●全日本選手権個人タイムトライアル
男子アンダー23
24km

・出場選手
津田悠義

2023年シーズンの国内王者を決める戦い、全日本選手権ロードレースが6月23日より競技を開始。
全体最初のプログラムとして行われた男子アンダー23（23歳未満）個人タイムトライアルで、津田悠義が2位。
起伏の多いコースで脚力とテクニックが問われる中、安定した走りで表彰台の一角を確保している。

各国の選手権はUCI（国際自転車競技連合）の規則に沿って、世界的に6月最終週に実施されている。
日本を含む多くの国で一斉にチャンピオンが決定。
勝者にはその国で定められるチャンピオンジャージが贈られ、おおよそ1年間の着用が認められている。
日本は日の丸をイメージした白地に赤のラインが施される特徴的なジャージで、海外での注目度も自然と高まる。

KINAN Racing Teamはチーム発足以来、3人の日本王者を輩出。
さらにタイトルを増やすべく、各選手が今大会に照準を定めてきている。

その先陣を切って、男子アンダー23カテゴリーの個人タイムトライアルに津田が出走。
静岡県伊豆市・日本サイクルスポーツセンター内に設けられる6kmのコースを4周回。
平坦区間がほとんどなく、アップダウンの連続。
厳しい上りだけでなく、ハイスピードで駆け下りるコーナーも多く、脚力とテクニックが要求される。

エントリー15人を2グループに分け、津田は全体5番目での出走。
各選手が1分おきにスタートを切る中、欠場者が出た関係から津田は前走者から2分開けての出走となった。

1周目途中に置かれた最初の計測こそ2番時計だった津田だが、その後は着実にスピードに乗せて暫定トップを維持。
数分前に出発した選手をパスする走りで力の差を見せる。
後半に入っても1周あたり9分台の安定したペースで押し切る。
終盤で落ち込むこともなく、4周回を完了。
フィニッシュタイムは38分18秒で、第1ウェーブを終えた時点でトップ。
平均時速36.33kmで走破し、第2ウェーブの結果を待つことになった。

前回大会の上位選手を含んだ第2ウェーブでは、前半から飛ばす選手が出てくるものの、津田のフィニッシュタイムを上回る選手がしばし現れず。
やがて津田の上位入りは濃厚になり、あとは最終順位がどうなるかに。
14番目に出走した寺田吉騎選手（シマノレーシング）にトップの座を譲ることになったものの、2位はキープした。

チャンピオンジャージの獲得こそならなかったものの、今大会1本目のレースをまずまずの形で終えて、翌日に控えるロードレースにつなぐ形に。
トップを譲った悔しさを胸に、ロードでの雪辱を誓っている。

男子アンダー23ロードレースは、日本サイクルスポーツセンター内のコースを8kmに延伸し、それを14周回する112kmで争われる。
津田は単独での出走だが、ここまでのレース経験と好調さを生かしたレースで頂点を目指す。

全日本選手権個人タイムトライアル・U23（24km）結果
1 寺田吉騎（シマノレーシング）38分10秒82
2 津田悠義（KINAN Racing Team）+7秒
3 伊藤恭（群馬グリフィンレーシングチーム）+14秒
4 山口瑛志（レバンテフジ静岡）+19秒
5 天野壮悠（シマノレーシング）+22秒
6 大仲凛功（JCL TEAM UKYO）+36秒

●選手コメント
津田悠義
「タイムトライアルへの出場を決めてからは、星野メカに相談に乗ってもらいながら準備を進めてきた。アップダウンのあるコースなので、上りで力を出しやすいバイク上でのポジションを考えてきた。今日はしっかり上れたし、テクニカルな下りにも対応できたと思う。ペースを落とすことなく、パワーの出しどころで踏み込めたあたりは良かった。

ツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野を走って、少し休んでから今大会に備えてきた。レースを通じてコンディションを上げられているので、ここまでも問題なく調整できている。ロードレースもタイムトライアル同様にタフなコースで、なおかつ単騎なので、スマートにレースを進めて勝利を収めたい」

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU