Loading...

KINAN RACING

NEWSNEWS

ツール・ド・熊野第3ステージ レポート

ツール・ド・熊野はドリュー、ライアンが総合トップ10入り
最終日は山本元喜が渾身の逃げで魅せる
●ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)
第3ステージ 5月12日(日)
太地半島 104.3km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
山本元喜
ライアン・カバナ
トマ・ルバ
新城雄大
3日間の日程で開催されたツール・ド・熊野が5月12日に閉幕。
最終日は和歌山県太地町での104.3kmのステージが行われ、集団スプリントで決着。
KINAN Racing Teamはドリュー・モレとライアン・カバナがレーススタート時の個人総合6位と7位をキープして終了。チームとして2選手をトップ10に送り込んだ。
この日はレース中盤に山本元喜が逃げに加わりフィニッシュ直前まで先頭を走り続けるなど、最後の最後までホームレースでの勝利にかけて攻めた。
10日に和歌山県古座川町で開幕した大会は、2ステージを経て最終日を迎えた。
第1ステージではドリューが6位フィニッシュで好スタートを切ると、続く第2ステージでライアンが3位。
両日ともに厳しい上りとテクニカルなダウンヒルをこなしての上位入りで、最終・第3ステージに弾みをつけている。
最後のステージを前に、ドリューがトップとは7秒差の個人総合6位、ライアンが同じく8秒差の7位につける。
10秒以内に16人がひしめく大接戦となっている総合争いは、フィニッシュラインや中間スプリントポイントで付与されるボーナスタイムも生かしながらの戦いに。
太地町での第3ステージは、半島をぐるりとめぐる10.5kmをおおむね10周回する104.3km。
10%級の急坂や、ヘアピンコーナーをともなうテクニカルなダウンヒルなど、変化の多いコース。
昨年は山本とトマ・ルバのワン・ツーフィニッシュが実現しているが、それ以外にも逆転や大波乱が起きており、今回のような僅差の争いにおいては何が起きても不思議ではない。
ドリューとライアンの総合ジャンプアップを目指し臨んだレース。
2周目終了時に中間スプリントポイントがセットされていることもあり、KINANメンバーは他チームによる逃げ狙いのアタックをチェックしながら序盤を送る。
中間スプリントに向けてはライアンを軸に1位ボーナス3秒を狙う。
ここは新城雄大と孫崎大樹のリードアウトでライアンを引き上げるが、同じ狙いの選手が大多数でフィニッシュさながらの激戦。
ボーナスタイム対象の3着以内の通過を逃し、残りのチャンスにかけることとなった。
3周目に入って個人総合上位の選手を含む7人が抜け出すと、KINAN勢が集団を牽引し逃げの態勢を許さない。
4周目の半ばまでに先頭ライダーたちに合流すると、この周の終盤に数人の動きに反応した山本がそのままレースをリード。
やがて逃げは山本を含む3人となって集団とのタイム差を少しずつ拡大させた。
この間、5周目終わりに設けられた2回目の中間スプリントポイントを山本が1位通過している。
6周目から7周目にかけて先頭メンバーにシャッフルがあって、逃げは5人に。
山本は快調に飛ばし続けて、集団とのタイム差は最大で1分。
この間、メイン集団ではドリューらが最前線めがけて仕掛ける場面も見られたが、他チームの厳しいマークに遭っている。
レースは終盤に突入し9周目。浮上のチャンスをうかがっていたドリューがパンクトラブル。
素早いリカバリーで再出発すると、孫崎と新城が引き上げ役を担ってドリューを集団へと戻すことに成功している。
迎えた最終周回。この周に入る時点で25秒だったタイム差はグングンと縮まって、集団が追いつくのは時間の問題に。
粘った山本だったがフィニッシュまで3kmを切ったところで集団に吸収され、他の逃げメンバーもほどなくキャッチされた。
ステージ決着は約30人のスプリントに。
順位アップの最後のチャンスにライアンが挑むが8位でのフィニッシュ。
直後にドリュー、トマと集団内でレースを完了させた。
目まぐるしく変化するレース展開と順位。
3日間の熱戦を終えて、KINAN Racing Teamはドリューの個人総合6位、ライアンの同7位が確定。
UCIポイントは両選手分合わせて15点を獲得した。
また、残る4選手も全3ステージを完走。ホームレースで多くのファンが見守った中、タフなコースを走り抜いた。
チームの本拠地・熊野地域でのレースに、並々ならぬ意欲と準備で臨んだKINAN Racing Team。
大会制覇には届かずも、メインスポンサーの株式会社キナンや関係企業、地域のボランティア、そして多くのファンの方々に背中を押されて3日間の戦いを完遂。
同時に、この先続くシーズンでのさらなる上昇を誓った。

次戦はすぐ近くに迫っており、日本国内最大級のステージレースであるツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.2)のスタートを19日に迎える。
大阪から東京までを8日間のステージレースには、ツール・ド・熊野同様に現状のベストメンバーで挑むことになる。
ツール・ド・熊野 第3ステージ(104.3km)結果
1 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)2時間31分43秒
2 岡篤志(JCLチーム右京)+0秒
3 クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(エリトリア、トレンガヌ・サイクリングチーム)
4 アレクサンドロス・アグロティス(キプロス、マトリックスパワータグ)
5 ルーベン・アコスタ(コロンビア、宇都宮ブリッツェン)
6 床井亮太(レバンテフジ静岡)
8 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)
18 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
26 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
44 山本元喜(KINAN Racing Team)+2分19秒
46 新城雄大(KINAN Racing Team)+4分28秒
47 孫崎大樹(KINAN Racing Team)


・個人総合時間
1 岡篤志(JCLチーム右京)8時間11分9秒
2 クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(エリトリア、トレンガヌ・サイクリングチーム)+11秒
3 山本大喜(JCLチーム右京)+14秒
4 小石祐馬(JCLチーム右京)+15秒
5 アレクサンドロス・アグロティス(キプロス、マトリックスパワータグ)+16秒
6 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
7 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+17秒
29 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+9分13秒
33 新城雄大(KINAN Racing Team)+11分9秒
40 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+16分3秒
47 山本元喜(KINAN Racing Team)+17分53秒


・ポイント賞
10 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)14pts
11 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)13pts
18 山本元喜(KINAN Racing Team)5pts
22 新城雄大(KINAN Racing Team)3pts


・山岳賞
11 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)2pts
13 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)1pts


・チーム総合
1 JCLチーム右京 24時間34分21秒
5 KINAN Racing Team +6分23秒
●選手コメント
山本元喜
「1回目の中間スプリントでライアンのアシストをした後、逃げている選手が見えたので追いかけた。逃げ始めはJCLチーム右京にプレッシャーをかけられたらと思って走っていたが、途中追いついてきた2人が強力で、思ったよりタイム差をつける形になった。ドリューとライアンの総合順位に影響する可能性があったので、タイム差をつけすぎず、同時に逃げ切れた場合の展開にも備えながら走った。最終周回の上りで離されてしまったけど、個人的には良い走りができたと思う。

トルコ遠征から連続しての熊野入りだったので、コンディションを合わせて臨むことができた。ステージ中、目立った走りができていなかったので、今日は何かしたかったのと、去年優勝しているので良い走りをしたいなと思って臨んでいた」
Text, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
Photos:Ryo KODAMA, Syunsuke FUKUMITSU
SHARE THIS:
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE