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KINAN RACING

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ツール・ド・おきなわ レポート

2022年シーズン最終戦・ツール・ド・おきなわ
終盤の急坂で力勝負に挑んだ山本元喜が2位入賞
●ツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)
11月13日(日)
210km

・出場選手
山本元喜
小出樹
花田聖誠
新城雄大
畑中勇介
2022年シーズンを締めくくる国際レース「ツール・ド・おきなわ」が11月13日に行われ、210kmの長丁場のレースで終盤勝負に賭けたKINAN Racing Teamは、山本元喜が2位でフィニッシュ。
新コースとなった最終盤の急坂区間で優勝争いを演じ、最終的に表彰台の一角を押さえた。
今年で34回目を迎えたツール・ド・おきなわ。
近年は新型コロナウイルス感染拡大によるレース中止があり、3年ぶりの現地開催となった。
KINAN Racing Teamが出場する男子チャンピオンレースのほか、各種ホビーレースやサイクリングイベントなどを合わせると、総計2000人以上がこの大会に参加している。
大会最上位カテゴリーにあたる男子チャンピオンレースは、UCIアジアツアー1.2クラスにカテゴライズ。
今年は国内プロチームを中心とした出場チーム構成となるが、国内レース最長クラスの210kmで争われ、ハイクオリティのコースセッティングは新型コロナ前と変わらない。
とりわけ、中盤以降は連続するアップダウンによって消耗戦の様相を呈し、レース後半は有力チームを中心としたアタックの応酬が見られる。
今年はルートの一部変更があり、それが展開にどう影響するかも注目される。
そんなシーズン締めの一戦へ、KINAN Racing Teamからは山本元喜、小出樹、花田聖誠、新城雄大、畑中勇介の5人が臨んだ。
レース序盤の散発するアタックの中から、1人が抜け出しそのまま逃げの態勢へ。
メイン集団はこれを容認すると意識的にペースを落として、次の展開へと備える。
60km地点を過ぎて単発で集団から飛び出す選手が現れたものの、これらもすべて容認。
やがて先頭とメイン集団との差は最大12分まで広がった。
展開が変化したのは、東海岸を南下する復路に入ってから。
フィニッシュまで70kmを切ったあたりで先頭選手が入れ替わり、メイン集団でも数チームがペースアップを図る。
タイム差はあっという間に縮まっていき、残り40kmでその差は約2分30秒。
このあたりから、KINANメンバーでは畑中と小出が集団のペースメイクに加わり、勝負どころへ向けて態勢を整える。
長時間逃げていた選手たちは、残り30kmまでに全員が集団へと戻され、いよいよ優勝争いを意識した動きがみられるようになる。
数人のアタックにKINAN勢ではまず新城がジョイン。
集団に対して4人がリードを得るが、急坂区間で協調態勢が崩れ、新城は単独二番手に。
その後ろでは集団が再びペースメイクを行って、前を行く選手たちとのタイム差を縮める。
一時は1分差まで広がっていたが、残り10kmに達しようかというタイミングで集団がキャッチ。
この間に新城も集団へと戻っており、最終盤の上りへ向けてレースの主導権争いに加わった。
勝負は戦前の予想通り、レース最後の上りに。
各チームのエースクラスが前方に位置し、後ろの選手たちを切り離していく。
3カ所連続するトンネルを過ぎるが、この間に先頭は3人に。
残ったのはベンジャミ・プラデス選手(チーム右京)と山本、花田のKINAN勢。
数的優位に立ったかと思われたが、上りの中腹でプラデス選手がペースを上げると、花田、山本と順に後退。
花田は後方グループに入って追撃ムードを抑え、山本は懸命にプラデス選手を追走。
このまま頂上を通過して、残りは5km。
3kmほど続いた下りでも山本とプラデス選手のタイム差は広がる一方。
何とか二番手を押さえたい山本にホセ・ビセンテ・トリビオ選手(マトリックスパワータグ)が追いつき、表彰台の位置をかけた戦いに。

プラデス選手がそのまま逃げ切った後ろでは、山本がラストスパート。
トリビオ選手がコース取りで減速したこともあり、山本が逃げ切って2位を確保した。
10月下旬の秋吉台カルストロードレースの再現となった、プラデス選手と山本の勝負。
シーズン終盤に照準を定めて臨み、2戦連続の2位。
ツール・ド・おきなわのタイトルこそあと一歩届かなかったものの、来季へつなぐ意味も込めたレースで、そのテーマ通りの結果を残してみせた。
終盤まで見せ場を作った花田は、最終的に11位。
それぞれにレース構築を担った新城、畑中、小出も最後まで走り切り、今季の最終戦を終えた。
なお、チーム内上位3選手の合計タイムで算出するチーム総合では1位になった。
3月に本格的に始まった2022年の国内シーズンは、新型コロナ前のスケジュールに限りなく近いところまで戻った。
多くのレースへ参戦を果たしたKINAN Racing Teamは今季の公式戦では6勝を挙げ、昨年と一昨年を上回る数字を記録。
一層のレースシーン活況が期待される来季への楽しみも膨らんでいる。

UCI公認レースでの活動を終えたKINAN Racing Teamは、この先年末にかけてイベントやホストを務める「iRC Tire Presents KINAN AACA CUP」など、各種催しへの参加を予定。
オフシーズンも各地で精力的に選手たちが動きを見せる。
ツール・ド・おきなわ(210km)結果
1 ベンジャミ・プラデス(チーム右京)5時間13分37秒
2 山本元喜(KINAN Racing Team)+29秒
3 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+35秒
4 西尾勇人(那須ブラーゼン)+41秒
5 孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)+51秒
6 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
11 花田聖誠(KINAN Racing Team)
17 新城雄大(KINAN Racing Team)+1分54秒
27 小出樹(KINAN Racing Team)+4分25秒
28 畑中勇介(KINAN Racing Team)+4分32秒
●選手コメント
山本元喜
「イメージしていた通りの展開になって、理想的なレース運びができた。2位という結果は、純粋に力負け。やるだけのことはやっての2位なので、これ以上はないかな…という思いが強い。

体調面で波のあったシーズンだったが、この時期に合わせて集中して取り組めたことは今後につながると思う。メンバー間での連携もうまくいったし、来年も良い形で走っていける感触がある。今日はKINANらしさを出せたし、こうした走りができていれば来年も結果がついてくるはず。チーム力と個々の能力を高めながら、よりハイクオリティな走りを追求していきたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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