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KINAN RACING

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インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン第3ステージ レポート

インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン第3ステージ
激坂での奇襲攻撃を決めてトマと山本の総合順位アップに成功
●インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)
第3ステージ RTHマロン(RTH Maron)-カンタール・ブパティ・バニュワンギ 139.4km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
インドネシア東ジャワ州で行われているインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)は、9月28日に第3ステージが行われた。
ここまで2選手を個人総合上位に送り込んでいるKINAN Cycling Teamは、レース後半の山岳区間での攻撃を決めて4選手が上位フィニッシュ。
個人総合4位でこのステージをスタートしたトマ・ルバが3位へ、同じく6位だった山本元喜が5位へと浮上させることに成功している。

大会は後半戦へ。
前半2ステージを終えた時点でKINAN Cycling Teamは、トマと山本が個人総合上位につけるほか、第2ステージではサルバドール・グアルディオラが8位フィニッシュ。
よい流れを継続している。

139.4kmに設定された第3ステージ。中盤に3級山岳スンベルブル(Sumberbuluh)、さらにフィニッシュ前約30kmのところで3級山岳パケル(Pakel)を上る。
特にパケルは上り始めから10%前後の勾配が続き、頂上手前で最大勾配15%を迎える。
舗装も粗く、この区間をいかにクリアするかがその後の総合成績にも関係すると見られる。

第3ステージに臨む5選手と、現地コーディネーターのクスヌルさんが揃って記念撮影

金曜日はイスラム圏の休日にあたる安息日であることから、レースは午後に実施。アクチュアルスタートともに飛び出した6人がそのまま逃げグループを形成。
この動きを容認したメイン集団は、リーダーチームのセントジョージコンチネンタルがコントロール。
その後ろにKINAN勢5人がつけ、淡々と距離をこなしていく。
そのまま中盤まで進行し、逃げと集団との差は約4分で1つ目のカテゴリー山岳のスンベルブルを通過した。

3級山岳スンベルブルを上るKINAN Cycling Teamの選手たち

続く下り区間でメイン集団がペースアップ。
先頭をゆく選手たちとのタイム差を着々と縮めていく。
KINAN勢5人はトラブルなく、集団内の好ポジションをキープしてレース終盤へと入っていった。

やがて迎えるはこの日2つ目のカテゴリー山岳にして、最大の勝負どころとなるパケル。
距離3.6km、平均勾配7%にとどまらず、数キロ手前から上り基調となり、さらには道幅が狭くなることから、集団内のどの位置から急坂区間へと入っていくかもポイントとなった。

西日が差す中を走るKINAN Cycling Teamの選手たち

ここで満を持して動いたのはKINAN Cycling Team。
パケルの上りを迎えてすぐの激坂区間でまず新城雄大がアタック。
これを数選手がチェックに動き、プロトン全体がスピードアップするとともに、各選手の登坂力の差が明確になってくる。
セントジョージコンチネンタルのペースメイクによって新城は吸収されるが、上りの中腹で今度は山本とサルバドールがアタック。
さらにはトマとマルコス・ガルシアもカウンターアタック。
最大勾配15%のポイントでトマとマルコスが、先に動いた2人に合流。
このKINAN勢の奇襲攻撃に対応できたのは、個人総合3位につけるベンジャミン・ダイボール選手(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)ただ1人。
5選手に絞られた精鋭グループは、これらの攻撃に先んじて飛び出した選手や逃げグループのキャッチを試みながら、フィニッシュまでのダウンヒルへと入った。

3級山岳パケルの激坂で立て続けにアタックしたKINAN Cycling Teamの選手たち

約25km続いた下りで、序盤から逃げていた選手たちを捕まえたKINAN勢。
パケルでアタックを決めたジェシー・イワート選手(オーストラリア、チーム サプラサイクリング)にステージ優勝こそ譲ったものの、第2グループでやってきたトマが4位、サルバドールが6位、山本が7位。
終盤のけん引役として貢献したマルコスも8位に続き、攻撃の起点となった新城もフィニッシュラインを通過。
5選手全員が最終ステージへと駒を進めた。

ステージ4位となったトマ・ルバ

この結果、KINAN勢は個人総合でトマと山本がともに順位を1つ上げて3位と5位に浮上。
また、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算で争われるチーム総合でも2位に順位を上げている。

大会は残すところあと1ステージ。
最終日にして最大の見どころとなる、イジェン山の頂上フィニッシュでフィナーレを迎える。
スタート以降しばらくは平坦が続くが、残り30kmを切ってから山岳区間へ。
4級山岳ジャンベサリ(Jambesari)、3級山岳カリベンド(Kalibendo)と立て続けに越え、そのままイジェン山へ。
登坂距離6.3kmで、平均勾配13%の上りは、登坂に入ってすぐに急坂となる厳しいものに。
中腹で最大の22%、その後も20%前後の激坂が立ちはだかる。
路面が滑りやすく、一度走りのリズムを崩すと勝負に加わるのが難しくなる。
まさに、この山を制した選手が大会を制すると言ってもよさそうだ。
レース距離は127.2kmに設定されている。

第3ステージで完全に勢いに乗ったKINAN Cycling Team。
チームが得意とする本格山岳で、総合での逆転を期する。

奇襲攻撃を成功させた選手たち。視線はすでに最終ステージへと向かっている

インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン第3ステージ(139.4km)結果
1 ジェシー・イワート(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) 3時間22分26秒
2 ニールス・ファンデルプル(オランダ、チーム プロサイクリングスタッツドットコム) +54秒
3 ヤコブ・ブリュク(オランダ、グローバルサイクリングチーム)
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
6 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +56秒
7 山本元喜(KINAN Cycling Team)
8 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分18秒
63 新城雄大(KINAN Cycling Team) +7分40秒


個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 11時間15分39秒
2 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +2分54秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +2分58秒
4 ジェシー・イワート(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) +3分1秒
5 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4分11秒
6 ヤコブ・ブリュク(オランダ、グローバルサイクリングチーム) +4分19秒
19 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12分49秒
43 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +15分55秒
44 新城雄大(KINAN Cycling Team) +16分46秒


ポイント賞
1 ジェシー・イワート(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) 21pts
7 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 14pts
13 山本元喜(KINAN Cycling Team) 9pts
15 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 8pts
29 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 3pts


山岳賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 12pts
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 6pts
11 山本元喜(KINAN Cycling Team) 2pts


チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 33時間51分54秒
2 KINAN Cycling Team +12分14秒
●選手コメント

・トマ・ルバ
「次々とアタックを決めることができて、チームワークでエキサイティングなレースにすることができた。明日(第4ステージ)はクライマーによる勝負になる。チーム一丸となって走り切りたい」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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