Loading...

KINAN RACING

NEWSNEWS

ツール・ド・台湾 第3ステージ レポート

今大会唯一の1級山岳越え
ツール・ド・台湾第3ステージはドリューが逃げ切りまであと一歩の好走
●ツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)
3月18日 第3ステージ 浪漫台三線 154.3km

・出場選手
ドリュー・モレ
山本元喜
レイン・タラマエ
トマ・ルバ
新城雄大
激しい争いが続いているツール・ド・台湾。3月18日に行われた第3ステージは、同国中部を走行。
レース中盤には今大会で唯一となる1級山岳越えがあり、その後も細かいアップダウンが続くコース。
KINAN Racing Teamはスタート直後からのアタック合戦に加わって、中盤の山岳区間からはドリュー・モレ、レイン・タラマエ、トマ・ルバが再三の攻撃。
最終局面では約20人の集団からドリューが抜け出して、逃げ切りまであと一歩に迫り、1日を通してインパクトを残した。
大会は中盤戦へ。山岳地帯を走った前日のステージでは、20人を超える選手たちが僅差でフィニッシュへとなだれ込み、混戦の趣きに。
KINAN Racing Teamもレインを筆頭に、トマ、ドリューも個人総合首位の選手が見える位置につけ、残るステージでさらなるジャンプアップを狙っていく。
第3ステージは、風光明媚な台湾ロマンチック街道を走る154.3km。
標高602mまで駆け上がるコース中盤の1級山岳は、今大会でも数ある難所のひとつ。
タフな上りのあとには、テクニカルなダウンヒルも待ち受ける。
その後も細かな高低の変化があり、フィニッシュ前約20kmでは2級山岳を通過。そして、台中市内のフィニッシュラインへと到達する。
ここからは、ステージ優勝争いだけでなく、総合成績の行方にも注目が集まる。
僅差の争いとなっている中で、いかにスマートに戦い抜くかがポイントに。
KINAN Racing Teamとしても、上位戦線に位置する3選手の走りに加え、3位につけるチーム総合でもジャンプアップの機会をうかがっていく。
その狙い通り、スタート直後からKINAN勢の積極性が目立つ。
序盤は山本元喜や新城雄大がたびたび前線からのスピードアップを図る。
逃げの態勢までは整わずも、レース全体を活性化する効果的な動きに。
激しい出入りから1人が飛び出し、35km地点に設置された1回目の中間スプリントポイントをクリアするが、ふりだしに戻ると再びKINANメンバーが集団前方へ。
しばし一団のまま進行すると、70km地点に設けられた2回目の中間スプリントに向けて集団はスピードアップ。
3位通過までに付与されるボーナスタイムを目指してレインが5番手付近まで上がった。
結果的にこのポイントでの上位通過はならなかったものの、これをきっかけに分断したグループの前方にそのままレインが残って逃げる構え。
やがて1級山岳の上りに入ると、レインは集団へと戻ったものの、数チームのペーシングによって前線の人数が絞り込まれ、レインのほかトマとドリューが好位置をキープした。
急坂が長く続いた1級山岳。頂上に設定された山岳ポイントに向けてもレインが果敢にトライ。
6番手通過ではあったものの、勝負に賭ける姿勢は崩さない。
さらに、レインに代わってドリューが先頭に立つ場面が見られるなど、ペースアップを図る上位チームと並んで攻勢を強める。
先頭グループは20人ほどまでに絞られ、約1分差で後続ライダーが追走。
2級山岳をクリアしてフィニッシュまで20kmを切ると、下りでさらに勢いを増して後ろとのタイム差を拡大。
先頭グループからステージ優勝者が出る流れが濃厚になると、残り6kmではレインが他選手の動きに合わせて仕掛けるなど、フィニッシュに向けて緊張感が増していった。
そしてこの日最大の見せ場は最後の600m。
集団とは反対サイドからドリューが加速すると、その差を一気に拡大。
隊列を乱した集団からリードを得て逃げ切りを試みる。
フィニッシュ前150mで捕まり、ステージ優勝にはあと一歩届かなかったものの、大きなインパクトを残したレースとなった。
この日のチーム最上位はレインの10位。ドリュー、トマもトップグループで走り終えている。
ステージを終えての総合成績では、レインがトップと17秒差の13位とし、トマとドリューも23秒差で続く。
また、チーム総合では2位に浮上。トップのエウスカルテル・エウスカディとは10秒差としている。
翌19日の第4ステージから、舞台は台湾南部へ。
同国第3の都市・高雄を走る146.44kmは、仏教の聖地・佛光山を出発し、3つの山越えの後に高雄の市街地へ。
コース後半は下り基調で、ハイスピードのレース展開となることが予想される。
KINAN Racing Teamは引き続き攻撃的なレースでチャンスを構築する構え。逃げや要所でのアタックで流れをつかんでいく。
ツール・ド・台湾 第3ステージ(154.3km)結果
1 ジャコモ・バッラビオ(Hrinkow Advarics)3時間29分12秒
2 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0秒
3 ディラン・ホプキンス(ルージャイインシュアランス)
4 モーリッツ・クレッチュ(イスラエル・プレミアテック)
5 ダニエル・カビア(ブルゴス・ブルペレット・BH)
6 ウィリアム・ヘファナン(キャッシュ・ボディラップ)
10 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)
14 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
17 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
90 新城雄大(KINAN Racing Team)+14分7秒
92 山本元喜(KINAN Racing Team)


・個人総合時間
1 モーリッツ・クレッチュ(イスラエル・プレミアテック)8時間2分16秒
2 ブレディ・ギルモア(イスラエル・プレミアテック)+3秒
3 ジョルディ・ロペス(エウスカルテル・エウスカディ)+7秒
4 ジャコモ・バッラビオ(Hrinkow Advarics)
5 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+8秒
6 シュテファン・デボッド(トレンガヌサイクリングチーム)+11秒
13 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+17秒
16 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+23秒
17 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
66 新城雄大(KINAN Racing Team)+16分15秒
77 山本元喜(KINAN Racing Team)+18分25秒


・ポイント賞
19 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)6pts
32 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)2pts


・山岳賞
12 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)6pts

・チーム総合
1 エウスカルテル・エウスカディ 24時間7分41秒
2 KINAN Racing Team +10秒
●選手コメント
ドリュー・モレ
「3人が先頭グループに入り、チームとしては良い展開だった。強いチームが集団をコントロールしていた中で、最後の15kmはレインやトマと繰り返し攻撃にトライした。最後のアタックは自分でも期待をしていたけど…運が足りなかったね。

明日からの2日間はスプリンターに有利かもしれないけど、チームとしては逃げやアタックでチャレンジしていく必要がある。個人でもチームでも総合成績を狙える状況なので、最後まで諦めることなく走りたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
SHARE THIS:
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE