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KINAN RACING

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シャールジャ・ツアー第3ステージ レポート

山岳2連戦初日のシャールジャ・ツアー第3ステージ
4位にまとめたドリュー・モレが好位置で翌日のクイーンステージへ
●シャールジャ・ツアー(UCIアジアツアー2.2)
第3ステージ 1月29日(日)
フラッグアイランド〜Wadi Al Hilo Ladies Club 117.8km

・出場選手
孫崎大樹
ドリュー・モレ
山本元喜
ライアン・カバナ
トマ・ルバ
新城雄大
KINAN Racing Teamが参加しているシャールジャ・ツアー(UAE)は、大会中盤戦。
この日から山岳ステージが本格化し、終盤に抜け出した7選手がそのまま上位を占める結果に。
KINANメンバーでは個人総合で最上位につけるドリュー・モレが仕掛けどころを見逃さず、上位戦線を走行。
ステージ4位にまとめ、個人総合でも2位に浮上。
クイーンステージ(最重要ステージ)となる第4ステージを前に、好位置を押さえている。
開幕以降、個人タイムトライアルと平坦コースを走ってきたプロトンは、第3ステージから山岳へ。
ここから2日間、重要度の高い上りが続く。
個人総合争いで大きなウエイトを占め、上位進出を狙うKINAN Racing Teamにとっても気の抜けない戦いとなる。

117.8kmに設定されたコースは、UAE東海岸のオマーン湾沿いを走行。
最後の約20kmが山岳区間となり、ところどころで10%超の急坂も待ち受ける。
フィニッシュ前300mも5%前後の上り基調で、登坂力とパンチ力がモノをいうルートといえる。
KINAN Racing Teamは、第2ステージを終えた時点で個人総合5位につけ、トップとのタイム差も僅差のドリューを中心に戦術を組み立て、リーダージャージが手に届くところまでジャンプアップを目指していく。
リアルスタートからアタックの応酬となったレース前半。
KINAN勢も集団前方をキープし、動き出しのチャンスを探る。
出入りが繰り返される中、30km地点を前にドリューみずから先頭グループにジョインし、直後に迎えたこの日1つ目の中間スプリントポイントを3位通過。
これで1秒のボーナスタイムを獲得した。

その後もアタックと吸収が連続するが、40km地点を前に今度は20人の集団から抜け出してそのまま先頭グループを形成。
ドリューが再び加わったほか、ライアン・カバナやトマ・ルバも入り、数的優位な状況を作り出す。
このまま逃げを企てる選手が多かったこともあり、協調態勢を築きながらメイン集団とのタイム差拡大を狙った。

しかし、先頭にメンバーを送り込めなかったチームを中心に集団のペースアップがなされ、結局50km地点を過ぎたあたりでドリューらの大きなグループは引き戻されてしまう。
何度もふりだしに戻ったレースは、やがて1人逃げが生まれたことでようやくプロトンが落ち着くこととなる。

引用:https://maraya.sba.net.ae/ar/live/2

ただ、それからも散発的なアタックはとどまることはなく、数人の追走グループが組まれては集団へと戻される流れが続く。
慌ただしい展開のまま、この日の勝負どころとなる終盤の山岳区間へと入っていった。

逃げの選手がトップで粘る一方で、ハイペースを維持するメイン集団では急坂区間で遅れる選手たちの姿が見られるようになる。
徐々に人数が絞り込まれていく状況から、7人が飛び出して追走を開始。
ここにドリューが入り、前を目指して加速していく。
メイン集団に対して数十秒のリードを得て、先頭との差も縮めていく。
狙い通り、逃げていた選手を捕まえると、さらに上りでドリューがアタックして後ろとのタイム差を広げることに成功。
7人は協調を保ったまま最終局面へ。
この中からステージ優勝者が出ることは確実になった。

引用:https://maraya.sba.net.ae/ar/live/2

最終のレイアウトは、一度下ってから300mの上り。
この下りで2選手が仕掛けると、反応が遅れた5人を置いてスプリントへ。
レースを通して力強い走りを見せてきたドリューはステージ優勝こそ逃したものの、4位にまとめて山岳決戦の第一弾をクリア。
このステージ終了段階での個人総合首位奪取はならずも、クイーンステージを前に順位を2位まで上げることに成功。
トップとの差は9秒で、十分に射程圏内をキープする。
また、ライアンも総合タイム差30秒で9位に位置する。

ステージ優勝者から17秒差でフィニッシュしたメイン集団では、孫崎大樹がスプリントに絡んで10位。
前日に続き、好調な走りを見せた。
残り4人も問題なく走り切って、次のステージへとつないでいる。

翌30日に控える第4ステージは、今大会の最難関。
レース距離こそ110.2kmと短めながら、中盤・終盤とタフな山岳区間が待ち受ける。
中盤には1級と2級の上りが立て続けにあり、頂上にフィニッシュラインが敷かれる最後の上りは約5kmで海抜0mから560mまで一気に駆け上がる。
全5ステージ通して唯一の超級山岳であり、最大勾配は20%を超える。
この上りを制した者こそが大会の覇権を手にすることになりそう。
KINAN Racing Teamはもちろん、ここまで好条件を整えてきたドリューでリーダージャージを獲りに行く。
シャールジャ・ツアー 第3ステージ(117.8km)結果
1 Rudolf REMKHI(カザフスタン、アルマティ・アスタナモータース)2時間44分39秒
2 Mohcine EL KOURAJI(モロッコ、Al Shafar Jumeirah Cycling Team)+3秒
3 メトケル・エヨブ(エリトリア、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)+4秒
4 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)
5 Oussama KHAFI(モロッコナショナルチーム)
6 Ariya PHOUNSAVATH(ラオス、ロージャイサイクリングチーム)
10 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+17秒
27 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)
33 山本元喜(KINAN Racing Team)
43 新城雄大(KINAN Racing Team)+49秒
75 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+2分16秒


・個人総合時間
1 Mohcine EL KOURAJI(モロッコ、Al Shafar Jumeirah Cycling Team)5時間45分57秒
2 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)+9秒
3 ナッシム・サイディ(アルジェリア、ドバイポリスサイクリングチーム)+12秒
4 ゲオルギオス・バグラス(ギリシャナショナルチーム)+21秒
5 アントン・クズミン(カザフスタン、アルマティ・アスタナモータース)+22秒
6 ルーカス・カールステンセン(ドイツ、ロージャイサイクリングチーム)+26秒
9 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)+30秒
35 山本元喜(KINAN Racing Team)+1分8秒
36 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+1分9秒
40 新城雄大(KINAN Racing Team)+1分37秒
57 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+2分57秒


・ポイント賞
6 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)25pts
12 孫崎大樹(KINAN Racing Team)18pts
25 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team)3pts


・山岳賞
8 ドリュー・モレ(KINAN Racing Team)3pts

・チーム総合
1 アルマティ・アスタナモータース 17時間19分21秒
3 KINAN Racing Team +8秒
●選手コメント
ドリュー・モレ
「一日を通して調子が良かったので、終盤の上りで攻撃的に走ることができたのはとてもうれしい。フィニッシュでトップから離れてしまい、表彰台に上がれなかったことだけは残念だったけど、メインのプロトンに対してタイム差をつけられたので、満足できるレースになった。

明日のステージは、最後の上りでレース全体の方向性が決まる。チーム一丸となって上りでのレース構築をしていきたい。今はKINANの勝利しか考えていない」
Report, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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