Loading...

KINAN RACING

NEWSNEWS

ツアー・オブ・ターキー第5ステージ レポート

山本元喜が逃げで魅せる
KINANメンバーの積極姿勢が光ったツアー・オブ・ターキー第5ステージ
●プレジデンシャル・サイクリング・ツアー・オブ・ターキー(UCIプロシリーズ)
第5ステージ 4月25日(木)
ボドルム-クシャダス 177.9km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
山本元喜
レイモンド・クレダー
ライアン・カバナ
トマ・ルバ
新城雄大
KINAN Racing Teamが参戦中のツアー・オブ・ターキーは、現地4月25日に第5ステージを実施。
序盤に形成された先頭グループに山本元喜が乗り、全行程177.9kmのうち150km近くレースをリード。
逃げ切ることはかなわなかったが、ハイレベルのレースにあってその存在を大きくアピール。
勝負はスプリントで決し、レイモンド・クレダーの16位がチーム最上位となっている。
5日目を迎えた大会は、前日と同様にエーゲ海を見ながら進行する。
前日のフィニッシュ地・ボドルムを出発すると、前半部で2カ所の3級山岳越え。
その後は平坦基調の道を進み、レース後半で内陸部に入ったところで再び大小のアップダウン。
その先には、高度な文明を築いたとされる古代の港町・クシャダスの街が広がる。
今大会前半の4ステージでは、ドリュー・モレとトマ・ルバが個人総合上位の選手たちが見える位置をキープ。
第4ステージでは激しいアップダウンと風によってメイン集団の人数が絞り込まれたが、ロスすることなく前線で生き残った。
他のメンバーは逃げや要所でのアタックで攻撃的なレースを続けていく。
177.9kmに設定されたレースは、リアルスタート直後から逃げ狙いのアタックが見られる。
KINANメンバーも応戦し、ライアン・カバナがファーストアタックからの流れに合わせていくなど、アグレシップな立ち上がり。
ライアンの動きは決まらなかったものの、この直後のアクションに山本が加わる。
7人がリードを開始すると、さらに1人が加わって20km地点までに8選手が逃げの態勢を固めた。
先頭グループを容認したメイン集団は勢いを緩めたこともあり、最大で8分ほどまでタイム差は拡大。
そこからはリーダーチームのdsmフィルメニッヒ・ポストNLを中心にメイン集団が全体をコントロール。
4分前後の差まで縮まったものの、山本らは快調に飛ばし続け、2つの3級山岳も難なくクリア。
67km地点に置かれた2つ目の山岳ポイントでは山本が3位通過し、1ポイントを獲得している。
中盤に差し掛かっても、先頭8人とメイン集団との構図は大きく変わらず。
集団はスプリントを狙うボーラ・ハンスグローエやアスタナ・カザクスタンチームもペーシングに加わって、少しずつながら山本らとのタイム差を縮めていく。
フィニッシュまで残り30kmで、タイム差は2分。
逃げ続けたい先頭8人だったが、残り約25kmから始まる上りで数人のアタックをきっかけに形勢が崩れ、山本は後退。
その後も前を追う姿勢を保ったが、その頃にはメイン集団は勢いが増す一方。
フィニッシュまで17kmのところで吸収され、長い逃げが終わった。

集団は逃げ残りの選手を追い続け、ステージ優勝争いはスプリントへ。
レイモンドのスピードにかけるKINANメンバーも新城雄大と孫崎大樹が先頭に立って牽引に加わる。
最後の3kmはヘアピンコーナーを含むコーナーの連続で、さらに残り1kmは下り基調。
その勢いのまま突入するスプリントでは、トビアスルンド・アンドレースン選手(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)が前日に続きステージ2連勝。
勝負に加わったレイモンドは16位でフィニッシュラインを通過した。
その他メンバーも問題なくレースを完了。
ドリューとトマもタイムを失うことなく次に控えるクイーンステージへと駒を進める。

最難関の第6ステージは、「ニオベーの泣き岩」で知られるスピル山に登頂する山岳コース。
海岸線を走る前半戦を経て、中盤以降は内陸部へ。
3級山岳をクリアし、今大会唯一の超級山岳・スピル山へ135km地点から少しずつ上り基調となっていく。
スピル山そのものの登坂距離は14kmで、平均勾配7.1%。フィニッシュ地点の標高は1244mに達する。
個人総合争いが事実上決する1日とみられ、総合タイム差24秒につけるドリューとトマにとっても正念場となる。
ツアー・オブ・ターキー 第5ステージ(177.9km)結果
1 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、dsmフィルメニッヒ・ポストNL)4時間18分12秒
2 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+0秒
3 ユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA)
4 マルティン・ブディング(オランダ、TDT・ユニベット)
5 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
6 レイナールト・ヤンセファンレンスブルグ(南アフリカ、チャイナグローリー)
16 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)
90 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
98 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
106 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)
111 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+35秒
141 新城雄大(KINAN Racing Team)+4分16秒
146 山本元喜(KINAN Racing Team)+6分43秒


・個人総合時間
1 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、dsmフィルメニッヒ・ポストNL)18時間51分57秒
2 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・コメタ)+14秒
3 ヘンリ・ウーリッヒ(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク)
4 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)+18秒
5 フィリッポ・コンカ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)+21秒
6 ダビ・ロサノ(スペイン、チーム ノヴォノルディスク)
52 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+24秒
53 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
84 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+15分27秒
91 山本元喜(KINAN Racing Team)+17分19秒
101 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+20分30秒
110 新城雄大(KINAN Racing Team)+24分11秒
121 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)+28分19秒


・山岳賞
17 山本元喜(KINAN Racing Team)1pts

・チーム総合
1 アスタナ・カザクスタンチーム 56時間37分3秒
15 KINAN Racing Team +5分45秒
●選手コメント
山本元喜
「スタートの段階から上位チームが前を固めていたので、早い段階で逃げを容認してコントロールするつもりであることはすぐに分かった。ライアンのアタックが決まらず、その次にカウンターで自分が仕掛けたところで逃げることができた。8分まで開いた後に少しずつタイム差が縮まってきていたので、そこから先頭交代のローテーションを本格化させた。

メイン集団にタイム差をうまくコントロールされている感覚はあったが、行けるところまでは行こうとトライした。遅れてしまったのは上り区間で、他選手のアタックに自分から反応してしまったことが原因。利用される形になってしまったけど、走りの感覚自体は良かった。

今日逃げたダメージはあるが、明日の山岳ステージはドリューとトマのために何かサポートできればと思っている。」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
SHARE THIS:
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE