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KINAN RACING

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ツール・ド・北海道2022 第1ステージ レポート

日本国内有数のステージレース「ツール・ド・北海道」開幕
3つの山を越えた第1ステージを終えて山本大喜が山岳賞トップに立つ
●ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)
第1ステージ
9月9日(金)
札幌市~共和町 171km

・出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
山本大喜
トマ・ルバ
新城雄大
日本で開催される有数の国際ステージレース「ツール・ド・北海道」が9月9日に開幕。
札幌市を出発し、3日間かけて苫小牧市を目指す総距離530kmの戦いがスタートした。
大会初日・第1ステージは171kmのコースで争われ、3つの山越えを果たしたレースで終盤にアタックを決めた山本大喜がそのまま逃げ切り。
他選手との競り合いには敗れたものの、3位でフィニッシュし、個人総合でも同順位につけた。
また、山岳賞では首位に立ち、第2ステージでは同賞のレッドジャージを着用する。
今年で36回目を迎えるツール・ド・北海道は、その名の通り、広大な北海道の大地をめぐるステージレース。
これまで数々の名勝負が繰り広げられ、この大会から世界へと羽ばたいた選手も数多い。
大会はUCI(国際自転車競技連合)公認の国際レースで、アジアツアーの一戦に位置付けられる。レースカテゴリーは2.2となる。
毎年持ち回りで道内各所が開催地となるが、今年は札幌市を含む道央地域が舞台。
そして何より、新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年・一昨年と中止になっており、実に3年ぶりの開催である。

第1ステージは札幌を出発すると、いったん北へ針路をとって小樽市へ。
それからは西向きに進行し、赤井川村、仁木町、余市町、古平町、神恵内村、泊村と通過し、最後は共和町にフィニッシュする171km。
道内きっての観光地・小樽市、数々の果物の産地である仁木町やワインの里・余市町、そして、「らいでんブランド」のスイカやメロンで知られる共和町と、レースにとどまらず見どころが多い地域を走行する。
この間、レース序盤に朝里峠を越え、その約30km先で2つ目の山岳区間の毛無峠。
レース後半に入ると、勝負どころとなりうる当丸峠を越える。
いずれも頂上は標高700m前後。
また、途中2カ所にホットスポット(中間スプリントポイント)が設けられ、1位から3位までの通過選手に3秒から1秒のボーナスタイムが付与される。

登坂力とスピードが求められる北海道のコースに対応すべく、KINAN Racing Teamは山本元喜、マルコス・ガルシア、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大の主力5人でエントリー。
このステージではメインスポンサー、株式会社キナン・角口賀敏会長、角口友紀・経営企画室室長が応援に駆け付け、2人が見守る中、KINANメンバーが終始レースを動かしていった。
まずレース序盤でアタックしたのは新城。
一時は2人逃げで数十秒先行したが、朝里峠を進んでいく間にメイン集団へと引き戻される。
ただ、この上りで前線がシャッフルし、その間に山本元が山岳ポイントを1位で通過。
それからもプロトンはアクティブに動き続け、下りの勢いのまま迎えた1回目の中間スプリントポイントでは、山本大が2位通過。
個人総合を争ううえで重要になりうる、2秒のボーナスタイムを獲得。
次の登坂区間である毛無峠に向かう間にプロトンが割れ、その流れから18人の先頭グループが形成される。
KINAN勢では山本大に加えてマルコスとトマがジョイン。数的に優位な状況を作り出す。
後続とは1分ほどのタイム差でしばし推移し、山岳ポイントでは山本大が3位で通過している。

下りを経て石狩湾沿いの海岸線へ出る時点で、先頭グループと後続とのタイム差が20秒まで縮まったが、フィニッシュまでの残り距離が90kmを切ったのを境に、その差は再び拡大傾向に。
結果的に、先行するメンバーがステージ優勝を争う格好となる。
100km地点を目前にやってきた2回目のホットスポットは、山本大が3位通過。
1秒のボーナスタイムを加算。完全に勢いづく先頭グループは、最後の登坂区間である当丸峠に入ると選手間の脚の差が明確になり、人数を減らしていく。
頂上が近づいて増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)がアタックすると、トマがチェックに動き、さらには山本大、マルコスが合流。
先頭4人中KINANメンバーが3人という状況となったが、下りで後続が追いついて、9人がリード。
レースは終盤へと突入した。

その形成のまま最後の10kmとなり、ステージ優勝争いが本格化。
ここでレースを動かしたのは山本大だった。
独走を狙ってのアタックでは、増田選手、今村駿介選手(チームブリヂストンサイクリング)の追随を許すが、そのまま逃げ切りを狙ってスピードアップ。
それまで一緒に走ってきた6人との差を広げて最終局面へ。
先頭3人の形成は変わらず、ステージ優勝争いはスプリント勝負へ。
ここはスプリント力のある今村選手が先着。
山本大は3位として第1ステージを終えた。
この3人から31秒差でマルコスとトマがフィニッシュ。
序盤から動いた新城、山本元もレースを完了し、第2ステージへと駒を進めている。
このステージを終えて、山本大は個人総合3位。
ホットスポット、フィニッシュで得たボーナスタイムを合わせると、トップとの総合タイム差は3秒。
また、2カ所の山岳で上位通過したことで、山岳賞で首位に立った。
第2ステージは同賞の証であるレッドジャージを着用する。
さらには、チーム内のステージ上位3選手の所要時間を合算して決めるチーム総合では1位。
初日からチーム力の高さを示している。
個人・チームとも上々の出足となった今大会。
翌10日に実施する第2ステージは、倶知安町を発着する186kmで争われる。
山岳区間は前半の1カ所だけだが、レース後半に入って細かなアップダウンが連続し、フィニッシュ前にはニセコ名物の急坂「ひらふ坂」で勝負が決まる。
過去のコース採用時には上位陣にも数秒のタイム差がつくなど、難所として一目置かれるポイント。
第1ステージを終えて好位置につけたKINAN勢としては、得意とするコースで勝負に打って出る。
ツール・ド・北海道 第1ステージ(171km)結果
1 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 4時間1分8秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+0秒
3 山本大喜(KINAN Racing Team)
4 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)+31秒
5 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)
6 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
27 新城雄大(KINAN Racing Team)+8分7秒
35 山本元喜(KINAN Racing Team)+16分15秒


個人総合時間賞
1 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 4時間0分58秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+3秒
3 山本大喜(KINAN Racing Team)
4 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)+41秒
5 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)
6 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
27 新城雄大(KINAN Racing Team)+8分17秒
35 山本元喜(KINAN Racing Team)+16分25秒


ポイント賞
1 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 25pts
3 山本大喜(KINAN Racing Team)20pts
5 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)12pts
7 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)10pts


山岳賞
1 山本大喜(KINAN Racing Team)10pts
4 山本元喜(KINAN Racing Team)7pts
7 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)3pts
8 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)2pts


チーム総合
1 KINAN Racing Team 12時間4分26秒
●選手コメント
山本大喜
「山岳賞を狙っていたので、第1ステージから手に入れられてとてもうれしい。チームとしては複数メンバーで先頭グループに入ることができたので、攻撃的にレースを進められたと思う。何度かアタックを試みたが、下りで他選手の合流を許してしまったあたりに今日の敗因があるのではないか。

終盤は独走を狙ってアタックしたが、今村選手と増田選手に追いつかれてしまった。スプリントになると不利になると感じていたが、先々の総合成績のことを考えればこのまま行くしかないと思った。

明日はチームとして得意とするコース。最高のレイアウトだと思うので、チャンスを生かして個人総合でトップに立つ走りがしたい」
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