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KINAN RACING

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ヘラルド・サン・ツアー 第1ステージ レポート

ヘラルド・サン・ツアー開幕
強豪とのスプリントにトライした中島康晴が8位でフィニッシュ
●ジャイコ・ヘラルド・サン・ツアー(UCIオセアニアツアー2.1)
第1ステージ ミッチェルトン,ナガンビー-シェパートン 121.9km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
椿大志
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
オーストラリア南部を舞台とするヘラルド・サン・ツアーが2月5日に開幕。
初出場のKINAN Cycling Teamは第1ステージ、椿大志のスタートアタックで見せ場を作ると、スプリントとなったフィニッシュ勝負で中島康晴が8位。
トップチームが顔をそろえる中で終始チャレンジに努めた1日になった。

第1ステージのスタート地点。後ろはミッチェルトン社が運営するワイナリーホテル

ヘラルド・サン・ツアーは1952年に初開催のオーストラリア伝統のステージレース。
今年で67回目を迎えるが、そんな大会にKINAN Cycling Teamが初出場することとなった。
最高峰カテゴリーのUCIワールドチームを中心に、例年ハイレベルの戦いが展開されているが、今年も山岳を含む全5ステージで雌雄を決することになる。

ヘラルド・サン・ツアーに挑む7選手。左から中島、トマ、新城、山本、マルコス、サルバドール、椿

4つのUCIワールドチームのほか、全14チームが集った今大会。
KINAN Cycling Teamは平坦ステージでのスプリント、そして山岳での総合争いを見据え、各所で勝負に絡んでいけるメンバーをそろえる。
椿と中島のほか、山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大のオーダーで、数々の実力派チームに挑んでいく構えだ。

スタート地点周辺は一面のブドウ畑。ミッチェルトン社が製造するワインに使われる

同国南東部の大都市・メルボルンを中心に、近郊都市をめぐるステージ設定の今回。
第1ステージは、同国のワインブランド・ミッチェルトン社が運営するホテル前を出発し、シェパートンまでの121.9km。
中盤に少々の変化があるものの、全体を通してはおおむね平坦基調。
チームはスピード勝負となることを想定し、逃げやスプリントのチャンスを探りながらレースを進めていくことになった。

終盤までレースを先行した5選手

そして、その狙い通り選手たちは動いた。
まず、スタートアタックに反応したのは椿。
すぐに6選手がまとまり、逃げの態勢を築いていく。
一度はこの飛び出しが決まったかに思われたが、9.5km地点に設定された、この日1つ目の中間スプリントポイントをめがけてメイン集団もスピードアップ。
椿らの逃げは決まらず、一団のままで中間スプリントへとなだれ込んでいく格好となる。

集団の中でレースを進める新城雄大とサルバドール・グアルディオラ

ここを過ぎてから、プロトンは逃げを狙っての動きを容認していく構えへ。
1人、また1人と抜け出しをはかり、やがて地元オーストラリア勢を中心とした5人の先頭グループが形成される。
一方のメイン集団は、ワールドチーム勢がアシストを出し合ってコントロールを開始。
KINAN勢も集団待機でレースを進めていくことになった。

コーナーを進む山本元喜

集団は先頭5人との差を最大でも3分にとどめ、射程圏内にとらえながら進んでいく。
この構図は変わらないまま、レースは後半へ。
徐々にその差は縮めていきながら、キャッチするタイミングを図っていく。

そんな状況下で、先頭グループは102.6km地点に置かれた2つ目の中間スプリントポイント通過をきっかけに協調体制が崩壊。
フィニッシュまでの残り距離が10kmを切って以降も3人が粘り続けたが、勢いを増したメイン集団が残り5kmを前に吸収。
勝負はスプリントにゆだねられることが濃厚になった。

ステージ優勝争いのスプリント

KINAN勢もスプリントのチャンスに中島でトライすることに。
リードアウト役の新城とともに集団前方にポジショニング。
ワールドチーム勢が主導権争いを展開する中に加わり、好位置からの勝負を目指した。

激しい位置取りから、最終局面を目前に中島が自ら集団先頭が見える位置まで上がってスプリントへ。
結果的にワールドチーム勢が上位を占めたが、中島もそれに続く形でフィニッシュライン。
大会初日は8位で終えた。

8位でフィニッシュした中島康晴

また、この日はプロトンの大多数がトップと同タイムでフィニッシュ。
KINAN勢も同様に集団内で走り切っている。

まずは1ステージを終え、プロトン内のムードを感じられた選手たち。
第2ステージでは本格的な山岳が待ち受け、重要な局面へ気持ちを高めていく。
そんな次のステージは、ビーチワースからフォールズ・クリークまでの117.6km。
レース距離こそ短いものの、獲得標高は2600mと上りが重要な位置づけとなる1日。
フィニッシュ地フォールズ・クリームまでは30kmにわたる上りが待ち受ける。
平均勾配こそ3.9%が、ところどころ下りや急坂があり、走りのリズムとスタミナが要求されるコースレイアウト。
総合争いの方向性を定める、大会前半のヤマ場といえそうだ。

まずはトラブルなく最初のステージを終えた

ジャイコ・ヘラルド・サン・ツアー2020 第1ステージ(121.9km)結果
1 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チーム サンウェブ) 2時間36分42秒
2 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 モレノ・ホフラント(オランダ、EFプロサイクリング)
4 ミケヒル・レイム(エストニア、イスラエル・スタートアップネイション)
5 ゴッドフリー・スラッテリー(オーストラリア、コルダ・メンサ・リアルエステートオーストラリア)
6 マイケル・ライス(オーストラリア、ARAプロレーシング・サンシャインコースト)
8 中島康晴(KINAN Cycling Team)
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
44 新城雄大(KINAN Cycling Team)
54 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
56 椿大志(KINAN Cycling Team)
62 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
67 山本元喜(KINAN Cycling Team)


個人総合
1 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チーム サンウェブ) 2時間36分32秒
2 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +4秒
3 モレノ・ホフラント(オランダ、EFプロサイクリング) +6秒
4 ロイ・イーフティング(オランダ、チーム サプラサイクリング) +7秒
5 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)
6 クレイグ・ウィギンス(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +9秒
11 中島康晴(KINAN Cycling Team) +10秒
29 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
45 新城雄大(KINAN Cycling Team)
54 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
56 椿大志(KINAN Cycling Team)
62 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
67 山本元喜(KINAN Cycling Team)


ポイント賞
1 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チーム サンウェブ) 10pts

チーム総合
1 EFプロサイクリング 7時間50分6秒
10 KINAN Cycling Team +0秒
●選手コメント
・椿大志
「(スタートアタックするも)1つ目のスプリントポイントまでに決めたかったが、そう簡単にはいかず…集団に戻ってからは、脚を貯めながら走ることを心掛けた。

プロトン内はワールドチームのレースコントロールを予測して動いている雰囲気で、アタックにしても集団内での位置取りにしても、プレッシャーなくトライができている。ただ、力勝負になるとチーム力のある彼らに対して分が悪くなるので、そこをどう上手く立ち回るかが課題。

(第2ステージは山岳)チームとして得意とするコースレイアウトで、十分戦えるステージだと思っている。しっかり走ってよい結果を残したい」
・中島康晴
「8位という結果は悔しい。フィニッシュから約300m手前に最終コーナーがあって、そこをもっとよい位置で抜けていければ、さらに上位を狙えたと思う。今回は(新城)雄大とはぐれてしまって、最後は自分でインコーナーを突いて上がっていくより仕方がなかった。ただ何より、ハイスピードレースにあってスプリントに加わることができたことは、チームみんなのおかげ。大会初日からしっかり連携できたことは、明日以降にもつながる。

チーム一丸となってレースを進めていけるよう意識していて、みんなでまとまって走ることでプロトン内でのリスペクトが得られたり、存在感を示すことができたりと、プラスの部分は大きかった。明日以降もそれを続けて、より戦いやすい状況を作り出せたらと思っている。個人的に、明日はチームのクライマーたちをサポートする日なので、しっかり仕事を果たして、よいレースにしたい」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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