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KINAN RACING

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ツール・ド・北海道 第3ステージ レポート

ツール・ド・北海道2019閉幕
山本元喜が今大会日本人最上位の個人総合5位で終える
●ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)
第3ステージ 北見市~当麻町 182km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
全3ステージによって争われてきたツール・ド・北海道2019は、9月8日の第3ステージをもって閉幕。
最終日は北見市から当麻町までの182kmが設定され、KINAN Cycling Teamは個人総合4位でスタートした山本元喜が、最終的に1つ順位を落としたものの同5位でフィニッシュ。
第1ステージ以降、総合上位をしっかりとキープして3日間の戦いを終えた。

前日行われた第2ステージは、レース中盤に2カ所の峠越えをこなし、KINAN勢は山本を個人総合8位から4位に押し上げることに成功。
総合上位陣が僅差の争いとなっており、上位進出をかけて残り1ステージを戦うことになった。

個人総合4位でスタートする山本元喜

その最終・第3ステージ。
この日も中間地点を過ぎたところから標高1000m超の北見峠を越えるルートが設定された。
レース後半は目立った変化がなく、フィニッシュへと急ぐプロトン内の駆け引きに注目が集まる。
KINAN Cycling Teamも山本の総合上位入りを確定させるべく、攻めのレースをすることを確認した。

レースは、アクチュアルスタートから出入りが続き、簡単には逃げが決まらないムード。
KINAN勢を含め有力チームが盛んに仕掛けるが、完全に抜け出すまでには至らない。

レース前半の逃げに加わったサルバドール・グアルディオラ

そんな流れの中、20km過ぎに3人が抜け出したのをきっかけに数人が追随。
この動きで山本が合流を図るが先頭までは届かず。
代わってサルバドールが前方へとジョインして後続に対してリードする。
この時点で先頭グループは6人。メイン集団に対して1分前後のタイム差で進行していった。

しかし、サルバドールたちのグループはメイン集団の容認を得られず。
しばらく逃げ続けた6人だったが、52.3km地点に設けられた1つ目のホットスポット(中間スプリントポイント)を通過後に1人を残して集団へと引き戻された。

メイン集団の中で走るマルコス・ガルシア

再びメイン集団は出入りが繰り返されることになり、ここで再び山本がアタック。
サルバドールの引き上げを利用して後続を引き離しにかかるが、リーダーチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネによる厳しいチェックにあい、集団からの抜け出しはならなかった。
これにかわって飛び出した3人の先行が許され、逃げ続けていた1人とともに合計4選手による先頭グループが新たに形成された。

メイン集団に待機することになったKINAN勢5人。
状況次第では先頭4人を捕まえたうえで、山本が2回目のホットスポット上位通過を狙うことも考えられたが、ここはペースアップを行わない判断。
ボーナスタイムを得て総合上位を決定的にできる可能性もあったが、レース展開に合わせて進行していくことを選んだ。

集団前方に位置するKINAN Cycling Teamの選手たち

ボーナスタイム狙いから切り替えトライしたのは、北見峠の上りでのペーシングだった。
サルバドールに加え、マルコス・ガルシア、トマ・ルバが代わる代わるペースをコントロールし、メイン集団を活性化させていく。
しかし、総合を争う山本のライバルたちはいずれも集団に残ってレースを展開。
この時点で総合争いに変化を加えることはできなかったが、先頭をゆく4人とのタイム差は着実に縮めていった。

頂上通過後の下りからは、再びリーダーチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネがレースを支配。
メイン集団は先頭グループとのタイム差を着実に縮めていき、残り20kmを切ったところですべて吸収。
フィニッシュまで10kmを切ると、細かなアップダウンを利用してアタックが散発したが、いずれも決定打に欠け、一団のまま最終局面を迎えた。

約800mの最終ストレートに選手たちがやってきた

ここまでメイン集団内でレースを進めてきた山本は、個人総合での上位進出が決定的な情勢に。
残る焦点はその順位となった。
スプリンターたちに混じって加速し、ステージ13位。
レースを終えた時点で数人が総合タイムでならび、最終的に3日間のステージ順位合算で個人総合順位が決定することに。
その結果、山本は前日からは1つ順位を下げたものの、5位が確定。
日本人ライダーでは最上位を収めた。

ステージ13位の山本元喜。個人総合では5位を確定させた

大会の歴史の中でも、最も厳しいコースとの呼び声もあった大雪山系の山々をめぐった3日間。
ふたを開けてみれば、初日の結果が残る2日間の戦いにも反映された。
KINAN Cycling Teamも、第1ステージで上位を押さえた山本を軸に戦術を固めていき、各選手はもちろん、チームとしての力を誇示。
上位進出を果たした山本にとっても、ライバルたちのハードなチェックにあいながら戦い抜き、新たな実績を積んだ。
なお、UCIポイントは15点を獲得した。

今大会の日本人最上位を確保した山本元喜を株式会社キナン・角口賀敏会長が労う

北海道での戦いを終えたチームは、すぐに次なる戦いがやってくる。
9月中旬からは海外組と国内組に分かれてのレース活動となり、海外組は9月19~22日のツール・ド・シアク(インドネシア、UCIアジアツアー2.2)に参戦。
国内組は9月22日のJプロツアー・経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ、翌日のバンクリーグ・広島Roundと連戦する予定となっている。
ツール・ド・北海道2019第3ステージ(182km)結果
1 レイモンド・クレダー(オランダ―、チームUKYO) 4時間9分59秒
2 フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +0秒
3 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
4 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
5 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)
6 黒枝咲哉(シマノレーシングチーム)
13 山本元喜(KINAN Cycling Team)
15 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
55 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +35秒
56 新城雄大(KINAN Cycling Team)
57 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)


個人総合
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 12時間37分34秒
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +24秒
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +26秒
4 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +30秒
5 山本元喜(KINAN Cycling Team)
6 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング) +35秒
14 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分42秒
31 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分18秒
33 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +2分30秒
36 新城雄大(KINAN Cycling Team) +6分26秒


ポイント賞
1 フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 37pts
18 山本元喜(KINAN Cycling Team) 11pts
26 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 4pts


山岳賞
1 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 23pts
2 山本元喜(KINAN Cycling Team) 19pts
21 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 1pts


チーム総合
1 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ 37時間55分28秒
4 KINAN Cycling Team +1分45秒
●選手コメント
・山本元喜
「エースとして走ることに、正直プレッシャーは感じていた。ただ、こうした経験ができたことによって、アシストの力が必要な局面を実感できたり、要所であと一歩力が足りていなかったことなどを痛感するきっかけになった。もうワンステップ上に行けないと、勝てるような選手にはなれないと理解している。

次戦はインドネシアでのステージレース。昨年はステージ上位に入ったり、個人総合でも結果を残せているので悪いイメージはまったくない。ツール・ド・北海道とは違ったレース展開になると思うので、勝てるよう仕上げていくと同時に、アシストに回る局面があってもしっかり働けるようにしていきたい。レースををこなしていくことによって、今回のようにチャンスがめぐってくると思う。信頼して勝負を任せてもらえるよう、さらにトレーニングを積んでいきたい」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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