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トマ・ルバ優勝! ツール・ド・熊野第2ステージ レポート

トマ・ルバが意地の熊野山岳征服
マルコス・ガルシアも山岳賞首位に立ち大会最終日へ
●ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)
第2ステージ 熊野山岳 109.3km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
山本大喜
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
ツール・ド・熊野での命運がかかったクイーンステージ。
荘厳な山々をめぐった1日でKINAN Cycling Teamはトマ・ルバが会心のステージ優勝。
チームにとってついにやってきたシーズン初勝利は、ホームの熊野で得ることとなった。
中盤にメイン集団から飛び出し、最後はマッチスプリントを制しての勝利。
また、マルコス・ガルシアが山岳賞首位に立ったほか、山本大喜も個人総合8位に浮上。
残すは最終ステージのみとなった。

三重県熊野市、紀和町、御浜町の3市町にまたがるコースが設定される第2ステージ。
温浴施設「熊野倶楽部」を発着点に、2.7kmのパレード走行を経てリアルスタート。
109.3kmのコースはまず、山の斜面に作られた棚田群「丸山千枚田」を上り、1つ目の山岳ポイントを通過。
いったん下って迎えるは今大会最大の山岳ポイントである札立峠。
再び下った後、レース序盤に走った区間を再度通過して最後の難所となる2回目の丸山千枚田登坂へ。

ポイントとなるのは登坂力はもとより、その後のテクニカルなダウンヒル。
3つのカテゴリー山岳通過後すべてに共通する要素となり、上り・下りともにいかに攻められるかが勝負のカギとなる。
また、2回目の丸山千枚田頂上からフィニッシュ地点までは16.5km。
下りと平坦基調によるレース終盤の駆け引きも見ものとなる。例年激しい勝負が繰り広げられており、総合争いの行方を占うクイーンステージであることは誰もが認める。

スタート準備を進める山本大喜

KINAN Cycling Teamは例年、このステージでライバルとの熾烈な争いを繰り広げている。
トマは2年前のこのステージで優勝。
昨年もマルコスやサルバドール・グアルディオラが総合上位進出をかけて再三の攻撃を見せた。
今年は、前日の第1ステージで山本大喜と新城雄大の好走で総合上位が見える位置につけており、さらなる順位のアップを目指しつつ、チーム全体でステージ優勝も目指していく。

山本元喜がスタートアタックを試みる

山本元喜のファーストアタックで火ぶたが切られたレースは、しばし出入りの激しい状況が続く。
山本元が再三にわたってアタックしたが、メイン集団の容認を得るところまではいかず、そのまま1回目の丸山千枚田登坂へと突入していく。
この日最初の山岳ポイントとなる千枚田頂上へ向かって動いたのはマルコス。
そのまま頂上1位通過を決める。
こうした動きによってレース前方は精鋭だけが残る形となる。

丸山千枚田を上るプロトン

ダウンヒル区間を経て2つ目の山岳となる札立峠へ向かう区間では、新城が数人とともに逃げを試みるが集団の容認は得られず。
約40人が一団となって札立の険しい上りへと入っていく。

新城雄大が逃げを試みる

札立峠へ向かう上りに入ると、アタックの応酬はさらに激しさを増す。
総合上位陣の動きに山本大が対応したほか、マルコスが再三のアタック。
やがてリーダージャージのオールイス・アウラール選手(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が自らチェックに出るなど、KINAN勢の強力な攻撃が際立つ。
連続して攻撃を繰り出したマルコスは、山頂まで約2kmのところで独走に持ち込み、山岳ポイントを再び1位通過。
山岳賞争いで完全に抜け出すことに成功した。

札立峠で再三アタックを繰り返したマルコス・ガルシア

マルコスは下りで集団へと戻るが、精鋭に絞られた先頭グループは加速度を増していく。
下りでの勢いのまま、サルバドールが逃げを狙って先行。
これは集団へと戻されるが、この直後にトマがアタック。
さらに続く下りを利用して後続との差を広げていく。

下りで独走態勢を築いたトマ・ルバ

リーダーチームのマトリックスパワータグがコントロールするメイン集団は、トマの飛び出しに加え、もう1選手の追走を容認。
独走態勢に持ち込んだトマは、メイン集団に対して最大で約2分のリード。
追走とは40秒前後の差で推移し、この日最後の上りとなる2回目の丸山千枚田へと向かっていった。

丸山千枚田の上りを進むトマ・ルバ

しっかりとしたペダリングで丸山千枚田を上るトマは、頂上に設けられた山岳ポイントも1位で通過。
一方で、追走するドリュー・モレ選手(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)がペースを上げ、トマとのタイム差を徐々に減らしていく。
上りを終える頃には約30秒差まで迫り、直後の下りをこなすと両者の差はさらに縮まっていった。

追ってきたドリュー・モレ選手との差を確認する

懸命に逃げ続けたトマだったが、勢いづいたモレ選手の姿が大きくなってくる。
そして残り7km、ついに2人が一緒になる。
この間、メイン集団に対して十分なリードを奪ったことにより、トマとモレ選手によるステージ優勝争いへ。
メイン集団では丸山千枚田の上り以降、マルコスらが次々と攻撃を仕掛けたが、決定的な局面とまではいかず。
山本大は上りで一時後方へと下がったが、ダウンヒルで挽回しメイン集団への復帰を果たした。

残り7kmでドリュー・モレ選手がトマ・ルバに追いつく

勝負の行方は先頭2人のマッチスプリントに。
互いに様子を探り合いながらフィニッシュまでの残り距離を進む。
そして、決定的な場面は残り200mでやってきた。

ステージ優勝をかけたスプリント。トマ・ルバが上りを利用してスプリントを開始

上り基調となる最終局面で仕掛けたのはトマ。
これに合わせるようにモレ選手も食らいつくが、トマは先頭を譲らずステージ優勝を決めた。

トマ・ルバが第2ステージを制した

トマにとって、熊野山岳をめぐるこの大会のクイーンステージ勝利は2年ぶり。
前日は6分以上の遅れを喫し、雪辱を期して臨んだこのステージで会心の勝利を挙げた。
レース中盤の札立峠では、頂上手前で後方へ下がった山本大を集団復帰させるべくアシストを担い、さらには長距離の独走劇。
最終局面を前にモレ選手の合流を許したが、最後はしっかりと勝ちきるスマートさを見せた。

会心の勝利にガッツポーズ

トマの歓喜から24秒後、メイン集団がフィニッシュへ。
山本大とサルバドールがこの中でレースを終えた。
トマやサルバドールらのフォローを受けながら走った山本大は個人総合で8位に浮上。
トップから総合タイム差17秒と好位置につける。

マルコス、新城、山本元もフィニッシュラインを通過。
マルコスは2度の山岳ポイント1位通過に加え、2回目の丸山千枚田でもポイントを加算。
2位以下に大差をつけて山岳賞首位に浮上。
第3ステージ完走で、山岳賞の受賞が確定する。

マルコス・ガルシアは山岳賞首位に立った

大会は残すところ、あと1日に。和歌山県太地町での第3ステージでフィナーレを迎える。
太地半島をほぼ1周する10.5kmのサーキットコースをメインとする104.3kmのレースは、太地港からの上りや、その後のテクニカルなダウンヒルなどが待ち受ける難コース。
逃げや小集団でのステージ優勝争いが近年は展開されているが、それと合わせて総合上位陣の駆け引きも見どころ。
KINAN Cycling Teamは山本大の個人総合上位フィニッシュを最優先に、マルコスの山岳賞キープのほか、ステージ優勝も目指して走っていくことになる。
ツール・ド・熊野第2ステージ(109.3km)結果
1 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 2時間40分7秒
2 ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +0秒
3 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +24秒
4 フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア)
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
6ユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)
11 山本大喜(KINAN Cycling Team)
12 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
27 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +49秒
41 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分37秒
58 山本元喜(KINAN Cycling Team) +11分13秒


個人総合
1 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 4時間53分30秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +9秒
3 ユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +14秒
4 コービン・ストロング(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +15秒
5 サム・クローム(オーストラリア、チームUKYO)
6 平塚吉光(チーム ブリヂストンサイクリング) +16秒
8 山本大喜(KINAN Cycling Team) +17秒
17 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分36秒
19 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +5分51秒
22 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +6分24秒
42 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +10分23秒
66 山本元喜(KINAN Cycling Team) +17分16秒


ポイント賞
1 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 48pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 25pts
11 山本大喜(KINAN Cycling Team) 10pts
20 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 4pts


山岳賞
1 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 20pts
2 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 7pts


チーム総合
1 マトリックスパワータグ 14時間41分36秒
3 KINAN Cycling Team +5分34秒
●選手コメント
・トマ・ルバ
「本当にうれしい。今日のコンディションはとても良くて、レース前半は余裕を持って(山本)大喜のサポートができていた。札立峠で大喜が遅れたときは彼を待って集団復帰をさせた。チームメートを楽に走らせたかったので自らアタックをしたが、40秒後ろに追走がいると知ってからは、脚を残しながら最後の勝負に備えていた。

モレ選手が最後の平坦区間で迫ってくることは予測できていた。駆け引きの中でラスト2kmのところで牽引を意識的に緩めたのだが、モレ選手は力を使って走っている様子が見てとれた。ベストコンディションではない中で勝負を左右するのは経験だと思っている。

(チームにとって約1年ぶりの勝利)みんなが喜んでくれていることを感じている。大会オーガナイザーや熊野の人々に喜んでもらえてうれしい。ツアー・オブ・ジャパンが不本意で、この大会でも個人総合優勝を狙うことは難しい状況にある。それでも、山岳賞でマルコスが首位に立ち、大喜も総合成績をアップさせられたことでとてもよい1日になった」
Rider's specifications

Tire: IRC TIRE FORMULA PRO
Sensor Pad: AIRFIT
Frame: YONEX CARBONEXHR & AEROFLIGHT
Wear: Champion System
Wheel: FULCRUM Racing Speed 40T & 55T
Helmet & Eyeware: uvex
Foods: ATHLETUNE, POWERBAR
Chemicals: WAKO'S
UV care: Aggressive Design
Sports Aroma: Igname Sports Aroma
Trainer: MINOURA HYBRID ROLLER FG540 & HYBRID ROLLER FG220
Shoes: NORTHWAVE
Conditioning: KT TAPE
Insole: La NICO CUSTOM INSOLE
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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