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KINAN RACING

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マルコス・ガルシア個人総合3位 ツール・ド・台湾 第5ステージ レポート

ツール・ド・台湾、最終・第5ステージは中島康晴が4位
個人総合ではマルコス・ガルシアが3位入賞を果たす
●ツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)
第5ステージ
10月6日(水)
屏東県 144km

・出場選手
マルコス・ガルシア
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
5日間にわたって開催されたツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)は、10月6日に閉幕。
最終の第5ステージはスプリントによる争いとなり、勝負に加わった中島康晴が4位。
前日同様にトップ3まであと一歩まで迫った。
個人総合では、マルコス・ガルシアが第2ステージからの3位をキープ。狙い通りの上位進出で大会を終えた。
台北で開幕し、台湾を徐々に南下してきたプロトン。いよいよ、最後を飾る1日となった。
この数年はフィナーレの舞台として恒例の大鵬湾をめぐる1周12kmのコースを12周回する144kmで競った。
周回前半の鵬湾跨海大橋の上りをのぞけば、ほぼフラット。
傾向としてはスプリントで勝者が決まることがほとんど。
KINAN Racing Teamはここまで、マルコスが個人総合3位をキープ。
トップとの総合タイム差が46秒あり、最終日はトラブルなく走り切って順位をキープすることが現実路線。ステージは中島のスプリントで狙っていく。
レースはしばし一団のまま進んだが、中間地点を前に集団から断続的にアタックが生まれ、やがて8人の先頭グループが形成される。
KINAN勢はここには乗らず、メイン集団に待機。
先頭グループから集団までのタイム差は徐々に広がっていき、最大で3分30秒ほどとなった。
残り4周を切った頃から、スプリントを狙うチームを中心にメイン集団のペースコントロールが本格化し、前の8人との差が縮小傾向へ。
11周目に入ると、新城もこのペーシングに加わり、中島のスプリントへ向けて準備を整えていく。
そして最終周回。先頭と集団とのタイム差は1分を切っているが、前の選手たちも粘りを見せ簡単には吸収を許さない。
KINAN勢はマルコス、トマ、新城の3人が中島を引き上げ。
逃げに逃げた前線の選手たちは残り1kmを切ってようやく集団がキャッチ。
そこからはいよいよスプリント態勢へと移っていく。
最終局面はコーナーが連続するテクニカルなレイアウト。
前方へと送り出された中島は他チームのスプリンターをマークしながら好位置へとポジションアップ。
満を持して最後の直線で加速を試みるが、フィニッシュは4番手。
今大会3回目のスプリントチャンスは、みたびトップ3まであと一歩に迫る結果だった。
また、マルコスとトマもメイン集団内でレースを完了。
それぞれ個人総合3位と7位を維持に成功。
最終日も終始献身的な走りを続けた新城も走り切って、出走4選手全員が完走。
個人総合成績によるUCIポイントは、マルコスが70点、トマが35点を獲得。
マルコスの第2ステージ3位による3点と合わせて、今大会で計108点を得た。
5日間の戦いを終えた選手たちは、走り抜いた喜びとステージ勝利を挙げられなかった悔しさが選手それぞれに入り混じり、改めてアジアで戦う難しさと充実感を味わった。
今季限りでの引退を発表し、今大会へ特別な思いで臨んだ中島が流した涙に、残るレース機会で表彰台へ送り込もうと他のメンバーが意志を新たにしたように、チームの結束を強める良い機会ともなった。
3年ぶりに臨んだツール・ド・台湾を終え、次戦としてジャパンカップサイクルロードレース(UCIプロシリーズ)へ向かう。
アジア最大級のワンデーレースへもベストな布陣で挑む予定となっている。
ツール・ド・台湾 第5ステージ(144km)結果
1 モハメド・ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム) 3時間11分24秒
2 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)+0秒
3 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング)
4 中島康晴(KINAN Racing Team)
5 草場啓吾(愛三工業レーシング)
6 コナー・リアドン(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
16 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
21 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)
48 新城雄大(KINAN Racing Team)+1分1秒


個人総合時間賞
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京) 15時間29分5秒
2 サム・カルヴァーウェル(イギリス、トリニティレーシング)+35秒
3 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)+46秒
4 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング)+1分32秒
5 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)+1分34秒
6 フォン・チュンカイ(台湾ナショナルチーム)+1分48秒
7 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+1分53秒
29 中島康晴(KINAN Racing Team)+19分37秒
34 新城雄大(KINAN Racing Team)+28分13秒


ポイント賞
1 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング) 54pts
4 中島康晴(KINAN Racing Team)36pts
21 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)11pts
35 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)1pt


山岳賞
1 サム・カルヴァーウェル(イギリス、トリニティレーシング) 37pts
6 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)18pts
7 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)16pts
14 中島康晴(KINAN Racing Team)3pts


チーム総合
1 台湾ナショナルチーム 46時間34分24秒
4 KINAN Racing Team +9分18秒
●選手コメント
マルコス・ガルシア
「3位にはとても満足している。チームとして機能できたので、5日間何ひとつ問題なく走り切ることができた。新型コロナウイルスの影響でこの2年間は複雑だったし、レースをほとんど走ることができなかったので、それでも今回のように結果を残せたことは喜んで良いと思う。近年では一番良い走りができたと実感もしている。

(次戦はジャパンカップ)今の力で勝負に絡めることが自分でも分かったので、自信をもって走りたい」
中島康晴
「逃げていた選手たちが強くてスプリントチャンスは無くなったかと思ったけど、(新城)雄大が全力でタイム差を縮めてくれて、その前にも集団内のポジションを押さえてくれたりと、できうる限りのサポートをしてくれた。スプリントになれば絶対勝つんだという意識をチーム内で統一させていたので、マルコスもトマも良い仕事をしてくれた。勝ったサレー選手の後ろを押さえて最高の位置からスプリントができたが、結果は4位。いつもなら最高のスプリンターたちに続いての順位なのでうれしいところだけれど、今日ばかりは“また4位か…”という気持ち。これが自分のサイクリングなのかなとも思っている。

この悔しさをトマに伝えたら、“今までたくさん良い思いをしてきたから幸せだ”と言ってくれて、涙が止まらなかった。良いチームメートに恵まれたと改めて実感している。

でもやっぱり4位は悔しいので、残る日本のレースで表彰台の頂点に立てるようあと少し全力を出したい。こんなに楽しい5日間はなくて、引退を撤回しようかと思ったくらい(笑)。チームメートやスタッフ、応援してくださったみなさんに感謝して大会を終えられることは最高にうれしい」
新城雄大
「厳しいバブルの中でのレースに、個人的には順応しきれなかったことが悔しい。日本のレースのような好調さで走れず反省している。ただ、チームとしてはマルコスが個人総合3位に入ってくれたし、トマも何度もアタックしてレースを動かしてくれた。強いチームが多かった中で、久々のアジアのレースを良い形で終えられたと思う。

中島さんを表彰台へ送り込めなかったことが今大会の心残り。この悔しさを日本のレースにぶつけていきたい。台湾でレースをこなしたことは今後にもつながると思うので、個人的にはロードレースでの優勝を目指すとともに、中島さんのスプリント勝利というミッションに力を注ぎたいと思っている」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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