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KINAN RACING

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ツアー・オブ・ジャパン第8ステージ レポート

マルコスとサルバドールが意地の長距離逃げ
ツアー・オブ・ジャパン最終日・東京でその存在をアピール
●ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.1)
第8ステージ 東京 112km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
大久保陣
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
8日間・総距離767.6kmで争われたツアー・オブ・ジャパンは、5月26日の第8ステージで閉幕。
KINAN Cycling Teamは東京での平坦ステージでマルコス・ガルシアとサルバドール・グアルディオラが攻撃を仕掛け、長時間にわたって逃げ続けるレースを見せた。
結果的に逃げ切りとはならなかったが、可能性がある限りチャレンジする姿勢で存在を誇示してみせた。

最終目的地である東京での第8ステージは、大井埠頭に設けられた7kmのコースを16周する112km。
オールフラットなレイアウトで、スプリンターが主役となるハイスピードステージ。
大きなトラブルがない限り、総合成績には変動が起きないと見られ、このステージはスプリントを誰が制するかが大方の焦点となっていた。

スターティングセレモニー

前日の伊豆ステージでKINAN Cycling Teamは、マルコスが数回の逃げ狙いのアタックから先頭グループでレースを進め、終盤までリードを続けた。
逃げ切りはならず、勝負はメイン集団に待機していたサルバドールに託す形になったが、ステージ6位とまとめている。
そして迎える最終の東京での1日。ここまでの7ステージを走り切っている山本元喜、大久保陣、新城雄大を含めた5選手で残るチャンスに賭けることとなった。

スタートを待つ新城雄大。表情に気合いがこもる

3.8kmのパレード走行を経てリアルスタートが切られると、スタートアタックに新城が加わり、数人が先行する流れに。
しかし簡単には集団の容認は得られず、序盤は膠着状態で進む。
この均衡を破ることになったのは、2周目で見せたマルコスのアタックだった。

単独で飛び出したマルコス・ガルシア

マルコスは1人で集団から飛び出すと、後続とのタイム差をみるみるうちに広げていく。
後続では追走の動きが起きており、ここにはサルバドールが同調する。
マルコスをサルバドールを含む3選手が追いかける格好となり、やがてマルコスに合流。
4選手による逃げが決まり、そのまま先を急ぐ格好となった。

コーナーを攻める先頭グループ。サルバドール・グアルディオラが牽引する

最大で約3分までリードを得た先頭の4人。
いずれも総合成績に関係しない選手たちであることから、メイン集団は急ぐことなく淡々と残り距離を減らしていく。
レースが半分を過ぎたあたりから、徐々にタイム差を縮めていった。

次なる展開に備える大久保陣

快調に逃げ続けていた先頭の4人に変化が生まれたのは、残り5周でのこと。
メイン集団とのタイム差が2分を切ったところでマルコスが単独でアタック。
これを決めると、サルバドールが他の2選手の動きを封じ、マルコスのリードを拡大させる。
さらに、サルバドールも2選手を引き離して先頭のマルコスまでブリッジを成功させ、KINAN勢2人による逃げの態勢へと変化させる。

マルコス・ガルシアとサルバドール・グアルディオラが懸命に逃げ続ける

スピードを上げるマルコスとサルバドールだが、メイン集団も勢いを増す。
残り3周でタイム差は1分10秒、残り2周では36秒。逃げきりの可能性に賭けた2人だったが、この周回の途中でマルコスが集団へと引き戻されると、最後まで粘ったサルバドールも最終周回の鐘を聞くと同時に吸収された。

集団前方を固めるKINAN勢3選手

逃げ切りは決まらなかったが、マルコスとサルバドールによる長時間の逃げと攻撃的な姿勢は、東京の沿道を大きく沸かせ、前回覇者としての意地を見せる快走だった。
なお、この日のチーム最上位は大久保の32位。
残り4人もフィニッシュラインを通過し、KINAN Cycling Teamは5人が今大会を完走した。

レースを盛り上げたマルコス・ガルシアとサルバドール・グアルディオラ。沿道の大歓声に手を振って応える

今シーズン最大目標の1つとして今大会に臨んだチームは、第6ステージの富士山で遅れを喫したこともあり、個人・チームとトップを占めた昨年の再現はならなかった。
しかし、大会終盤の2日間の目標をステージ優勝に切り替えトライを継続。
勝利こそならなかったが、一定の成果を残して8日間の戦いを締めくくった。

そして、チームにとって次なる大きな戦いはすぐにやってくる。
5月30日から6月2日までのツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)は、チーム本拠地の熊野地域を舞台とするホームレース。
この大会での個人総合優勝がチームの悲願であり、勝利が使命でもある。
ツアー・オブ・ジャパンで得た勢いそのままに、熊野ではシーズンのすべてをかける覚悟で戦っていく。

熱い応援をしてくださったみなさんと記念撮影

ツアー・オブ・ジャパン第8ステージ(112km)結果
1 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 2時間23分1秒
2 フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) +0秒
3 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)
4 黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング)
5 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
6 リカルド・スタキオッティ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
32 大久保陣(KINAN Cycling Team)
49 山本元喜(KINAN Cycling Team) +14秒
62 新城雄大(KINAN Cycling Team) +28秒
69 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分14秒
70 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)


個人総合
1 クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 19時間49分57秒
2 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +40秒
3 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +51秒
4 フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ) +1分2秒
5 ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +1分29秒
6 サム・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +2分3秒
21 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +10分2秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +15分20秒
58 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1時間5分54秒
67 新城雄大(KINAN Cycling Team) +1時間21分43秒
76 大久保陣(KINAN Cycling Team) +1時間57分8秒


ポイント賞
1 フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パルマー) 87pts
10 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 29pts
14 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 25pts


山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 33pts
17 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 3pts

チーム総合
1 チームUKYO 59時間37分53秒
8 KINAN Cycling Team +41分52秒
●選手コメント
・マルコス・ガルシア
「最後まで何かを残したいと思っていて、トライするならアタックしかないと分かっていた。スプリントになれば自分の出番ではないので、やれるだけのことはやった。

次戦はツール・ド・熊野。目標は個人総合優勝。簡単なチャレンジではないが、目標達成に向けて全力で戦う」
・サルバドール・グアルディオラ
「総合上位に入る可能性がなくなってからはステージ優勝を目指して走った。この最終ステージに関しても勝つ意欲を持っていて、最終周回までその可能性があった。逃げ切りはならなかったが、今大会を終えられて戦う意志を示すことができたと実感している。

レース後半に入って集団が迫ってきていることは分かっていたが、マルコスと2人での逃げとなってからも、チームの成功につながることを信じて走り続けた。次はツール・ド・熊野になるが、勝つためのチャレンジをしていく」
Rider's specifications

Tire: IRC TIRE FORMULA PRO
Sensor Pad: AIRFIT
Frame: YONEX CARBONEXHR & AEROFLIGHT
Wear: Champion System
Wheel: FULCRUM Racing Speed 40T & 55T
Helmet & Eyeware: uvex
Foods: ATHLETUNE, POWERBAR
Chemicals: WAKO'S
UV care: Aggressive Design
Sports Aroma: Igname Sports Aroma
Trainer: MINOURA HYBRID ROLLER FG540 & HYBRID ROLLER FG220
Shoes: NORTHWAVE
Conditioning: KT TAPE
Insole: La NICO CUSTOM INSOLE
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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