカスで勝負する予定でしたが、上りでのフィーリングがあまり良くなかったようで、最終的に自分がスプリントを任されました。レース中はチームが長い時間にわたって集団を牽引していたこともあり、最終盤になって隊列を組んできたチームと比べると、少し力を使っていたように感じます。結果的には集団に埋もれる形での勝負になってしまい、理想的なスプリントにはなりませんでした。
カオスな状況になることは分かっていたので、もう少し積極的にポジションを主張しても良かったと思います。自分自身、少し慎重に行き過ぎたことで、周りのスプリンターたちよりワンテンポ遅れて動く形になってしまいました。
このステージレースでは、今日のようなスプリント展開になる日もまた出てくると思います。今日の最終局面で起きたことをチーム内で共有し、次はより精度の高い形でスプリントに持ち込めるようにしていきたいです。
明日は、個人総合時間を狙ううえで非常に大切な一日になると思います。今日のレースでも集団を長く牽引していたように、あらためてチームの強さを感じましたし、他チームからもリスペクトされていることを実感しました。
ステージ勝利を狙いながら、個人総合でも上位を目指せる状況にあります。取れるものはすべて取りにいくつもりで、明日からも全力を尽くします」
Photos, Text: Ryo KODAMA
Edit: Syunsuke FUKUMITSU
ステージ成績
- 1 ラマザン・ユルマズ(コンヤ・B・B・スポル) 3時間49分37秒
- 2 ピエール・バルビエ(トレンガヌ・サイクリングチーム) +0秒
- 3 ムスタファ・タラクチ(コンヤ・B・B・スポル)
- 4 ティアノ・ダ・シルバ(ザ・ジョイラン&ハリケーン・サイクリングチーム)
- 5 ルーク・エルフィングストーン(プロジェクト・エシュロン・レーシング)
- 6 草場啓吾(KINAN Racing Team)
2026 個人総合時間
- 1 ラマザン・ユルマズ(コンヤ・B・B・スポル) 3時間49分27秒
- 2 ピエール・バルビエ(トレンガヌ・サイクリングチーム) +4秒
- 3 ジェームズ・ジョバー(ザ・ジョイラン&ハリケーン・サイクリングチーム)
- 4 ムスタファ・タラクチ(コンヤ・B・B・スポル) +6秒
- 5 ジェイコブ・ランガム(ヴェロフィット・オーストラリア) +8秒
- 6 ティアノ・ダ・シルバ(ザ・ジョイラン&ハリケーン・サイクリングチーム) +10秒
- 8 草場啓吾(KINAN Racing Team)
チーム総合時間
- 1 ツェノロ・プロサイクリングチーム 11時間28分51秒
- 6 KINAN Racing Team +0秒