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KINAN RACING

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ニュージーランド サイクルクラシック 第4ステージ レポート

頂上フィニッシュの最難関ステージでトマが4位
ニュージーランド サイクルクラシックは残すところ1ステージへ
●ニュージーランド サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)
第4ステージ マスタートン~テ・ワラウ~アドミラル・ヒル 175.6km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
椿大志
山本大喜
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
UCIオセアニアツアー「ニュージーランド サイクルクラシック」は、1月18日に第4ステージが行われた。
この日は頂上フィニッシュが待ち受ける最難関ステージ。
KINAN Cycling Teamはメイン集団で上りきったトマ・ルバが4位でフィニッシュ。
個人総合では8位と上げて、翌日に控える最終の第5ステージに進むこととなった。

現地在住の日本人ファンとともに取材を受ける

前日の第3ステージでは、チームとしてメイン集団のペーシングを担い、14人と大人数の先頭グループを追走。
最後は中島康晴のスプリントに持ち込んで6位で終えた。
個人総合では3ステージを終えて、山本大喜がチーム最上位の個人総合24位につける。
同じく29位のトマ・ルバとともに上位陣が見えるポジションをキープ。
毎ステージ、スピード域の高いレースが続いており、シーズン初戦の選手たちは速さに対応しながら、上位進出を狙ってトライを繰り返している。

パレード走行中のプロトン

第4ステージは、今回最長のレース距離175.6km。
まず、大会の拠点都市であるマスタートンを基点とする51kmのコースを3周回。
途中、登坂距離6.5km、平均勾配4.8%のテ・ワラウ・ヒルの上りをこなすことになる。
1周目と2周目の通過には山岳ポイントが設けられる。

逃げを狙って前方に位置取る山本元喜

タフな周回を終えると、いよいよ今大会のハイライトでもあるアドミラル・ヒルへ。
頂上に敷かれるフィニッシュラインへは、登坂距離4.1km、平均勾配6.2%。
特筆すべきは、フィニッシュ前1.5kmでいったん緩斜面となるも、最後の数百メートルで再度急坂を駆け上がる点。
総合争いにおいて遅れることは許されない、KINAN勢にとっても最終局面の攻略こそが上位進出のカギとなる。

前方をうかがう山本元喜と山本大喜

そんなレースは、この日もリアルスタートからアタックと吸収の連続。
山本元喜や中島康晴らがチェックに出つつ、大人数の飛び出しには山本大喜も加わって、優位な展開へ持ち込もうと試みる。
しばらくは決め手に欠ける状態が続いたが、スタートから1時間ほど経とうかというところで、上りを利用して6人が抜け出すことに成功。
その後もメイン集団から追走を狙う動きが見られたが、結局1周目を終えようかというところで集団が落ち着き、前の6人を先行させる流れになった。

集団で次なる展開に備える山本元喜と新城雄大

先頭の6選手とメイン集団とのタイムギャップは、最大で約9分。
集団は総合で上位にメンバーを送り込んでいるチームを中心にペーシングを開始。
序盤は積極的に攻めたKINAN勢も集団に待機し、情勢を整えることに集中した。

新城雄大と中島康晴が戦術を確認し合う

その後もしばし逃げと集団との構図は続いたが、3周目に入っていよいよ追撃ムードが高まりを見せる。
みるみる間に逃げていた選手たちを射程圏内にとらえると、先頭でも上りで力の差が見え始め、1人、また1人と遅れていく。
この周回を終える頃には、その差は数十秒にまで迫った。

椿大志を前に集団内のポジションを上げていく

タイミングを同じくして、メイン集団から前方めがけてアタックが散発。
ブリッジに成功した選手が加わると、逃げグループは再び勢いを取り戻す。
集団も活性化するが、前とのタイム差は再び1分台に。
KINAN勢も最後の山岳に向け、集団内でのポジションを上げて重要な局面に備えた。

山岳に向けて山本大喜と椿大志がポジションを上げていく

いよいよ勝負のアドミラル・ヒルへ。
ここからは登坂力勝負。
有力選手のアタックに山本大らが反応するがリードを奪うまでには至らない。
それでも集団は距離を追うごとに人数が絞られていく。

一方、先頭では終盤にメイン集団からのブリッジに成功したライリー・フィールド選手(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)が、山岳で独走態勢を固める。
後ろにはメイン集団も続いていたが、勢いは完全にフィールド選手が上回っていた。
最後まで後続の追撃を許すことなく、1人でアドミラル・ヒルの頂上へと到達。

トマ・ルバがステージ4位。総合でも8位にアップさせた

フィールド選手のフィニッシュから53秒。
メイン集団は10人ほどになって最終局面へとやってきた。
KINAN勢ではトマがこの中で粘り、最後の上りスプリントでステージ4位を確保。
その後次々と他のメンバーもフィニッシュラインを通過した。

終盤までメイン集団に残った山本大喜は16位

この結果、このステージを終えた時点での個人総合順位でトマが8位に浮上。
トップとのタイム差は55秒とし、チーム最上位となっている。

大会はいよいよ最終日へ。
19日に行う第5ステージは、マスタートン市内にセッティングされる“メガ・サーキット”での平坦勝負。
10kmのコースを12周回、120kmでクライマックスを迎える。
KINAN Cycling Teamは中島でのスプリントを狙って組織力で勝負していく構え。
また、UCIポイント圏内に入ったトマの個人総合順位も意識しながら、最後のステージに臨むことになる。
ニュージーランド サイクルクラシック2020 第4ステージ(175.6km)結果
1 ライリー・フィールド(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 4時間31分3秒
2 キース・デュベステイン(ニュージーランド、チーム ブリッジレーン) +53秒
3 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー)
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
5 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム)
6 ヘイデン・マコーミック(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) +55秒
16 山本大喜(KINAN Cycling Team) +1分57秒
47 新城雄大(KINAN Cycling Team) +4分18秒
61 椿大志(KINAN Cycling Team) +8分17秒
67 山本元喜(KINAN Cycling Team) +11分30秒
78 中島康晴(KINAN Cycling Team) +24分8秒


個人総合
1 ライリー・フィールド(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 12時間36分59秒
2 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) +26秒
3 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +45

4 ヘイデン・マコーミック(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) +48秒
5 キース・デュベステイン(ニュージーランド、チーム ブリッジレーン) +49秒
6 コナー・ブラウン(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +51秒
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +55秒
17 山本大喜(KINAN Cycling Team) +1分59秒
43 新城雄大(KINAN Cycling Team) +4分28秒
63 椿大志(KINAN Cycling Team) +9分58秒
65 山本元喜(KINAN Cycling Team) +11分39秒
78 中島康晴(KINAN Cycling Team) +25分0秒


ポイント賞
1 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 24pts
13 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 4pts
19 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts


山岳賞
1 フィン・フィッシャー=ブラック(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) 16pts
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 4pts
12 山本元喜(KINAN Cycling Team) 4pts


チーム総合
1 ブラックスポークプロサイクリングアカデミー 37時間53分21秒
7 KINAN Cycling Team +4分58秒
●選手コメント
・トマ・ルバ
「今日のプランは(山本)大喜で総合を狙うことで、自分はセカンドオプションだった。個人的には12月に落車して、1週間トレーニングができなかったことが影響していて調子はまったく良くないし、痛みも残っている。そうした中でも、チームワークで良い流れを作って、大喜と狙いをシェアしながら戦うことができた。結果的に大喜がアタックを試みた後に遅れてしまったので、自分のリザルトにシフトして最後の上りに挑むことになった。(ステージ4位という結果については)コンディションを考えると悪くないし、これからもっと上げていけると思う。シーズン最初のレースでトップ5に入れてよかったし、これもチームワークのおかげだ。

12月にトレーニング中の落車でダメージを負ってしまったけど、チームマッサーの森川さん、安見さんが最善を尽くしてくれて、少しずつながら回復している。リカバリーとトレーニングのバランスをとりながら完治させたい。

2020年シーズンは2つの大きなターゲットを自らに課している。まずはツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野で結果を残すこと。これらに向けてトレーニングを積んでいく。2つ目は、チームの日本人選手を育成すること。国内外、レースの大小問わずみんなとともに走って、多くのことを伝えていきたい。昨年から意識して取り組んでいるつもりだけど、今年はさらにリーダーシップを出していけたらと思っている」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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