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KINAN RACING

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チーム総合1位獲得! ツール・ド・シアク 第4ステージ レポート

山本とサルバドールがツール・ド・シアク個人総合5位、6位
チーム総合では首位を守り組織力を証明
●ツール・ド・シアク(UCIアジアツアー2.2)
第4ステージ 102km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
椿大志
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
インドネシア・スマトラ島で開かれていたツール・ド・シアク(UCIアジアツアー2.2)は、9月22日の第4ステージをもって閉幕。
KINAN Cycling Teamは前日までの総合成績を維持し、山本元喜が個人総合5位、サルバドール・グアルディオラが同6位を確定。
さらには、チーム総合での首位も第1ステージ以降他チームに明け渡すことなく、組織力を証明した。

第1ステージで山本とサルバドールが上位フィニッシュを決めて以降、両者の総合成績に加えて、チーム総合でトップを走ってきた。
攻撃的なレース展開でチーム力を誇示してきたが、さらなるチャンスメイクとばかりに挑んだ前日の第3ステージがまさかのレースキャンセル。
一度はスタートしながらも、開幕前から懸念されていたスモッグの発生状況が悪化し、レース実施が不可能な状況となった。

道路脇に座りながらレース実施可否を待つ選手たち

そんな難局を乗り越え、大会の最後となる第4ステージが行われることに。
大会の拠点都市であるシアクの市街地に設けられた、17.9kmによる平坦基調の周回コースが舞台となる。
当初はこれをおおよそ8周回する133.5kmに設定されていたが、不安定な環境状態により前日に6周回に減らすことが決定。
しかし、この日も朝から濃度の高いスモッグが一帯を覆い、レースの実施が危ぶまれる状態となった。
レース開始直前まで選手・チームからさまざまな意見が飛び交うスタート地点だったが、協議の結果、予定通り6周回で行われることが確定。

レースディレクターを中心にレースの実施について話し合い。石田哲也監督も臨んだ

KINAN Cycling Teamは個人総合5位の山本、同6位のサルバドールの順位アップ、さらにはチーム総合首位をキープすべく、最後まで攻めの姿勢を貫く構えでスタートラインへ。
その通り、リアルスタートから果敢に前方をうかがう。
ただ、やはりその思惑は他チームも同様で、しばらくは出入りの激しい流れとなる。
19.5km地点と55.3km地点にそれぞれ設定された中間スプリントポイントを通過するまでは、逃げが決まることなく打ち合いの様相を呈した。

レース序盤から果敢に前方を狙って動いた山本元喜

その後、4人の飛び出しが決まると、レースはようやく落ち着きを見せる。
メイン集団はリーダーチームのトレンガヌ.INC・TSGサイクリングチームが中心となってコントロール。
KINAN勢は5人とも集団内に待機し、レース後半の動きに備えることになった。

山本元喜を先頭にKINAN Cycling Teamの選手が固まって走る

先頭グループは距離を追うごとに人数が減っていき、俄然メイン集団優勢の展開。
集団は前方とのタイム差を1分台にとどめて、着々と周回数を減らしていく。
最終周回に入るまでは2人が逃げ続けたが、やがてメイン集団が労せずキャッチ。
KINAN勢は危なげなく最終局面まで進めていった。

集団の前方に位置するKINAN Cycling Teamの選手たち

そして、最後のチャンスにトライすべく、KINAN勢が最終盤に動きを見せる。
総合でのジャンプアップを狙って、まずはサルバドールが残り2kmでアタック。
ここは厳しいチェックにあい、決定打とはならず。
そのままステージ優勝争いのスプリントへと流れていくところで、今度は山本が残り400mでスピードを上げると、フィニッシュ前250mで椿大志を発射。

最終局面。スプリントに向けて山本元喜のリードアウトから椿大志が飛び出す姿がかすかに見える

山本のリードアウトから椿のスピードを生かしたチャレンジは、有力スプリンターたちの前に一歩及ばなかったが、最後の最後まで積極性を保ってレースを完了。
見せ場を作ったサルバドール、山本、椿に続き、彼らを支える側に回ったマルコス・ガルシアとトマ・ルバもしっかりと完走を果たしている。

個人総合5位を決めた山本元喜をトマ・ルバが讃える

総合上位陣はいずれもステージトップの選手と同集団でフィニッシュラインを通過。
これにより、山本とサルバドールの個人総合5位、6位が確定。
UCIポイントではそれぞれ15点と10点を獲得。そして、大会初日から押さえていたチーム総合での1位も決めた。
予定していたレース距離からの変更や、ステージキャンセルなどのアクシデントもあり、第1ステージの結果がそのまま最終成績につながった形となったが、KINAN Cycling Teamは個人でのトップこそならなかったが、総じて一定の成果を残すこととなった。

また、得意とする山岳ではなく、平坦基調のレースでも要所での仕掛けからチャンスを広げ、個人・チームでの総合成績につなげた点も大きな収穫。
改めて、UCIアジアツアーの上位で戦うチームとしての総合力をアピールすることができている。

チーム総合1位を獲得

スマトラ島での戦いを終えたチームは、このままインドネシアに滞在し、ジャワ島の東端のバニュワンギへと移動。
9月25~28日のインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(UCIアジアツアー2.2)が次戦となる。
今回とは打って変わって、山岳比重の高いステージレースで、KINAN Cycling Teamにとってはお家芸でもある上りで強さを発揮する場となる。
ツール・ド・シアクで得た好感触のもと、続くインドネシアでの戦いに向かっていく。
ツール・ド・シアク第4ステージ(102km)結果
1 ムハマド・ヌル・ファトーニ(インドネシア、BSPシアク) 2時間20分55秒
2 モハメドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +0秒
3 アイダン・ジェームス・メンドーサ(フィリピン、NEX・CCNサイクリングチーム)
4 モハマド・ガンカンロウ(イラン、フーラッド・モバラケ・セパハン)
5 アブドゥル・ガニ(インドネシア、KFCサイクリングチーム)
6 ステファン・バッカー(オランダ、グローバルサイクリングチームホラント)
13 椿大志(KINAN Cycling Team)
24 山本元喜(KINAN Cycling Team)
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
42 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
44 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)


個人総合
1 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 5時間29分21秒
2 モハマド・ガンカンロウ(イラン、フーラッド・モバラケ・セパハン) +5秒
3 ステファン・バッカー(オランダ、グローバルサイクリングチームホラント)
4 ロイック・デリアック(フランス、NEX・CCNサイクリングチーム) +9秒
5 山本元喜(KINAN Cycling Team) +13秒
6 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
17 椿大志(KINAN Cycling Team) +1分20秒
21 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
45 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分47秒


ポイント賞
1 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 28pts
11 山本元喜(KINAN Cycling Team) 6pts
12 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 6pts
24 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 1pts


チーム総合
1 KINAN Cycling Team 16時間29分49秒
●選手コメント
・山本元喜
「去年チームとして何も結果を残すことができなかったことを思えば、いろいろとハプニングがあったとはいえ、今回の個人総合5位・6位、チーム総合1位という結果は悪くない。特にクライマーをそろえていながら、平坦のレースでも戦えたことに収穫があると感じている。

シーズン後半を通して調子が良くて、順調にUCIポイントを獲得できている。次のイジェンではもちろん個人としても狙いたいが、トマがイジェン山で総合トップに立った(8月の)ツール・ド・インドネシアの再現がなるよう、クライマーをサポートすることにもウエイトを置きたい。何より、しっかり走れているので、その点でのストレスがないことは個人的に大きい」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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