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KINAN RACING

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ツアー・オブ・ジャパン第8ステージ レポート

ツアー・オブ・ジャパンはドリューの個人総合9位で確定
最終日・東京は孫崎が逃げ、レイモンドがスプリントに挑む
大阪から東京までを8日間でつないだ国内最大級のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」は、5月26日に東京でのステージをもって全日程を終了。
最後は長き戦いの終わりにふさわしくスプリント決戦となって、KINAN Racing Teamはレイモンド・クレダーが5位で終えた。
最大の栄誉である個人総合時間では、ドリュー・モレの9位が最高だった。
5月19日に大阪・堺で雨の中開幕した大会は、京都・いなべ・美濃・信州飯田・富士山・相模原とつなぎ、ついに最終目的地の東京へ。
日々東進を続けながら、ステージと総合成績の覇権争いが展開されてきた。
チームはここまで、トマ・ルバを第2ステージでの落車で失いながらも、次の第3ステージではドリューが3位となったほか、ライアン・カバナが再三のアタックで逃げる展開を作り出した。
また、前日の第7ステージでは孫崎大樹が先頭グループでレースを展開するなど、それぞれに見せ場を作ってきた。
その集大成となるのが東京を舞台とする第8ステージ。
大井埠頭に設けられた6.5kmの周回コースを16周回・104kmで争う。
それまでの7ステージからは一転し、高低の変化がほとんどない平坦ルート。
ヘアピンコーナーや連続する鋭角コーナーが特徴で、例年スプリントに向けた集団内のポジション争いに大きな影響を与える。
もちろん今回もスプリントフィニッシュが予想され、ハイスピードバトルに期待が高まった。
短めのパレード走行を経てリアルスタート。
しばらくはポイント賞獲得がかかるシマノレーシングがプロトンをコントロールし、逃げ狙いのアタックはすべて抑える。
散発的に発生する攻撃的な動きにはKINAN勢もチェックに入り、ライアンや宮崎泰史が集団前方へ。
レース半ばまでは一団のまま進行した。
均衡が破られたのは10周目。2人の飛び出しをきっかけにひとり、またひとりと集団からブリッジ。
この周回を終える頃には7人のパックが組まれて、そのまま逃げの態勢へ。
KINAN勢もジョインに成功し、孫崎が前日に続いてレースをリードした。
メイン集団はリーダーチームのJCLチーム右京を筆頭に、スプリントを狙う愛三工業レーシングチームやシマノレーシングが加わってペースをコントロール。
孫崎らの先頭グループとの差を1分以内にとどめて周回数を減らしていく。
13周目に入って、集団はさらにペースアップ。
先頭グループとのタイム差を一気に縮めて、次の周回に入る頃には15秒差まで迫る。
結局、孫崎を含む逃げメンバーはすべて14周目の途中で集団がキャッチ。
そこからは各チームが隊列を編成してスプリントに向けた態勢を整えていく。
ときおりアタックを試みる選手が出るも、それはすべて集団が許さなかった。
迎えた最終周回。KINAN勢はドリューが引っ張り、ライアンとレイモンドを前線へ引き上げる。
牽引力のあるライアンが引き継ぎ、レイモンドを好位置からスプリントできるようポジショニング。
残り1kmを切るところではライアンが先頭で牽いた。
最終コーナーを抜けて勝負のスプリント。
数チームが入り乱れて混戦となった中を縫って加速する選手たち。
レイモンドもそこに加わって、最後は5番目でフィニッシュラインを通過した。
その後ろでは残りのKINANメンバーも走り終え、残り2kmで発生した集団でのクラッシュに巻き込まれた孫崎も負傷を押しながらレースを完了。
最終的に5選手が全8ステージを完走。ドリューの個人総合9位が確定し、第3ステージで3位に入った分も含めてUCIポイントを4点獲得し終えている。
4月以降、ツアー・オブ・メルシン、ツアー・オブ・ターキー、ツール・ド・熊野、ツアー・オブ・ジャパンとを転戦し、ハイレベルの戦いに身を置いたチームと選手たち。
大きな経験を積んだ一方で、悔いの残る局面も多くあり、この先の重要レースへ巻き返しを誓う場となった。
同時に、来年のツアー・オブ・ジャパンでのリベンジも視野に入れる。
ここからは6月下旬に控える全日本選手権に向けて調整を進め、日本王者の証であるチャンピオンジャージ獲得を目指していく。
また、本大会関連の事業として三重県いなべ市での自転車安全教室も予定され、地域の活性化にチームとして参画する。
ツアー・オブ・ジャパン 第8ステージ(104.0km)結果
1 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)2時間14分11秒
2 リース・ブリットン(イギリス、セント・パイラン)+0秒
3 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
4 窪木一茂(日本ナショナルチーム)
5 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)
6 モハンマド・ヌル・アイマン・ロスリ(マレーシア、トレンガヌチーム)
45 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
51 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+9秒
68 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+23秒
78 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+0秒
 ※3km以内でのトラブルによる救済措置

・個人総合時間
1 ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、JCLチーム右京)18時間55分45秒
2 クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(エリトリア、トレンガヌサイクリングチーム)+2分6秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島)+2分12秒
4 ニコラス・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)+2分28秒
5 アドネ・ファンエングレン(オランダ、ルージャイ・インシュアランス)+2分36秒
6 ザッカリー・マリッジ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)+2分53秒
9 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)+3分15秒
12 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+5分15秒
25 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+13分11秒
31 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+19分15秒
60 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)+50分38秒


・ポイント賞
10 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)42pts
18 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)21pts
23 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)17pts


・山岳賞
9 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)9pts
12 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)6pts


・チーム総合
1 チームブリッジレーン 57時間0分53秒
4 KINAN Racing Team +4分59秒
●選手コメント
レイモンド・クレダー
「“ようやく自分の出番がきた!”という感じだった。今日は本当にモチベーションが高かった。最終局面に関しては、孫崎を落車で失いながらもみんなの力で良い位置をキープできた。ただ、スプリントで負けてしまったことは自分の責任。力が足りなかったことは受け入れないといけない。

(家族が来日)すごくうれしい。家族がレースを見てくれていると思うと、いつも以上にモチベーションが高まった。チームにも迎え入れてもらえてみんな喜んでいる。このまま2週間、家族で日本に滞在する。東京・名古屋・大阪…いろいろなところへ行けるから楽しみだ。富士山にも上る予定なのだけれど…自転車で!? さすがに今回は控えておくよ(笑)」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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