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KINAN RACING

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ツアー・オブ・メルスィン第3ステージ レポート

山頂フィニッシュのツアー・オブ・メルスィン第3ステージ
トマ・ルバが6位で終えて総合でもトップ10圏内へ
●ツアー・オブ・メルスィン(UCIヨーロッパツアー2.2)
第3ステージ 4月6日(土)
タルスス-アイヴァゲディギ 95.6km

・出場選手
孫崎大樹
山本元喜
レイモンド・クレダー
柚木伸元(第2ステージDNF)
トマ・ルバ
新城雄大
畑中勇介
KINAN Racing Teamが挑んでいるツアー・オブ・メルスィンは、大会3日目にして最難関のステージ。
現地4月6日に行われた2つのカテゴリー山岳を含む本格的なクライミングステージは、終盤まで優勝争いに加わったトマ・ルバが最終的に6位でフィニッシュ。
個人総合順位のジャンプアップに成功し、トップ10圏内へ。UCIポイント獲得へ向けて、最後の1日を迎える。
開幕からの2日間は、常に前が見える位置で攻撃的な走りを見せてきたKINAN勢。
前日の第2ステージでは、孫崎大樹と山本元喜がレース中盤でのアタックを成功させ、そのまま逃げ切り。
しかし、フィニッシュ前2kmで発生した都市部での交通渋滞の影響でステージ優勝争いから漏れる事態に。悔しさの残る1日だった。
リベンジをかける第3ステージ。前日の時局を受けて、当初予定されていた都市部を走る終盤区間をカット。
95.6kmに短縮されたルートは、前半部で超級山岳を上り、大小の山越えを経たのちに最後の1級山岳へ。
頂上に敷かれることになったフィニッシュラインへ向けて、10%超の急坂をこなしながら5km上る。

チームとしては、ここまでで個人総合最上位の12位につけるトマの上位進出にフォーカス。
トップとの総合タイム差1分27秒の挽回を狙っていく。
レースは序盤のアタックの打ち合いから、山本が飛び出しに成功。
5選手が逃げる体制を固め、1分ほどのリードを得る。メイン集団はリーダーチームのMazowsze Serce Polskiがペースをコントロール。
山本らのグループに大差は与えず、見える位置で超級山岳の上りへ。
徐々にその差は縮まって、山本は5位で頂上通過後に集団へと戻った。
こうしている間にも集団の人数は絞り込まれていき、中間地点を過ぎる頃にはメイン集団はスタート時の半数以下に。
KINANメンバーではトマと孫崎が前線に残り、さらにタフになる後半戦へ。
ダウンヒルではいくつものコーナーが連続し、さらには舗装の荒れも目立ち、随所で落車が発生。
同時に天気も悪化し、雨の中で山岳地帯を進んだ。
70km地点を過ぎてから始まった登坂は、山岳ポイントがつかないながらも10%超の急坂部が連続。
直前の下りでいくつにも割れて前線の人数が絞り込まれる中、2人が抜け出して逃げの態勢へ。
15人ほどになったメイン集団では、トマが残って終盤勝負に備える。
先頭2人を追撃する態勢を強めるメイン集団だったが、またも下りでクラッシュが発生。
トマがこれをギリギリでかわして戦線に残ると、いよいよ最終の1級山岳へ。
ここは完全に力勝負になって、トマは6番手で山頂のフィニッシュラインへ。
厳しい条件下での戦いを登坂力とダウンヒルテクニックで乗り切り、上位進出を決めた。
これにより、トマは前日から総合順位を5つ上げて7位に浮上。
今大会は個人総合10位までに付与されるUCIポイントの圏内へ。
上位陣のタイム差が全体的に開いていることもあり、最終ステージをトラブルなく終えることでポイント獲得はかなう状況となっている。
残りの出走メンバーも無事に走り切り、最後の1日へ。
今大会を閉める第4ステージは、基幹都市メルスィンの市街地にセッティングされた周回コースを走行。
地中海沿いを東西に行き来するルートを10周回。おおむね平坦で、ここまでチャンスがめぐってこなかったスプリンターの本領発揮となるか。
KINAN Racing Teamは3ステージをクリアしてきたエーススプリンターのレイモンドで勝負。そして、トマの個人総合順位確定を図る。
ツアー・オブ・メルスィン 第3ステージ(95.6km)結果
1 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)3時間9分28秒
2 Dawit YEMANE(エリトリア、バイクエイド)+10秒
3 Marcin BUDZINSKI(ポーランド、Mazowsze Serce Polski)+18秒
4 LYU Xianjin(中国、チャイナグローリーコンチネンタル)+34秒
5 Oliver MATTHEIS(ドイツ、バイクエイド)+1分8秒
6 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+1分53秒
45 新城雄大(KINAN Racing Team)+17分52秒
53 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+18分56秒
66レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)+24分31秒
72 山本元喜(KINAN Racing Team)+25分39秒
83 畑中勇介(KINAN Racing Team)+30分8秒


・個人総合時間
1 Marcin BUDZINSKI(ポーランド、Mazowsze Serce Polski)8時間48分56秒
2 Oliver MATTHEIS(ドイツ、バイクエイド)+1分1秒
3 Dawit YEMANE(エリトリア、バイクエイド)
4 ベンジャミ・プラデス(VC福岡)+1分3秒
5 LYU Xianjin(中国、チャイナグローリーコンチネンタル)+1分43秒
6 ウィリアム・シュミット(南アフリカ、チャイナグローリーコンチネンタル)+1分55秒
7 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+3分6秒
40 新城雄大(KINAN Racing Team)+20分6秒
55 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+26分1秒
56 レイモンド・クレダー(KINAN Racing Team)+26分45秒
60 山本元喜(KINAN Racing Team)+27分39秒
104 畑中勇介(KINAN Racing Team)+47分44秒


・山岳賞
8 山本元喜(KINAN Racing Team)4pts
●選手コメント
トマ・ルバ
「リザルト的には良くも悪くもない。できればもう少し上位でフィニッシュしたかった。調子が少しずつ上がっている中で今日を迎えられたが、路面状況やレース途中から降りだした雨に苦しめられた。

レース距離が短くなった影響はさほど感じられなかった。このコースや天候なら、95kmも(当初予定されていた)137kmも結果は大きく変わっていなかったのではないか。ただ、フィニッシュ地点が山頂に代わったことは個人的にはポジティブだった。

(2月のトルコレース)ツアー・オブ・アンタルヤでは体調がすぐれず、苦しい走りを強いられた。それからリカバリーとトレーニングとを組み立てながらここまでやってきて、ようやく総合成績を狙えるところまで調子を上げられたことはとてもうれしい。

明日は市街地のサーキットコースなので、スプリンターのレイモンドに大きなチャンスがある。彼が勝てるように最後までサポートするつもりだ」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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