ツール・ド・熊野最難関の熊野山岳
ネイサン・アールが上位が見える位置に踏みとどまって残り1日に賭ける
ネイサン・アールが上位が見える位置に踏みとどまって残り1日に賭ける
●ツール・ド・熊野2025(UCIアジアツアー2.2)
5月10日 第3ステージ・熊野山岳コース
18.5km+17.2km×4laps+20.4km=107.7km
・出場選手
山本元喜
ネイサン・アール
レイン・タラマエ
宇賀隆貴
トマ・ルバ
新城雄大
5月10日 第3ステージ・熊野山岳コース
18.5km+17.2km×4laps+20.4km=107.7km
・出場選手
山本元喜
ネイサン・アール
レイン・タラマエ
宇賀隆貴
トマ・ルバ
新城雄大
荘厳な熊野路を走るステージレース「ツール・ド・熊野」は、5月10日に第3ステージを実施。
急峻な熊野山岳を駆けた1日でKINAN Racing Teamはネイサン・アールが14位でのフィニッシュ。
トマ・ルバも15位で続き、個人総合でも上位が見える位置をキープ。大会最終日での順位アップを目指していく。
急峻な熊野山岳を駆けた1日でKINAN Racing Teamはネイサン・アールが14位でのフィニッシュ。
トマ・ルバも15位で続き、個人総合でも上位が見える位置をキープ。大会最終日での順位アップを目指していく。

大会は後半戦に突入。ここまでの2日間をKINANメンバーは順調に走り抜いてきた。
前日9日に行われた第2ステージでは、山本元喜がレース終盤まで先頭を走るなど、ホームチームにふさわしいチャレンジングな展開に終始。
迎える本格山岳の第3ステージで、チームとして勝負を仕掛けていく。
前日9日に行われた第2ステージでは、山本元喜がレース終盤まで先頭を走るなど、ホームチームにふさわしいチャレンジングな展開に終始。
迎える本格山岳の第3ステージで、チームとして勝負を仕掛けていく。

そのコースは、「日本の棚田百選」にも名を連ねる丸山千枚田を含む107.7km。
スタート直後からワインディングが20kmほど続くと、いよいよ丸山千枚田基点の周回ルートへ。
2級山岳に指定される上りは登坂距離4.2kmで、ところどころ勾配10%を超えようかという急坂区間が待ち受ける。これを4周すると、残りは約20km。
スタートからのワインディングを逆走すると、熊野スカイパーク球場へと続く最後の上りでクライマックス。
特にフィニッシュへ向かう500mが急勾配で、10%超の上りをこなしてフィニッシュラインへ。
登坂力とパワーが求められる戦いは、今大会の最難関ステージにふさわしいセッティングに。
スタート直後からワインディングが20kmほど続くと、いよいよ丸山千枚田基点の周回ルートへ。
2級山岳に指定される上りは登坂距離4.2kmで、ところどころ勾配10%を超えようかという急坂区間が待ち受ける。これを4周すると、残りは約20km。
スタートからのワインディングを逆走すると、熊野スカイパーク球場へと続く最後の上りでクライマックス。
特にフィニッシュへ向かう500mが急勾配で、10%超の上りをこなしてフィニッシュラインへ。
登坂力とパワーが求められる戦いは、今大会の最難関ステージにふさわしいセッティングに。

迎えたレースは序盤からKINAN勢が活性化を図って、山本が再三先頭をうかがう。
6.9km地点に設定された中間スプリントポイントめがけてメイン集団も加速しており、ハイペースで進んでいくが、その間もKINANメンバーが集団前方に位置してレース構築していく。
6.9km地点に設定された中間スプリントポイントめがけてメイン集団も加速しており、ハイペースで進んでいくが、その間もKINANメンバーが集団前方に位置してレース構築していく。

そうした流れの中、15km地点を目前に集団で大規模なクラッシュが発生。
トンネル内でのトラブルで集団はいくつにも分断。回避した選手たちが最前線をキープし、無傷の選手たちが少しずつ集団へと復帰。
この状況で新城雄大が後方に取り残され、残るメンバーが集団内で山岳区間へと入っていった。
トンネル内でのトラブルで集団はいくつにも分断。回避した選手たちが最前線をキープし、無傷の選手たちが少しずつ集団へと復帰。
この状況で新城雄大が後方に取り残され、残るメンバーが集団内で山岳区間へと入っていった。

1回目の丸山千枚田登坂では、山本の牽引に続いてトマとレイン・タラマエがペースメイク。
2人の強力な牽きに、集団は一気に30人程度まで絞られる。頂上通過後も変わらず牽き続けると、さらに集団からこぼれていく選手が出ていった。
2人の強力な牽きに、集団は一気に30人程度まで絞られる。頂上通過後も変わらず牽き続けると、さらに集団からこぼれていく選手が出ていった。

ときおり強い雨が降りつける中でも快調にKINANメンバーのペーシングが続いていたが、丸山千枚田2回目の登坂でレインにバイクトラブル。
バイク交換のためにチームカーを待つ間にメイン集団とはタイム差が広がり、以降はネイサンとトマが先頭を走る精鋭メンバーの一員としてレースを進める格好となった。
バイク交換のためにチームカーを待つ間にメイン集団とはタイム差が広がり、以降はネイサンとトマが先頭を走る精鋭メンバーの一員としてレースを進める格好となった。

3回目登坂ではトレンガヌサイクリングチーム、4回目ではソリューションテック・ヴィーニファンティーニが集団を率いるが、ネイサンは好位置をキープ。
トマも一時的に後方へと下がるもすぐに前線復帰してネイサンをサポート。KINAN勢は2人態勢で、フィニッシュへ向かう最後のワインディングへと入った。
トマも一時的に後方へと下がるもすぐに前線復帰してネイサンをサポート。KINAN勢は2人態勢で、フィニッシュへ向かう最後のワインディングへと入った。

決定的な動きは残り17.5km。集団のペースが緩んだタイミングで2選手が飛び出し、そのままリードを広げる。
ここでトマが追走を図って集団を牽引するが、他チームとの思惑も交錯しスピードが上がり切らない。
先頭2人は1分ほどのタイム差として、逃げ切る構え。懸命に追うネイサンとトマたちも最終局面を進む。
ここでトマが追走を図って集団を牽引するが、他チームとの思惑も交錯しスピードが上がり切らない。
先頭2人は1分ほどのタイム差として、逃げ切る構え。懸命に追うネイサンとトマたちも最終局面を進む。

前を行く2選手はそのままステージ優勝争いへ。
そこから45秒差でメイン集団が最後の上りをアタック。ネイサンは14位、トマは15位として、高難度の山岳ステージを終えた。
そこから45秒差でメイン集団が最後の上りをアタック。ネイサンは14位、トマは15位として、高難度の山岳ステージを終えた。

このステージを終えて、個人総合ではそれぞれ12位と14位。
KINANメンバーは残る4人もフィニッシュラインを通過し、次のステージへ。
残る1日は、ステージ優勝も視野に入れながらホームチームとして最後の最後までチャレンジを続ける。
KINANメンバーは残る4人もフィニッシュラインを通過し、次のステージへ。
残る1日は、ステージ優勝も視野に入れながらホームチームとして最後の最後までチャレンジを続ける。

その大会最終日は、和歌山県太地町での104.3km。
10.5kmの周回路をおおよそ10周するコースは、海沿いと丘陵地の繰り返し。
KINAN Racing Teamにとっては、2年前にワン・ツーフィニッシュを達成した相性の良いステージでもあり、その再現を狙いつつ最終日を走る。
10.5kmの周回路をおおよそ10周するコースは、海沿いと丘陵地の繰り返し。
KINAN Racing Teamにとっては、2年前にワン・ツーフィニッシュを達成した相性の良いステージでもあり、その再現を狙いつつ最終日を走る。
ツール・ド・熊野2025 第3ステージ 熊野山岳コース(107.7km)結果
1 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)2時間46分29秒
2 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム)+0秒
3 ニコロ・ガリッポ(JCLチーム右京)+45秒
4 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
6 ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
14 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+50秒
15 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+53秒
44 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+9分27秒
54 新城雄大(KINAN Racing Team)+11分38秒
61 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+12分34秒
66 山本元喜(KINAN Racing Team)
・個人総合時間賞
1 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)8時間38分12秒
2 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム)+4秒
3 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+47秒
4 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)+51秒
5 ケイエ・ソーレン(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
6 小石祐馬(JCLチーム右京)+52秒
12 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+1分0秒
14 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+1分3秒
36 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+9分37秒
45 新城雄大(KINAN Racing Team)+11分48秒
56 山本元喜(KINAN Racing Team)+14分19秒
76 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+21分20秒
・ポイント賞
17 山本元喜(KINAN Racing Team)5pts
19 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)5pts
・山岳賞
2 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)18pts
11 山本元喜(KINAN Racing Team)3pts
15 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)1pts
・チーム総合時間賞
1 トレンガヌサイクリングチーム 25時間56分44秒
6 KINAN Racing Team +9分32秒
1 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)2時間46分29秒
2 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム)+0秒
3 ニコロ・ガリッポ(JCLチーム右京)+45秒
4 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
6 ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
14 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+50秒
15 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+53秒
44 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+9分27秒
54 新城雄大(KINAN Racing Team)+11分38秒
61 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+12分34秒
66 山本元喜(KINAN Racing Team)
・個人総合時間賞
1 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)8時間38分12秒
2 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム)+4秒
3 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+47秒
4 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)+51秒
5 ケイエ・ソーレン(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
6 小石祐馬(JCLチーム右京)+52秒
12 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+1分0秒
14 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+1分3秒
36 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+9分37秒
45 新城雄大(KINAN Racing Team)+11分48秒
56 山本元喜(KINAN Racing Team)+14分19秒
76 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+21分20秒
・ポイント賞
17 山本元喜(KINAN Racing Team)5pts
19 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)5pts
・山岳賞
2 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)18pts
11 山本元喜(KINAN Racing Team)3pts
15 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)1pts
・チーム総合時間賞
1 トレンガヌサイクリングチーム 25時間56分44秒
6 KINAN Racing Team +9分32秒

●選手コメント
ネイサン・アール
「常にプッシュしていて、とてもハードなステージだった。チームとして上りでペースを上げたいと思っていて、集団を絞り込むところまでは良かった。ただ、その分消耗度も高くて、終盤の2人のアタックを追いきれなかったところは悔しい。それでも、クラッシュやトラブルがあった中でチームはベストを尽くした。トマの長時間の牽引は本当に力強かったし、個人としても良い走りができたことがうれしい。まだ明日があるから、もう一回チャレンジする。
1月のレース(シャールジャ・ツアー)で手を傷めて、しばらくレースから離れていた。怪我が治ってからはハードなトレーニングを積んできて、久々のレースに臨んでいる。とても良いコンディションでチームに戻れてハッピーだ。
ツール・ド・熊野は私たちにとっても、地域の人たちにとっても特別なレース。みんなのサポートには感心するばかりだよ」
ネイサン・アール
「常にプッシュしていて、とてもハードなステージだった。チームとして上りでペースを上げたいと思っていて、集団を絞り込むところまでは良かった。ただ、その分消耗度も高くて、終盤の2人のアタックを追いきれなかったところは悔しい。それでも、クラッシュやトラブルがあった中でチームはベストを尽くした。トマの長時間の牽引は本当に力強かったし、個人としても良い走りができたことがうれしい。まだ明日があるから、もう一回チャレンジする。
1月のレース(シャールジャ・ツアー)で手を傷めて、しばらくレースから離れていた。怪我が治ってからはハードなトレーニングを積んできて、久々のレースに臨んでいる。とても良いコンディションでチームに戻れてハッピーだ。
ツール・ド・熊野は私たちにとっても、地域の人たちにとっても特別なレース。みんなのサポートには感心するばかりだよ」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU