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KINAN RACING

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ツール・ド・台湾 第5ステージ レポート

ツール・ド・台湾はドリュー・モレの個人総合6位で閉幕
最終日はスプリントの孫崎、逃げのライアンが意地の走り
●ツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)
第5ステージ 3月16日(木)
高雄市 146.44km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
ライアン・カバナ
宮崎泰史
トマ・ルバ
KINAN Racing Teamが出場したツール・ド・台湾は3月16日に閉幕。
最後は台湾南部の高雄市を走る146.44kmのステージで、スプリントに挑んだ孫崎大樹が7位。
勝利の可能性が大きく見えてきた好勝負だった。
ライアン・カバナも先頭グループでレースを展開して意地を見せた。
全ステージの合計時間で争う個人総合では、ドリュー・モレが6位に入り、チームのエースとしての役割を果たした。
12日に開幕し、首都・台北から徐々に南下。
いよいよ最終日は南部の大都市・高雄へと到達する。
ここまで4ステージを終えて、KINAN Racing Teamはドリューが個人総合5位につける。
トップとは8秒差で、一発逆転の可能性を秘めるポジションに位置している。
また、トマ・ルバもトップから14秒差の15位。
こちらは9位の選手と同タイムであるとともに、ドリュー同様首位までジャンプアップできるチャンスが十分に残されている。
激戦で迎える最終の第5ステージは、146.44kmに設定。
大仏像がそびえる佛光山をスタートし、中盤まで上り基調が続く。
この間に3級山岳2つ、2級山岳1つを通過。
レース後半は平坦基調となり、高雄市内の国家体育場前にフィニッシュする。
個人総合争いが僅差であることも関係し、攻撃的なレースが期待される。
その見立て通り、リアルスタートから長く、アタックとキャッチの繰り返しが続く。
KINANメンバーもトマやライアン、宮崎が代わる代わる前線をうかがっていくが、チームごとの思惑が一致しないこともあり、出入りの連続。
その流れのまま、25km地点に置かれた3級山岳、41km地点に設けられた中間スプリントポイントと通過していく。
その直後、集団のペースが緩んだところでライアンら7人ほどがアタック。
数十秒先行したのちに集団が引き戻しにかかったが、今度はライアン自ら仕掛けてそのまま集団の容認を得ることに成功。
少しおいて8人がライアンに合流。総勢9人の先頭グループが形成された。

フィニッシュまで90kmほどを残したタイミングで形成されたライアンたちのグループは、メイン集団に対して少しずつリードを広げて、最大で2分程度に。
しかし、徐々にグループ内での協調体制が乱れたことも関係してか、それ以上のタイム差拡大には至らない。
この状況を嫌った選手たちがアタックで人数の絞り込みを図ろうとする場面も見られるようになる。

そんな流れのまま、115.8km地点に設定されたこの日2つ目の中間スプリントポイントをライアンが1位通過。
これを機に先頭グループの駆け引きが本格化。
フィニッシュまで30kmを切ったところで他選手のアタックにライアンが乗じると、この勢いのまま残りの逃げメンバーを置いてリードを再拡大。この段階で先頭は3選手となった。

メイン集団でも、スプリント狙いや総合上位のチームがスピードを上げての追撃ムード。
ライアンたちとは約1分差でしばし推移する。
一方のライアンは残り17kmで攻撃に出て、ヤーゴ・ウィレムス選手(ロット・デスティニー)との2人逃げへと持ち込んだ。

逃げ切りの可能性にかけてウィレムス選手と踏み続けたライアンだったが、残り10kmを切ってメイン集団のペースが上がるとタイム差はあっという間に縮まってしまう。
結局、フィニッシュ6km手前で集団へと戻ることとなった。

そこからは勝負を孫崎のスプリントにスイッチ。
トマ、宮崎が牽引役として集団内の好位置を固めると、残りの数キロは孫崎自らポジショニング。
地元の台湾勢が集団を引っ張る中、4番手で最終コーナーを抜けて最後の500mに挑んだ。
そしてフィニッシュ前300m。2番手へと上がった孫崎は早めの加速でスプリント態勢へ。
各チームのスピードマンとの真っ向勝負は、最後の最後で逆転を許したものの、7位に踏みとどまって今大会最後のステージを終えた。
ほか4選手もメイン集団でフィニッシュり、全5ステージを完走した。
KINAN Racing Teamの最終結果は、ドリューが個人総合6位。
前日のステージから1つ順位を下げたものの、第1ステージで得たボーナスタイムが利いて終始上位戦線でレースを進められた。
これにより、UCIポイントは40点獲得。
また、トマが同18位となり、UCIポイントは3点。
チームは今大会で計43点を得て、目標の1つであるUCIアジアツアーランキング上位入りへ重要な得点を加算した。
2年連続3回目の出場となったツール・ド・台湾。
例年暑さとの戦いとなる大会だが、今回は冷雨のステージもあるなど、一層過酷な中でのレースだった。
シーズン前半にタフなステージレースを戦ったチームは、貴重な経験を手にして今後の活動につなげていく。
ツール・ド・台湾 第5ステージ(146.44km)結果
1 エンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)3時間13分20秒
2 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)+0秒
3 シュテファン・コヴァール(オーストリア、Team Hrinkow Advarics)
4 レイモンド・クレダー(オランダ、JCL TEAM UKYO)
5 アンドレイ・レムケ(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン デヴェロップメントチーム)
6 ジョルディ・ロペス(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
7 孫崎大樹(KINAN Racing Team)
44 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
54 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
72 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)
79 宮崎泰史(KINAN Racing Team)


・個人総合時間
1 ジェロエン・メイヤース(オランダ、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)15時間39分49秒
2 ジョルディ・ロペス(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)+1秒
3 ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCL TEAM UKYO)+7秒
4 マティス・パースヘンス(オランダ、ロット・スーダル)
5 ジャコモ・バッラビオ(イタリア、Global 6 Cycling)+8秒
6 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
18 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+14秒
42 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+6分23秒
72 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+21分23秒
79 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+26分40秒


・ポイント賞
17 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)10pts
18 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)10pts
25 孫崎大樹(KINAN Racing Team)9pts
28 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)8pts
41 宮崎泰史(KINAN Racing Team)3pts


・山岳賞
28 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)4pts
35 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)1pts


・チーム総合
1 トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム 47時間0分11秒
9 KINAN Racing Team +6分13秒
●選手コメント
孫崎大樹
「トマとライアンが逃げを狙う予定で臨んで、理想通りの展開になった。ライアンが残り6kmまで逃げ続けてくれたおかげで、落ち着いて集団に待機することができた。

最終局面はイメージ通りで、最終コーナーを4番手で抜けて、マークすべき選手を追えていたので勝つチャンスはあった。仕掛けが早かったことと、向かい風だったのが影響して失速してしまったが、今日は力を出し切ろうと決めていたので、それは実行できたと思う。あとは結果につなげるだけだと実感している。

オセアニアとアジアのレースを転戦して、最終盤を自分で構築してスプリントに持ち込むという得意な展開が通用することが分かった。レースのレベルやカテゴリーを問わず、ステージ上位を押さえられるあたりは自信になっている。チームから求められていることが勝利へと結びつくようにこれから取り組んでいきたい」
ライアン・カバナ
「ドリューとトマの個人総合成績を最優先しながら、自分自身でも逃げのチャンスを探るつもりだった。個人的には悔しいレースになったが、今後ももちろんトライを続けていく。

逃げのグループ内では、それぞれ考えていることが一致しなかった。こればかりはチームごとの戦術があるので仕方がない。今日は孫崎のスプリントとドリューとトマがUCIポイントを獲得したことを喜びたい。

次戦は4月のオセアニア選手権。それからはツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野といった目標レースへ準備を進めていく。」
次回チーム活動:
3月25日 カンセキ真岡芳賀ロードレース(三菱地所JCLプロロードレースツアー)、袋井・掛川ロードレースDay1(Jプロツアー)
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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