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KINAN RACING

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トマ・ルバ個人総合首位! ツール・ド・インドネシア 第4ステージレポート

名峰イジェン山登坂のインドネシア第4ステージでトマが総合首位へ
山岳賞とのダブルタイトルをかけて最終ステージへと向かう
●ツール・ド・インドネシア(UCIアジアツアー2.1)
第4ステージ ジェンベル~バニュワンギ(イジェン) 147.3km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
KINAN Cycling Teamが出場中のツール・ド・インドネシア(UCIアジアツアー2.1)は、8月22日に第4ステージが行われた。
この日はアジア屈指の山岳であるイジェン山の頂上フィニッシュが設定され、トマ・ルバが持ち前の登坂力を発揮。
ステージ優勝こそ譲ったものの、2位とまとめた。
ここまでの個人総合上位陣を引き離してフィニッシュしたことにより、トマはこのステージを終えて首位に浮上。
山岳賞でもトップを守り、翌日の最終・第5ステージはダブルタイトルをかけて戦うことになる。

第3ステージまでを終えて、個人総合成績ではトマが総合タイム差3分49秒差の7位、山本元喜が同5分51秒差で9位と、トップ10圏内に位置。
総合にとどまらず、第2ステージではトマが、第3ステージでは新城雄大がそれぞれステージ3位の好走を見せた。
さらには、トマは第2ステージ以降山岳賞争いでトップに立ち、ブルーのリーダージャージを着用してレースに臨んでいる。

大会のモトドライバーと関係者が記念撮影。大会を通じて陽気なムードが漂っている

迎える第4ステージは、今大会で最も重要な1日。
ジャワ島最東部まで進んだプロトンは、アジアの秀峰・イジェン山の頂上を目指すことになる。
上り始めから急坂が始まり、中腹以降は10%を超える急勾配。
道路舗装が荒い区間や、部分的に勾配20%前後の激坂も待ち受け、この上りで各選手の登坂力の差が明白になる。
このステージの結果がそのまま総合成績へと反映される可能性も。
レース距離は147.3km。

KINAN Cycling Teamは、他の大会も含めてこの上りを何度も経験している点に強みを持つ。
これまでの実績から熟知する攻略法を生かして、クイーンステージでの上位ジャンプアップを目指していくことを確認した。

迎えたレースは、6人の逃げで幕開け。
いずれも総合成績に関係しない選手であることから、メイン集団は6人の先行を容認。
リーダーチームのオリバーズリアルフードレーシングが集団コントロールを担って、レースを淡々と進行させる。
KINAN勢は先に控える山岳に向けて、まずは集団に待機する。

スタートから20kmを過ぎる頃には逃げグループと集団とのタイム差は3分以上の開きとなり、その後も拡大する一方。
両グループに大きな変動がないまま進行し、100kmを迎える段階でこの日最大の約5分まで広がったことをきっかけに、集団が少しずつ活性化していくこととなった。

120km地点を過ぎるあたりから徐々に上り基調となっていくが、それを前にメイン集団は先頭の6人とのタイムギャップを縮めていく。
上りが始まるとその差はあっという間に縮まり、130km地点を目前に逃げメンバーを全員吸収。
KINAN勢は5選手全員が問題なく集団でレースを進行。
134km地点に設定される、この日2つ目のカテゴリー山岳である1級の頂上に向かって、いよいよKINAN勢がギアを上げていく。
まずは新城が集団のペースを上げる。続いて山本も牽引に加わって、プロトンを完全に崩壊させることに成功。
頂上の山岳ポイントへはトマが2位で通過し、山岳賞争いで得点を伸ばした。

イジェン山の登山口にある小学校では児童たちが応援歌(?)の大合唱

いよいよやってきたイジェン山の上り。
登坂を開始して早々にトマを含む6人が先行を開始。
厳しい勾配でメンバーをシャッフルさせながら進んでいく。
やがて先頭は3人となり、その後ろではマルコス・ガルシアが続く。
残り10kmを切ったタイミングで、先頭はトマとメトケル・エヨブ選手(エリトリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)の2人に絞られた。

個人総合争いのライバルとの差を引き離すべく、トマは先頭固定で先を急ぐ。
総合で大きく遅れているエヨブ選手を引き連れる形となったが、後続とのタイム差拡大を最優先。
こうなると3番手以下を引き離す一方。
残すは、ステージ順位とフィニッシュでのタイム差が焦点となった。

トマ・ルバが第4ステージ2位。個人総合でも首位に立った

最後はエヨブ選手にステージ優勝を譲ったトマだったが、2位を確保し、この時点で6秒のボーナスタイムを獲得。
結果的に、第4ステージスタート時点で個人総合上位に位置した選手たちが遅れたこともあり、トマは順位を一気にジャンプアップさせ、首位へと浮上した。

今大会へは順調なトレーニングを積んで臨んでいるトマだが、“本番”ともいえるイジェン山登坂でしっかりと結果を残してみせた。
他大会でもこの山岳を経験しており、コースの特徴を把握していた点もプラスに作用した。

第4ステージまでを終えて、トマは個人総合で2位と1分30秒差とした。
さらには、山岳賞でも盤石の首位固め。ダブルタイトルに王手をかけて、残る1日に挑むことになる。

ステージ4位に入ったマルコス・ガルシア

この日は、トマにとどまらずKINAN勢が躍動。
先頭2人の後ろで粘り強く走ったマルコスはステージ4位としたほか、サルバドールも9位に続いた。
また、献身的な走りを見せた山本も20位で終え、混戦となった個人総合で10位に踏みとどまっている。

個人総合首位に立ったトマ・ルバ。残り1日でジャージを守り抜く構えだ

KINAN Cycling Teamにとって最高のシチュエーションで、大会最終日を迎える。
最後を飾る第5ステージは、ジャワ島から東のバリ島へと移動して136.8kmで争われる。
スタートからしばらくは平坦が続くが、後半にかけて上り基調に。
山岳ポイントを通過後に一度下るが、フィニッシュのバトゥール・グローバル・ジオパークに向かって最後の登坂。
上りフィニッシュを終えると、今大会のフィナーレとなる。
チームとしては、レース前半の海沿いでの強風に注意しつつ、終盤の山岳でしっかりと力を発揮して、ベストな形で全行程を終えることにフォーカスする。
ツール・ド・インドネシア第4ステージ(147.3km)結果
1 メトケル・エヨブ(エリトリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 4時間16分33秒
2 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +0秒
3 アミール・コラドウズ(イラン、タイユアンミオジェサイクリング) +50秒
4 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分24秒
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) +1分44秒
6 ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +1分51秒
9 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +5分3秒
20 山本元喜(KINAN Cycling Team) +8分14秒
38 新城雄大(KINAN Cycling Team) +15分22秒


個人総合
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 16時間26分3秒
2 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) +1分37秒
3 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チーム サプラサイクリング) +3分27秒
4 ジェシー・イワート(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) +4分36秒
5 メトケル・エヨブ(エリトリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +5分10秒
6 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +5分22秒
10 山本元喜(KINAN Cycling Team) +10分12秒
13 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12分52秒
29 新城雄大(KINAN Cycling Team) +24分53秒
44 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +38分44秒


ベストアジアンライダー
1 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 16時間31分25秒
3 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4分50秒
13 新城雄大(KINAN Cycling Team) +19分31秒


スプリント賞
1 ローハン・ドゥプローイ(南アフリカ、プロタッチ) 39pts
2 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 22pts
14 新城雄大(KINAN Cycling Team) 10pts
21 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 8pts
23 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 5pts
27 山本元喜(KINAN Cycling Team) 3pts


山岳賞
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 55pts
3 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 34pts
8 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 12pts
23 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts


チーム総合
1 チーム サプラサイクリング 49時間20分33秒
2 KINAN Cycling Team +4分32秒
●選手コメント
・トマ・ルバ
「イジェンの上りは過去にも経験しているが、この場所でリーダージャージを獲得てきたことは本当にうれしい。

イジェン山は(ツアー・オブ・ジャパンで上る)富士山と似ていて、戦術的に走るよりはいかにテンポで上り続けられるかが重要になる。強い選手が勝つし、そうではない選手は遅れていくだけだ。だから今日もアタックらしいアタックはしなかったし、テンポで上り続けた結果だといえる。

明日も上りが待っているが、今日は3人がトップ10フィニッシュでき、自信をもって臨める。リーダージャージを守り切ることに集中するし、ミスやトラブルには注意したい。明日の夜、みんなで喜び合えると信じている」
※レポートはメディアリリースから

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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