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KINAN RACING

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ツアー・オブ・ジャパン2025 第6ステージ・富士山 レポート

命運がかかったツアー・オブ・ジャパン富士山
勝負をかけて主導権争いに加わるも苦杯、残りステージでリベンジ誓う
●ツアー・オブ・ジャパン2025(UCIアジアツアー2.2)
5月23日 第6ステージ・富士山
7.8km+11.5km×3周回+7.6km+16.3km=66.6km

・出場選手
ドリュー・モレ
山本元喜
ネイサン・アール
レイン・タラマエ
トマ・ルバ
新城雄大
国内最大級のステージレース、ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は最難関の1日に。
第6ステージは富士山五合目を目指すヒルクライムコースに設定され、総合成績をかけた大一番が繰り広げられた。
KINAN Racing Teamはこのステージで上位進出を狙うべく攻めたものの、トップまでは届かず。
チーム最上位はレイン・タラマエの11位。残る2日では、遅れの挽回とステージ優勝を狙っていくこととなる。
5ステージまでを終えた大会は、いよいよ運命の1日を迎えた。
TOJ名物にして、日本が世界に誇る秀峰・富士山を上るクイーンステージがやってきた。

66.6kmと今大会最短距離ながら、そのコースは濃密。
東京五輪2020の自転車ロードレース競技のメイン会場にもなった富士スピードウェイの西ゲートを出発し、同五輪個人タイムトライアルコースをまずは4周回。
これを終えると、目の前にそびえる富士山に向かって登坂を始める。富士山の山岳ルートは「ふじあざみライン」を上り、登坂距離は11.4km、高低差にして1160m。
平均勾配10%・最大勾配22%を数える、世界的にも屈指のヒルクライムコース。
とりわけ中腹以降に20%級の急坂区間が待ち構えており、上りを進んでいくうちに自然と勝負できる人数が絞られていく。
かつてはこの山を制したことのあるKINAN Racing Teamは、その再現を狙って過去2回TOJを制しているネイサン・アールを軸に戦術を組み立て。
個人総合13位からのスタートで、一気のジャンプアップを目指す。
序盤の周回コース内で5人の先頭グループ形成から始まったレースは、2分差となったのを機にメイン集団も少しずつペースアップ。
1分10秒までその差を縮めて、勝負の地・ふじあざみラインへと入っていく。
メイン集団に待機しレースを進めるKINAN勢は、本格的な上りに入って集団牽引を開始。
主導権を得て、早くから逃げていた選手たちをひとりずつキャッチしていく。
特にレイン・タラマエの牽引は強力で、中腹を前に集団の人数を10人程度まで絞り込む。
ねらい通りネイサンのチャンスを広げるべく、ライバルチームへのプレッシャーを強めていった。

しかし、五合目のフィニッシュラインまで6kmとなったタイミングで数人のアタックがかかると、ここまで良い流れで来ていたレインとネイサンがポジションを下げてしまう。
急激なペースの変化に対応しきれず、両選手ともに一定ペースを保って五合目を目指す態勢に。
前方からこぼれてくる選手たちをパスしながら、少しずつ順位をアップさせていった。
この日一番にフィニッシュしたナホム・ゼライ選手(JCL TEAM UKYO)から2分39秒後、KINANメンバー最上位でレインがフィニッシュへ到達し、ステージ11位。その数人後にネイサンもレースを完了。
残る4選手もフィニッシュラインを通過して、全員そろって次のステージに進む。
大方の予想通り、総合成績のシャッフルも発生。チーム最上位のネイサンはスタート時から1つ順位を下げて14位。
トップライダーとのタイム差が広がったこともあり、残る2日は総合よりもステージ成績を意識して勝機をうかがっていくこととなる。

大会は終盤戦へ。第7ステージは、神奈川県相模原市を舞台とする107.5km。
一部ルートは東京2020五輪コースを活用するほか、丘陵地形を生かしたワインディングロードを選手たちは駆ける。
13.8kmの周回コースがメインで、後半部が長く上り基調。KINAN Racing Teamは富士山の雪辱を期して、このステージに挑むこととなる。
ツアー・オブ・ジャパン2025 第6ステージ・富士山(66.6km)結果
1 ナホム・ゼライ・アラヤ(JCL TEAM UKYO)2時間9分48秒
2 アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)+6秒
3 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+23秒
4 シモーネ・ラッカーニ(JCL TEAM UKYO)+36秒
5 レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)+1分25秒
6 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+1分39秒
11 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+2分39秒
18 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+3分51秒
34 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+9分36秒
35 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
65 山本元喜(KINAN Racing Team)+22分44秒
67 新城雄大(KINAN Racing Team)+23分35秒


・個人総合時間賞
1 アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)14時間7分42秒
2 シモーネ・ラッカーニ(JCL TEAM UKYO)+2秒
3 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+1分13秒
4 マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+1分26秒
5 マティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム)+1分54秒
6 レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)+2分7秒
14 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+4分35秒
23 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+10分26秒
28 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+16分46秒
34 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)+23分58秒
64 新城雄大(KINAN Racing Team)+43分58秒
67 山本元喜(KINAN Racing Team)+46分11秒


・ポイント賞
18 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)14pts

・チーム総合時間賞
1 JCL TEAM UKYO 42時間24分25秒
5 KINAN Racing Team +27分37秒
●選手コメント
ネイサン・アール
「チーム一丸となって上りのペースを上げていくつもりでレースに臨んだ。プラン通りに上りを始めたけど、他選手のアタックがかかったときに対応できなかった。今日は僕にとってバッドデイで、こんな形で終わることは考えていなかった。十分に準備はできていたし、トレーニングも順調だった。ただ、この結果は受け入れなければいけない。みんなには本当に感謝している。

もちろん最後まであきらめずに走る。総合成績は厳しくなったけど、ステージ優勝を狙うことはできるので、明日はもう一度攻めるつもりでいる。昨日から今日にかけて急激に気温が変化したけど、走りには影響ない。相模原(第7ステージ)も涼しい中を走れると思うので、その点で自分には有利だと思う」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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