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KINAN RACING

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ツアー・オブ・ジャパン第4ステージ レポート

2選手の逃げ切りで決したTOJ第4ステージ・美濃
ドリュー、ライアンの総合成績をキープして大会を折り返す
●ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.2)
第4ステージ 5月22日(水)
美濃 137.3km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
レイモンド・クレダー
ライアン・カバナ
宮崎泰史
トマ・ルバ(第3ステージDNS)
大会中盤に差し掛かっているツアー・オブ・ジャパン。
5月22日に岐阜県美濃市で第4ステージを行い、2選手の逃げ切りによってレースは決着。
KINAN Racing Teamは出走5選手がいずれもメイン集団でレースを完了。
この日のチーム最上位はレイモンド・クレダーの7位で、個人総合成績ではドリュー・モレが4位、ライアン・カバナが7位と、順位をキープしている。
前日は三重県いなべ市でのホームステージに沸き、応援に応えるべくKINAN勢が奮起。
ドリューがステージ3位を収め、総合でのジャンプアップにも成功。
悲願のホーム初勝利とはならなかったものの、この先の戦いに大きな期待を抱かせる好走を披露した。
舞台を美濃に移して行われる第4ステージは、江戸初期に築かれ、穏やかな佇まいと伝統を感じさせる“うだつの上がる町並み”をスタート。
パレード走行後に周回コースをおおよそ半周し、美濃和紙の里会館前を通過したところから1周21kmのコースを6周回。レース距離は137.3kmに設定される。
レイアウト的には緩やかな下り基調が長く続いたのちに、大矢田もみじトンネルを頂点とする山岳区間へ。再び下って美濃和紙の里会館へと戻ってくる。
全体を見通すと高低の変化は少なく、この大会では数少ない平坦ステージにも位置付けられている。

KINAN Racing Teamとしてはここまで好調のドリューとライアンをフォローしつつも、エーススプリンターのレイモンドを勝負に立てる構えで、スタートラインに並んだ。
レースは周回コースに入ったところから激しいアタックの応酬。
集団は簡単には容認せず、数人が先行する局面こそあれど逃げグループ形成とはならず。
4選手が一時30秒差をつけたものの、1周目終わりに設定された1回目の中間スプリントに向けて集団がスピードアップ。ここも4人をキャッチしてスプリント態勢に入っている。
逃げが決まったのはその直後。今度も4人が前をうかがうと、集団に対してリードを得ることに成功。すぐに2分ほどのタイム差となった。
メイン集団ではリーダーチームのJCLチーム右京がペーシング。
前を行く4人との差を調整しながら残り距離を減らしていく。
KINANメンバー5人も集団待機を選び、前方を固めた。
逃げと集団の大勢に変化がないまま、レースは後半へ。
最大で2分30秒ほどあったタイム差は急速に縮まり、5周目に入った頃には1分30秒差に。
KINAN勢もスプリントに向けて状勢を整えるべく、宮崎泰史を集団の牽引役に送り込んだ。
時間の問題かに思われた逃げ吸収だが、最終周回で先頭が2人になると再び加速。
逆にメイン集団は本格的に追うチームが現れず、縮小傾向にあったタイム差が拡大し1分45秒に。
2選手の逃げ切りは濃厚となり、メイン集団が狙うはステージ3位を目指してのスプリントへと転化した。
2人のマッチアップとなったステージ優勝争いの後、メイン集団は29秒までタイム差を縮めてフィニッシュラインへ。
スプリンター陣が上位をかけて争って、そこに加わったレイモンドは7位。
同集団内で孫崎大樹、ドリュー、ライアンが続き、アシストとして力を使った宮崎も無事に走り終えている。
この日の上位2選手が個人総合では上位戦線に絡んでいないこともあり、リーダージャージ争いには大きな変化がないまま第4ステージを完了。
ドリューは4位のままで、トップとは19秒差。ライアンは1分40秒差の7位としている。
また、山岳賞争いでライアンとドリューがそれぞれ2位と3位につけているほか、チーム総合ではトップと8秒差の2番手。今後は各賞を意識しながらのレースにもなっていく。
大会は半分まで終えて、折り返し地点に到達。
翌23日は第5ステージを長野県飯田市で実施。丘陵コースをおおよそ10周回する120.9kmで争われる。
周回前半から10%超の急坂区間を上り、その後は一転してテクニカルなダウンヒルに。
名物のヘアピンコーナー“TOJコーナー”も大きな特徴。
勝負を分けるフィニッシュ前の上りも重要で、そこで発生したタイム差が総合争いに関係してくる可能性もはらむ。集中力が試される1日といえそうだ。
ツアー・オブ・ジャパン 第4ステージ(137.3km)結果
1 ジョシュア・ラドマン(オーストラリア、セントパイラン)3時間6分21秒
2 山本哲央(日本ナショナルチーム)+0秒
3 窪木一茂(日本ナショナルチーム)+29秒
4 リース・ブリットン(イギリス、セントパイラン)
5 寺田吉騎(シマノレーシング)
6 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)
7 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)
24 孫崎大樹(KINAN Racing Team)
36 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
38 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)
58 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+38秒


・個人総合時間
1 ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、JCLチーム右京)9時間1分59秒
2 アナトリー・ブディアク(ウクライナ、トレンガヌサイクリングチーム)+15秒
3 カーター・ベトルス(オーストラリア、ルージャイ・インシュランス)+18秒
4 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)+19秒
5 ザッカリー・マリッジ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)+41秒
6 マックス・ウォーカー(イギリス、アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)+1分37秒
7 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+1分40秒
23 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+1分56秒
35 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+2分28秒
55 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)+18分1秒


・ポイント賞
13 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)17pts
16 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)14pts
22 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)9pts


・山岳賞
2 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)6pts
3 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)5pts


・チーム総合
1 JCLチーム右京 27時間9分47秒
2 KINAN Racing Team +8秒
●選手コメント
レイモンド・クレダー
「チームメートの働きは素晴らしかった。特に宮崎の牽引は力強く、2分あったタイム差が一気に縮まったほど。私たちだけ負担が大きくなるのは避けたかったので、他チームにも協力を求めたけど、正直なところうまくいかなかった。集団全体に逃げを追うムードがもう少しあれば違ったレースになったと思うけど、こればかりは仕方ない。それらも含めてのロードレースだからね。

次のスプリントチャンスは最終日の東京になる。今度こそ勝ちたいし、より一層集中していく。明日からの3日間は大きく遅れることがないように注意を払いながら走りたい。もちろん、チームに貢献するためにも力を注ぐ。

ここまでのチームの戦いは理想的だと感じている。ドリューはチームリーダーとしての役割を果たしているし、明日(第5ステージ)で再び上位を狙えるだろう。そして富士山だね。きっと総合表彰台を勝ち取ってくれると信じている」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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