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KINAN RACING

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キナン古座川ロードレース レポート

ホームレース・キナン古座川ロードレースは山本大喜が3位表彰台
久々合流のマルコスも4位で秋の連戦ヘ好調アピール
●キナン古座川ロードレース クラシック
9月3日(土)
古座川町内ロードレースコース(和歌山県古座川町)
41.6km×3周=124.8km

・出場選手
山本元喜
小出樹
マルコス・ガルシア
山本大喜
トマ・ルバ
新城雄大
国内プロチームによるロードレースリーグ「三菱地所JCLプロロードレースツアー」は、2022年シーズンの第7戦としてキナン古座川ロードレースを9月3日に開催。
和歌山県南東部・古座川町を舞台としたレースはチームにとっての大事な一戦。
序盤から山岳での絞り込みが図られた中、山本大喜とマルコス・ガルシアが優勝争いでレースを展開。
最後はスプリントで敗れたものの、それぞれ3位と4位で終え、実質この日から始まった秋の重要レースで成果を上げている。
9月に入り国内レースシーンはさらに活況へ。
各地を転戦しているJCLは、KINAN Racing Teamのホームである和歌山県へ。
チーム本拠の新宮市より南へ約40kmの場所にある古座川町が今節の開催地。
レース名の通り、メインスポンサーの株式会社キナンの名を冠し、自転車を活用した町の活性化を目指す同町の資源をフル活用したコースセッティングが今回の注目ポイントでもあった。
そのコースは、41.6kmの大周回を3周する124.8kmの行程。
周回の前半から上り基調で、最大の難所となるのが登坂距離6km、平均勾配4.15%の下露峠。
一気に頂上まで駆け上がると、そこから約10kmに渡るダウンヒルは急勾配かつ道幅が狭くテクニカル。
ここ数日の雨によってウェットなロードコンディションも相まって、当初の予想をはるかに上回る難易度となった。
そのほか、下り終えたところには名所・瀧之拝など、町の96%が山と川という自然環境に満ちた古座川の魅力満載のルートが用意された。
このレースへは、長く好調をキープする山本大に加え、秋のレースに備え来日したマルコス、主要メンバーの山本元喜、小出樹、トマ・ルバ、新城雄大の6選手をそろえた。

キナン関係者や地元住民が見守る中、スタートが切られると、直後の平坦区間で2人が飛び出すが、下露峠の上りが始まるとすぐに集団がシャッフル。
登坂力のある選手たちが次々とスピードを上げていく状況から抜け出したのは山本大。
Team UKYO SAGAMIHARAの2選手に続いて頂上を通過すると、その後の下りで合流。
Team UKYO SAGAMIHARAからさらに1人が追いつき、1周目にして1対3の構図となる。
プロトンがいくつにも割れ、数人ずつのパックが形成されるが、第2グループにはマルコスと新城、第3グループで山本元と小出が位置。
2周目でも、上りで状勢は変動。山本大を含んだ先頭グループに第2グループが迫る中、下露峠の登坂に入ったところでマルコスが抜け出す。
一定ペースで進むと、頂上からの下りで先頭に合流。
さらに数人が加わったこともあり、7人による先頭グループに再編。後ろとの差が広がったこともあり、最終周回に入る頃には、このメンバーから優勝者が出ることが濃厚となる。
そして迎えた3回目の下露峠。ここもマルコスが前をうかがい、ネイサン・アール選手(Team UKYO SAGAMIHARA)とともに頂上へ。
数秒差で山本大が下りへと向かった。

尻上がりに調子を上げるマルコスは下りでアタック。
ネイサン選手を引き離して独走状態でダウンヒルをクリアすると、フィニッシュまでの15kmで逃げ切りを図る。
その後ろでは、山本大が増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)とネイサン選手に合流。

単独で逃げるマルコスだったが、ネイサン選手、増田選手の追走の勢いが上回り、終盤の平坦区間でジョイン。
ただ、山本大もここに残ったことで数的優位な状況を作り出す。
マルコス、山本大ともにアタックの機会をうかがいつつ、フィニッシュまでの残り距離を減らしていく。

両者ともにチャンスとあらば一気のアタックを講じたが、いずれも決定打にはならず。
残り5kmを切ってからはマルコスが先頭で牽引する時間を増やして山本大のスプリントに賭ける構え。
そのまま、4人によるフィニッシュ前での勝負にゆだねられた。
マルコスのお膳立てを受けてスプリントに挑んだ山本大だったが、ネイサン選手、増田選手のスピードが上回り、結果3位でのフィニッシュ。
最後はアシストに回ったマルコスが4位で終えた。
ホームレースでの優勝とはならなかったものの、序盤からの絞り込みに対応し上位戦線をにぎわせた2選手。
重要なレースが多数控える中、まずは順調な仕上がりをアピール。
今レースの関係者や、この日のために長期にわたって準備を続けてきた古座川町の人々にとっても満足していただける結果だった。

開催地・古座川町とは、レース前日に「自転車を活用した古座川の魅力発信に関する協定」を結び、翌4日には「ぐるっと古座川サイクリングフェス2022」にチームがゲスト参加。
サイクリングへの機運が高まるところでの好レースとあり、同町との今後にも期待が高まっている。
KINAN Racing Teamの次戦は、9月9~11日のツール・ド・北海道。
大事なUCI国際レースへ、チームは加速度を上げていく。
キナン古座川ロードレース(124.8km)結果
1 ネイサン・アール(Team UKYO SAGAMIHARA) 1時間13分10秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+0秒
3 山本大喜(KINAN Racing Team)
4 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)+7秒

5 ベンジャミン・ダイボール(Team UKYO SAGAMIHARA)+1分37秒
6 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+2分21秒
11 新城雄大(KINAN Racing Team)+3分26秒
16 小出樹(KINAN Racing Team)+12分43秒
DNF トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
DNF 山本元喜(KINAN Racing Team)
●選手コメント
・山本大喜
「コンディションが良く、今日のために仕上げてきたつもりだったが、Team UKYO SAGAMIHARAのチーム力が高く、早い段階から数的優位を作られてしまった。最後まで粘れればスプリントでチャンスがあると信じていたが、結果的に力負けになってしまった。2周目の後半でマルコスが合流してくれて、展開的には楽になった。ただ、それ以上に強かったのがネイサン選手と増田選手だった。

(普段のトレーニングコースでもあるが攻略法は?)このコースに限っては登坂力とスプリント力が最重要。しっかりもがけるような選手じゃないと攻略は難しいのではないか。

次戦はツール・ド・北海道を予定している。今日の上位メンバーと再び勝負になると思うので、今度は勝てるように、チャンスを探りながら戦いたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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