●宇都宮清原クリテリウム
3月24日（日）
3.0km×21周回＝63km

・出場選手
孫崎大樹
山本元喜
柚木伸元
宮崎泰史
新城雄大
畑中勇介

国内ロードレースシリーズ「Jプロツアー」は2024年シーズンの第4戦として、宇都宮清原クリテリウムを3月24日に開催。
63kmで争われたレースで、KINAN Racing Teamは終始プロトンを活発させる動き。
スプリントに持ち込まれた勝負では、孫崎大樹が3位となり表彰台の一角を確保。
中間スプリント賞を獲った山本元喜とともに、会場に駆け付けた多くのファンからの祝福を浴びた。

前日23日から続いている栃木県でのJプロツアー2連戦。
真岡芳賀ロードレースでは前半からプロトンを崩す作戦で人数を絞り込んだものの、最終盤でのアタックを許し孫崎の10位が最高。
連携や戦術の面は精度が上がっていることは確認できており、あとは確実に上位を押さえるところまできている。

そうして迎えた宇都宮清原クリテリウム。
前日のメンバーから孫崎、山本元喜、柚木伸元、宮崎泰史、新城雄大、畑中勇介の6人が引き続き出走。
冷雨のロードレースから一転し、晴れ間ものぞく中でクリテリウムのスタートへ。
宇都宮市・清原工業団地に設けられた1周3.0kmのコースは鋭角コーナーが複数箇所あるものの、直線部が長くところが特徴。
スプリント勝負が予想される中でも攻めの姿勢を崩さないこと点を確認し合ってレースに臨んだ。

リアルスタート前のパレード走行では、昨年8月に開業したばかりの宇都宮ライトレール（LRT）と併走する演出が施された。
地元・宇都宮ブリッツェンのラッピング車両がプロトンと並んで走り、これから始まるハイスピードバトルに彩りを与える。
そこからリアルスタートが切られると、早速KINANメンバーが前線を確保。
山本、新城、宮崎、孫崎と代わる代わる前をうかがって、状況次第では逃げに入っていこうという構え。

チームごとの狙いが交錯し、流れを変えるような動きは見られないまま進行。
何度か数人がリードする場面があったものの、どれもすぐに集団がキャッチ。
速いペースのまま、周回を減らしていった。

やがてレース半ばへと移り、12周目完了時に設定される中間スプリントへ。
数チームがターゲットにする動きを見せた中、隙を見て抜け出した山本が1位通過に成功。
この日唯一の中間賞獲得を決めた。

その後も一団のまま進行するが、残り5周を切ったタイミングから再びKINAN勢が前方へ。
山本、新城、畑中が一気にペースを上げて、集団を縦長に変化させる。
これを機にスプリント狙いのチームが位置取りを本格化させ、優勝争いへのムードが高まっていった。

シマノレーシングの隊列を先頭に最終周回へ。
複数チームが主導権を争う中、勝負を託された孫崎が単独でポジションを前へと上げていく。
ライバルとなり得るスプリンターをチェックしながら位置を固め、5番手で最終コーナーをクリア。
同時に優勝かけたスプリントへと加わった。

最後の争いは岡本隼選手（愛三工業レーシングチーム）のスピードに届かずも、孫崎も上位を確実なものとして、最終的に3位を確保。
終始ハイペースで進み、最終盤は前線で展開した選手たちによる争いとなったなかで、きっちりと立ち回った。
チームとして序盤から積極的にレースを進めたあたりも奏功し、戦前のイメージに近い形で戦いを終えることができている。

これにより、レース後の表彰では孫崎と山本が登壇。
自転車の街・宇都宮とあって、多くのファンが会場に駆け付けた中で、その走りが祝福された。

栃木での2連戦は、チーム力や戦う方向性の確認ができた有益な機会となった。
お預けとなっているシーズン初勝利は、ここから続く春の重要レースにかける。

なお、チームの次戦は4月4～7日のツール・ド・メルシン（UCIヨーロッパツアー2.2）。今季2度目となるトルコ遠征を行う。

宇都宮清原クリテリウム（63.0km）結果
1 岡本隼（愛三工業レーシングチーム）1時間24分59秒
2 石原悠希（シマノレーシングチーム）+0秒
3 孫崎大樹（KINAN Racing Team）
4 フォン・チュンカイ（宇都宮ブリッツェン）
5 アレクサンドロス・アグロティス（マトリックスパワータグ）
6 寺田吉騎（シマノレーシングチーム）
39 新城雄大（KINAN Racing Team）+7秒
42 柚木伸元（KINAN Racing Team）+8秒
43 畑中勇介（KINAN Racing Team）
81 宮崎泰史（KINAN Racing Team）+33秒
105 山本元喜（KINAN Racing Team）+2分21秒

●選手コメント
孫崎大樹
「チームとして攻撃的姿勢は崩さないことを確認し、今日のクリテリウムに臨んでいた。序盤から攻めていって、自分自身もスプリントだけには絞らずにチャンスがあれば逃げることも考えていた。

レースを通してチームの動きはとても良かった。スプリントに向けた流れになってからは自分は温存させてもらったが、その間も（新城）雄大さんや（山本）元喜さんが動いてくれて、集団を縦長にしてくれた。最後のポジション争いで脚を使ってしまったので、フィニッシュ前で失速してしまったが、何とか表彰台を確保できてホッとしている。

4月以降も大事なレースが控えている。チームとしてやりたいことができていて、あとは結果だけ。その部分を担っていけるようトライを続けていきたい」

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU