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KINAN RACING

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ツール・ド・熊野2022 第1ステージ レポート

3年ぶり開催のツール・ド・熊野幕開け
第1ステージで畑中勇介が4位、山本元喜は逃げで魅せる
●ツール・ド・熊野2022(UCI アジアツアー 2.2)
第 1 ステージ 赤木川清流コース 114.0km

●KINAN Cycling Team 出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
山本大喜
トマ・ルバ
新城雄大
畑中勇介
和歌山県・三重県にまたがる熊野地域の山岳・丘陵部を舞台とするステージレース、ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)が5月27日に開幕した。
実に3年ぶりの開催となる今回は、復活を祝うように国内外から有力チームが勢ぞろい。
和歌山県新宮市にて行われた第1ステージで、KINAN Racing Teamはスプリントに絡んだ畑中勇介が4位でフィニッシュ。
レース中盤から終盤にかけては山本元喜があわや逃げ切りという走りを見せるなど、ホームレースで大きなアピールをしている。
ツール・ド・熊野は、世界遺産に登録される熊野古道をはじめ、海・山・川と自然が豊かな同地域をめぐる3日間のステージレース。
主催は同地にてスポーツイベントを企画・運営するNPO法人「SPORTS PRODUCE熊野」。
周辺地域の人々を中心としたボランティアによって大会が支えられており、手づくりのロードレースとしても愛される。
これまでは4ステージで開催されてきたが、新型コロナウイルス感染拡大による中止を経て迎える今回から、3ステージで争われることとなった。
3年ぶりの開催となる今回は、いずれも山岳・丘陵部を行く総距離322.8km。
KINAN Racing Teamにとっては、メインスポンサー「株式会社キナン」のお膝元である和歌山県新宮市や周辺市町村でのレースとあり、この大会が毎シーズンの最大目標に据えられる。
これまで幾度となく個人総合のタイトルに手が届きかけながら実現しておらず、チームも、そして地域の人々も「今年こそ!」の思いは強い。
それを実現するべく、山本元、畑中に加えて、マルコス・ガルシア、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大の6選手が招集された。
3季ぶりに日本でレースを走るマルコス、直近のツアー・オブ・ジャパンで個人総合3位に入ったトマなど、最高のメンバーがそろった。

そんな、チームにとってのホームレースが幕を開ける。
大会初日・第1ステージは新宮市熊野川町に設けられた周回コースを走行する114km。
16.2kmのルートをおおよそ7周回し、2周回目と6周回目には周回後半の急坂区間に山岳ポイントが設定される。
迎えたレースは、序盤から激しいアタックの打ち合い。
2周目には新城が前をうかがい、山岳ポイント獲得を狙うが、ここは無理せず集団へと戻る。
その後も時速50kmに達しようかというハイペースで進行。
KINAN勢は集団に待機しつつ、わずかな隙を衝こうと構える。
均衡が破られたのは4周目。
集団のペースが緩んだタイミングを見計らって、山本元が3人の逃げグループを形成。
3人がさらに加わって、6選手でレースをリードする。
メイン集団に対して30秒程度の差を得て、終盤戦へと突入した。
先頭6人の形勢に大きな変化がないまま、レースは最終周回へ。
さすがにメイン集団もスピードを上げて、山本元らに迫る。
粘った先頭の6人だったが、周回後半で集団へと引き戻された。
そこからはスプリントフィニッシュへ向けてハイスピードで進行。
KINANメンバーは、ここに畑中を送り込んで、上位進出を図った。
畑中はトップこそ立てなかったものの、4番手を保ってフィニッシュ。
ステージ表彰台まであと一歩に迫る走りを見せた。
このステージではメンバー6人全員がメイン集団でレースを完了。
上位をうかがえる位置で、翌日のステージへと駒を進めた。
第1ステージを終えた段階では、畑中が個人総合でチーム最上位の7位。
他の5選手も同タイムで続いている。
また、チーム総合でもトップと同タイムの2位。
個人・チーム順位とも、翌日に勝負をかける。

翌28日に行われる第2ステージは、今大会最高難度の山岳ステージ。
名所・丸山千枚田の2回登坂、さらには1級山岳札立峠が選手たちの前に立ちはだかる。
いずれも道幅の狭い急坂だが、頂上通過後のダウンヒルもテクニカルで、レース展開に確実に影響を及ぼす区間。
終盤で迎える2回目の丸山千枚田でメイン集団には何人が残っているか。
このステージを制した選手が、大会の頂点へ一気に近づくことになる。KINAN Racing Teamとしては、得意の山岳ステージで攻勢をかけていく構えだ。
ツール・ド・熊野2022第1ステージ(114.0km)結果 
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)2時間31分17秒
2 ネイサン・アール(チーム右京)+0秒
3 織田聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
4 畑中勇介(KINAN Racing Team)
5 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)
6 岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
18 山本大喜(KINAN Racing Team)
20 新城雄大(KINAN Racing Team)
32 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
38 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)
45 山本元喜(KINAN Racing Team)


・個人総合時間賞
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)2時間31分07秒
2 ネイサン・アール(チーム右京)+4秒
3 織田聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)+6秒
4 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)+7秒
5 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)+8秒
6 小林海(マトリックスパワータグ)+9秒
7 畑中勇介(KINAN Racing Team)+10秒
21 山本大喜(KINAN Racing Team)
23 新城雄大(KINAN Racing Team)
33 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
39 マルコス・ガルシア(KINAN Racing Team)
46 山本元喜(KINAN Racing Team)


・チーム総合
1 愛三工業レーシングチーム 7時間33分51秒
2 KINAN Racing Team +0秒
・選手コメント
山本元喜
「今日は逃げに入ることを狙っていた。レース全体が落ち着いていたタイミングだったので、仕掛けてみたらうまく6人がそろった。状況的には逃げ切りは難しいとは思っていたが、やるしかないと思ってできるだけのことはやった。

明日は大事な山岳ステージに向けて、直近のツアー・オブ・ジャパンである程度マークすべき選手はチェックできている。チームとしてどれだけの人数を残して勝負できるかがポイントになると思う。チーム力が高いことは今日走って実感できたのと、誰が動いても勝負できるのが強みでもあるので、それをどう生かしていくかを考えていきたい。

(3年ぶりのツール・ド・熊野開催)成績を出すことがもちろん一番だが、逃げに入っただけでもすごく大きな応援をしてもらえるので、ホームで走れる喜びを感じることができている」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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