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KINAN RACING

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ツアー・オブ・イスタンブール第3ステージ レポート

大雨のツアー・オブ・イスタンブール第3ステージ
新城雄大が逃げて、チームとして連日の存在感アピール
●ツアー・オブ・イスタンブール(Tour of Istanbul、UCIヨーロッパツアー2.1)
9月6日(土) 第3ステージ
アルナヴトキョイ 165.7km

・出場選手
山本元喜
ネイサン・アール
レイン・タラマエ
宇賀隆貴
宮崎泰史
トマ・ルバ
新城雄大
トルコで開催中のステージレース、ツアー・オブ・イスタンブールは第3ステージを現地9月6日に実施。
早朝からの大雨の影響で、レース前半部の多くがニュートラル走行に。
実質約100kmで争われる形になったが、新城雄大が先頭グループでレースをリードするなどチームとしてアグレッシブな姿勢を維持。
フィニッシュ前5kmもニュートラルの措置がとられたほどの悪天候の中、KINANメンバーは大きなトラブルなくこのステージをクリア。
レイン・タラマエが個人総合7位につけて大会最終日に向かう。
好調のまま戦いを進めるチームは、本場ヨーロッパの上位クラスのチーム相手に堂々と渡り合っている。
前日の第2ステージでは、終盤の丘越えで絞られた先頭グループにレインとトマ・ルバが残り、そのまま前線でフィニッシュ。
レインは個人総合で5位までランクアップし、さらに上のポジションが見える位置につける。トップとの総合タイム差は3秒。残るステージでの逆転チャンスをうかがっていく。
第3ステージは、各大陸とをつなぐ交通の要衝であるイスタンブール国際空港が位置するアルナヴトキョイを基点とする165.7km。
近くに離発着機を見ながら、レースは進んでいくこととなる。前のステージ同様に高低の変化が多いほか、道幅が急激に狭くなる区間も潜む。スピードとテクニックが必要となるコースを選手たちは走る。
ただ、この日のイスタンブールは早朝から大雨。
スタート地点でも強い雨が降り続き、レース実施が不安視されるムード。
こうした中で出発したプロトンだったが、リーダーチームのロットを中心に主催者、審判団へレースキャンセルを求める動きが見られるように。
パレード区間を経てもリアルスタートは切られず、雨の中を一団となって進み続けた。
この態勢は10km、また10kmと続き、結果的に50km以上に及ぶニュートラル走行となる。
そこまでの区間は安全確保を重視し、実際にリアルスタートが切られたのはアルナヴトキョイを出発して56kmまで達したタイミングとなった。
早い段階でロットのほか、同じUCIプロチーム勢のひとつであるトタルエネルジーなどがメイン集団のコントロールを始めたことで、逃げを狙ったアタックは簡単には決まらない。
数人単位ので入りが繰り返された状況から、フィニッシュまで60kmを切ろうかというところで2人が飛び出しに成功。さらに3選手が加わって、そこに新城も合流した。
走力の高い選手がそろったこともあり、新城らはメイン集団に対して2分近いタイム差としてレースをリード。
誰ひとり欠けることなく飛ばし続けたが、メイン集団も追走を徐々に本格化。その差は縮小傾向となり、フィニッシュ前25kmで約1分となった。
長く先頭で粘った新城たちだったが、最後の10kmを目前に集団へと戻り、フィニッシュに向けて一団に。
しかし、雨が再び強く降り出したことから、安全確保を最優先しフィニッシュ前5kmでの通過タイムを有効化する決定。
大集団でのスプリントフィニッシュを避けたい選手たちはこのポイントを通過したのち、セーフティに最終5kmを走り切る判断をしている。
なお、ボーナスタイムなどの反映はないものの、ステージ順位は有効に。
この日の優勝争いはスプリントで決している。KINANメンバーは7選手全員が後方で安全にレースを完了。
残り5km地点の通過タイムが関係し、レインの個人総合順位は7位に。トップ10圏内をキープして大会最終日へと進むことになった。
大会の最後を飾るのは、イスタンブールの中心地区であるファティでの市街地レース。
主要機関や“ブルーモスク”の呼び名で知られるスルタンアフメト・モスクを見ながら走る。
世界遺産に登録されるイスタンブール歴史地域に設けられた周回コースをおおよそ4周する95kmで競う。
KINAN Racing Teamにとっては、8月下旬から続いたトルコでの連戦最終日。レインの上位進出で遠征の良い締めとしたい。
ツアー・オブ・イスタンブール第3ステージ(165.7km)結果
1 ジョヴァンニ・ロナルディ(チーム ポルティ・ビジットマルタ)2時間24分45秒
2 エミリアン・ジャニエール(トタルエネルジー)+4秒
3 ティモシー・デュポン(Tarteletto - Isorex)
4 ステフェン・デシュハイテニール(ロット)
5 パトリック・ストス(VOSTER ATS TEAM)
6 フィリップ・ジェハ(ATT Investments)+0秒
30 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+4秒
35 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)
43 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+31秒
58 山本元喜(KINAN Racing Team)
68 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+54秒
82 新城雄大(KINAN Racing Team)+3分0秒
95 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+8分55秒

※タイム差は残り5km地点通過時の計測による

・個人総合時間賞
1 マウロ・クイリッツ(ロット)6時間18分20秒
2 バティスト・ヴァディク(トタルエネルジー)+1秒
3 ジョヴァンニ・ロナルディ(チーム ポルティ・ビジットマルタ)+5秒
4 ローガン・カリー(ロット)+6秒
5 エミリアン・ジャニエール(トタルエネルジー)+8秒
6 ジャンニ・マルシャン(Tarteletto - Isorex)+10秒
7 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)
17 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+53秒
51 宮崎泰史(KINAN Racing Team)+7分10秒
64 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+10分43秒
69 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)+11分34秒
71 山本元喜(KINAN Racing Team)+11分41秒
87 新城雄大(KINAN Racing Team)+14分17秒


・ポイント賞
4 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)3pts

・山岳賞
3 ネイサン・アール(KINAN Racing Team)2pts

・チーム総合時間賞
1 チーム ポルティ・ビジットマルタ 18時間55分35秒
6 KINAN Racing Team +2分4秒
●選手コメント
新城雄大
「レースキャンセルになるかもしれない…という空気感のままスタートして、60km近く進んでしまったので気持ちの持っていき方が少し難しかった。リアルスタートしてからも路面状況が良くなかったので、逃げに入れれば有利になるのではないかと考えた。逃げメンバーみんな脚がそろっていて、逃げ切りを目指すという点で利害が一致していたのもプラスに働いた。結果的に逃げ切れなかったあたりは、レースをコントロールしたUCIプロチーム勢の強さだと感じている。

昨年もトルコではレースキャンセルを経験しているし、UCIアジアツアーでもリスキーな条件下でレースを走っている。今日のようなコンディションでも動揺することはなかったし、仮にキャンセルになっていても受け入れて次にフォーカスできていたと思う。

ヨーロッパの強いメンバーがそろう1クラスのレースでも存在感は示せている。あと1日、表彰台を目指して走りたい。そして、その後に控える国内開催のUCIレースでも結果につながるよう取り組みたい」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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