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KINAN RACING

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宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース レポート

アジア最高峰・ジャパンカップはドリューがサバイバル化で粘りの走り
連日のファーストアタックの畑中は笑顔と涙でキャリアに幕引き
●宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース
10.3km×14周回=144.2km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
山本元喜
柚木伸元
新城雄大
畑中勇介
アジア最高峰のワンデーレース「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」が10月20日に行われ、例年に違わないハイレベルのレースに。
KINAN Racing Teamはドリュー・モレがUCIポイント圏内の38位でフィニッシュ。
サバイバル化した中にあって、最後まで粘りの姿勢を崩さなかった。
また、このレースで選手としてのキャリアを終えることを発表していた畑中勇介は、ファーストアタックでプロトンを活性化。
最後は笑顔と涙でレースとファンに別れを告げ、20年のプロキャリアを終えた。
ワンデーレースとしてはアジア最高位の「UCIプロシリーズ」に位置するジャパンカップ。
今年で31回目を迎え、開催地を冠した「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」として世界へ発信をしていく。

レースも年々レベルアップが著しく、トップカテゴリーのチーム群・UCIワールドチームが主導で展開。
宇都宮市森林公園を基点とする10.3kmの周回コースは、最大の難所である古賀志林道の上りが選手たちの脚を試す。
それからもテクニカルなダウンヒルや緩やかな上り区間がレースの流れに変化をもたらす。
ときに出走者の半数以上がリタイアに追い込まれるなどサバイバル戦になる傾向が強く、ワールドクラスの選手にしても苦しめられることがしばしば。
日本勢は地の利を生かしつつ、世界のトップライダーとの真っ向勝負に挑む。
これまでもジャパンカップで世界に挑戦を続けてきたKINAN Racing Team。
今回はドリュー、畑中のほか、孫崎大樹、山本元喜、柚木伸元、新城雄大の6選手で臨む。
18日には宇都宮市中心部でのチームプレゼンテーションで登壇し、19日はクリテリウムに出走。
アタックや集団牽引で選手たちがアクションを見せ、本戦であるロードレースへの弾みとしている。
この日は会場内に設けられたiRC TIRE(井上ゴム工業株式会社)さまブースの一角をチームピットとして開放していただき、ファンサービスにも努めながらレースまでの時間を過ごした選手たち。
ファンからの声援を背にスタートの時間を迎えた。
号砲とともに飛び出したのは、やはり畑中。
前日に続くファーストアタックで魅せると、プロトンは一気に活性化。
キャリア最終レースで見せ場をつくろうと意気込んでのスタートは、この先に待つハイレベルの戦いの幕開けにふさわしいものとなった。
やがて6人の逃げが決まるが、メイン集団もペースは緩めない。
先頭にメンバーを送り込めなかったチームが中心となって集団を引っ張ると、レース序盤にして早くもサバイバルの様相に。
先頭グループとメイン集団との差は1分前後で推移し、KINANメンバーもときおり前方に顔をのぞかせながら集団内でレースを進めた。
4周目には、先頭を走っていた選手たちをキャッチした集団。
2回目の山岳賞周回となった6周目に1人が飛び出し、これを4選手が追走。
さらに古賀志林道の上りで分裂した集団から前線に残った選手たちが追いかけて、追走メンバーに合流。
それまでにメイン集団に残っていたドリューと孫崎も後退し、前方からこぼれてくる選手たちを拾いながら1つでも上の順位を目指す形に切り替わった。
最前線では周回を経るごとに人数が絞られ、終盤には5選手による優勝争いへ。
後方では多くの選手が規定のタイム差をオーバーしリタイアを余儀なくされる中、KINAN勢ではドリューだけがレースに残って順位を上げていく。
そのまま5人が逃げ切ったレースは、粘りに粘ったドリューがUCIポイント圏内までポジションを上げてフィニッシュへ。
最終的に38位でレースを終えている。出走112人でリタイア者が58人と、半数以上の選手が途中でコースを去り高難度となった中で、価値あるUCIポイント3点を得ている。
KINANメンバー残り5選手はいずれも途中でバイクを降りている。
最後の雄姿となった畑中は沿道に集まったファンの声援に応えながら感謝のファイナルライド。
思い出が詰まったジャパンカップで長いキャリアに幕を閉じた。
このレースでは、前記したiRC TIREさまのピットサポートのほか、ラフィネグループさま、株式会社キナンからもスタッフが応援に駆け付け、選手たちの走りを後押し。
アジア最高のレースで、これ以上ない力添えをしていただいた。
KINAN Racing Teamにとって、残すロードレース公式戦は11月10日のツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)のみに。
長かったシーズンを最高の形で終えるべく調整を進めつつ、イベント参加や各種活動を並行して取り組んでいく。
宇都宮ジャパンカップロードレース(144.2km)結果
1 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)3時間33分30秒
2 イラン・ファンウィルデル(スーダル・クイックステップ)+0秒
3 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)
4 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)
5 マウリ・ファンセヴェナント(スーダル・クイックステップ)+4秒
6 ジュリアン・ベルナール(リドル・トレック)+4分16秒
38 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)+11分50秒
DNF 孫崎大樹(KINAN Racing Team)
DNF 山本元喜(KINAN Racing Team)
DNF 新城雄大(KINAN Racing Team)
DNF 柚木伸元(KINAN Racing Team)
DNF 畑中勇介(KINAN Racing Team)
●選手コメント
ドリュー・モレ
「初のジャパンカップだったけど、想像以上にハードなレースだった。コンディションが100%じゃなかったこともあって、テクニカルな宇都宮のコースに対応しきれなかった。でも1回走り切れたから、次はもっと自信をもって走れるはず。今度はコンディションを整えてベストな状態で臨みたい。

日本の秋のレースはとても充実していた。おおいたアーバンクラシック、ツール・ド・九州、ジャパンカップと素晴らしいレースばかり。シーズンを通しても良い思い出がいっぱいあって、ツアー・オブ・アンタルヤやツアー・オブ・ターキーなどのハイクラスのレースにも出場ができた。機会をくれたチームや仲間には心から感謝している。

来シーズンも今から楽しみ。チーム今よりもっと強くなるだろうから期待していてほしい」
畑中勇介
「やっぱりジャパンカップは特別。今日が最後だと強い思いでスタートラインについたけど、いざ走ってみたら“自分はこんなにたくさんの人に応援してもらえる人生だったのか”と…。

本当にありがとうございました! 20年やりきりました! サイコー!」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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