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KINAN RACING

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ツール・ド・北海道2022 第2ステージ レポート

ツール・ド・北海道第2ステージでトマ・ルバが3位フィニッシュ
個人総合がシャッフルする中2位につけて最終日に逆転をかける
●ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)
第2ステージ
9月10日(土)
倶知安町~倶知安町 186km

・出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
山本大喜
トマ・ルバ
新城雄大
3日間で争われるステージレース、ツール・ド・北海道は9月10日に第2ステージが行われ、KINAN Racing Teamは最終盤の争いに加わったトマ・ルバが3位でフィニッシュ。
スタート時の個人総合6位から順位を上げて2位に浮上。残る1日に逆転を賭けることとなった。
3年ぶりの開催でロードレースの熱気が戻ってきた北海道。
広大な大地を行くプロトンは、2日目の戦いに臨んだ。
第1ステージでは山本大喜が3位となり、マルコス・ガルシア、トマ・ルバも上位入り。
第2ステージに向けては、山本大が山岳賞のレッドジャージを着用するほか、チーム総合でトップにつける。

第2ステージは倶知安町を発着とする186km。
ニセコ連峰を縫うようにして走るコースセッティングは、前日のフィニッシュ地・共和町のほか、蘭越町、豊浦町、洞爺湖町、真狩村、ニセコ町を通過。
スキーをはじめとする観光でにぎわう倶知安町、ニセコ町や、「噴火湾ホタテ」「豊浦いちご」「とようらSPF豚」の三大特産品が自慢の豊浦町など、あらゆる産業で発展する地域を行く。

前半に唯一となる山岳ポイントを通過すると、一度日本海側まで下って、そこから細かなアップダウン。
終盤にかけては距離こそ短いながらも急坂区間も待ち受ける。
そして最後の600mはニセコ名物の「ひらふ坂」へのファイナルアタック。過
去のコース採用時には上位陣同士にもタイム差がつくほどの難所で、この日のルートをトータルで見ても最も難しいステージといえる。
前日と同様に、このステージでもKINANメンバーが序盤からレースを動かした。
山岳区間へと入る前に7人の逃げグループが形成され、そこへ新城雄大がジョイン。
有力チームの多くがメンバーを送り込んでレースを先行する。メイン集団はリーダーチームのチーム ブリヂストンサイクリングがコントロール。
上りが本格化すると同時にタイム差が広がり、最大で4分まで拡大。
山頂通過を機にメイン集団がペースを上げて、新城らの先頭グループとの差を2分台に。
この形成がしばらく続いた。
快調に飛ばした先頭グループだが、残り80kmを切って脱落していく選手の姿が見られるようになる。
タイミングを同じくしてメイン集団のスピードがさらに上がると、フィニッシュまで70kmを残したところで一気に追撃ムードへ。
EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームが主導権を握るところへ、トマと山本元喜が加わって前線を目指す。
残り50kmを切ったところで新城ら先頭メンバーに追いつくと、最大で20人がレースをリード。
後続に対して4分以上の差とした。
後方待機していた山本大とマルコスも他の個人総合上位陣とともに追走を開始するが、完全に勢いづいた先頭グループには届きそうもない。
やがて、勝負は前を行く選手たちにゆだねられていく。
残り21kmでは、この日2つ目のホットスポット(中間スプリントポイント)を迎え、トマが2位通過。
個人総合成績を上げるうえで重要となるボーナスタイム2秒を獲得した。

レースが終盤に差し掛かると、先頭グループでは山本元や新城がペーシングを担ってトマが勝負できる状況を整えていく。
細かなアップダウンの連続でたびたびアタックがかかるが、どれも決定打とはならず。
この日のステージ優勝争いは、最後の600m、ひらふ坂で決まることとなった。
一向に終わりが来ない急坂に、それまでの激戦で消耗している選手たちにさらなる追い打ちをかける。
上り途中で順位が激しく入れ替わる中、ステージを制したのは谷順成選手(那須ブラーゼン)。
門田祐輔選手(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)が続き、この2人から5秒差でトマがステージ3位とした。
それから少し置いて、トマの引き上げに貢献した新城と山本元がレースを完了し、マルコスと山本大も谷選手から約4分40秒差でフィニッシュしている。
これらの結果から、トマは個人総合で2位に浮上。
トップに立った門田選手とは総合タイム差5秒で最終の第3ステージに臨むことになった。
前日3位だった山本大はパンクトラブルがありながらも第2ステージを乗り切り、個人総合6位に踏みとどまる。
マルコスも同8位につけ、KINAN勢3人がトップ10に位置している。

このほか、山岳賞では山本大が2位に順位を下げたものの、1位選手と同点で残る1ステージへ。
チーム内上位3選手の所要タイム合算で競うチーム総合では首位をキープしている。
予想に違わない劇的展開となった大会の中日だが、最終日もタフな1日をなりそうだ。
第3ステージは、再び倶知安町をスタートし、苫小牧市にフィニッシュする173km。
レース前半、ニセコパノラマライン途中の神仙沼に山岳ポイントが置かれ、その後も細かなアップダウンが連続。
山岳にカウントされない長い上りもあり、ここまで2ステージと同様に登坂力がモノを言うコースだ。
一方で、終盤は下り基調で、前線に残ったスプリンターにチャンスが膨らむ。
KINAN Racing Teamは上位に複数メンバーを送り込んでいる強みを生かして、活発なレース展開を構築していく。
ツール・ド・北海道 第2ステージ(186km)結果
1 谷順成(那須ブラーゼン) 4時間35分29秒
2 門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)+0秒
3 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+5秒
4 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+9秒
5 中井唯晶(シマノレーシングチーム)+15秒
6 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)+19秒
15 新城雄大(KINAN Racing Team)+1分28秒
16 山本元喜(KINAN Racing Team)+4分19秒
18 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)+4分51秒
21 山本大喜(KINAN Racing Team)+4分54秒


個人総合時間賞
1 門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム) 8時間37分2秒
2 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+5秒
3 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)+29秒
4 谷順成(那須ブラーゼン)+1分15秒
5 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)+4分19秒
6 山本大喜(KINAN Racing Team)+4分22秒
8 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)+4分57秒
19 新城雄大(KINAN Racing Team)+9分9秒
30 山本元喜(KINAN Racing Team)+20分9秒


ポイント賞
1 谷順成(那須ブラーゼン) 32pts
3 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)29pts
8 山本大喜(KINAN Racing Team)20pts
12 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)12pts
23 新城雄大(KINAN Racing Team)2pts


山岳賞
1 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)10pts
2 山本大喜(KINAN Racing Team)10pts
4 新城雄大(KINAN Racing Team)8pts
6 山本元喜(KINAN Racing Team)7pts
12 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)3pts
14 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)2pts


チーム総合
1 KINAN Racing Team 25時間56分45秒
●選手コメント
トマ・ルバ
「リーダーチームのチーム ブリヂストンサイクリングがメイン集団のコントロールを終えたタイミングで攻撃に出た。(山本)大喜とマルコスが後ろに残ったこともあり、総合でトライできるのが自分だけになったので(新城)雄大と(山本)元喜の力を借りながら最後の上りに向かった。調子は良かったけど、谷選手や門田選手を追えるだけの脚はなかった。タイム差がついてしまった分は、明日のステージで取り戻したいと思う。

チームとして個人総合上位に3人送り込めているので、明日はいろんなカードが切れると感じている。リーダーチームのコントロール下で、どんなレースができるか個人的にも楽しみだ。

UCI公認の国際レースに個人としても、チームとしても戻ってこれたのがとてもうれしい。スポンサー、サプライヤー企業のみなさんもチームの結果に喜んでくださっているので、明日はもっと良い結果を残したい。私だけでなく、大喜やマルコスにも今日の私のようなチャンスが残っているので、みんなでチャレンジを繰り返していきたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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