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KINAN RACING

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ツール・ド・北海道 第2ステージ レポート

ツール・ド・北海道2019第2ステージ
山本が積極策を実らせて個人総合4位に浮上
●ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)
第2ステージ 帯広市~北見市 174km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
トマ・ルバ
新城雄大
北海道北部と東部を舞台に展開されているツール・ド・北海道2019は9月7日、第2ステージが行われた。
帯広市から北見市までの174kmのコースが設定され、KINAN Cycling Teamは個人総合8位でスタートした山本元喜の順位をジャンプアップさせることに成功。
同4位まで引き上げてステージを終えている。
また、サルバドール・グアルディオラやトマ・ルバも山本とともに山岳で仕掛けを見せ、レースを活性化させるきっかけとなった。

前日に旭川市を出発し新得町までの185kmを走った第1ステージでKINAN Cycling Teamは、山本元喜が終始先頭グループでレースを進め、結果ステージ8位。
終盤の2級山岳・三国峠では飛び出した選手のアタックを単独で追走するなど、見せ場を作った。

選手たちが出走サインへと向かう

迎えた第2ステージは、帯広競馬場前を出発後、北へ進行。
音更町、士幌町、上士幌町と通過していくと、いよいよこの日のヤマ場となる山岳区間へ。
三国峠と石北峠の標高1000m超の上りを立て続けに通過すると、フィニッシュが設けられる北見市まで約50kmを下っていく。
夜半からの雨がスタート前後まで降り続いたことや、ウェットなロードコンディションもレースにどのように作用するか注目された。
KINAN Cycling Teamは個人総合で8位につける山本の上位ジャンプアップのほか、山岳での攻撃などからチャンスを見出していくことになった。

メイン集団に待機してレースを進行させるサルバドール・グアルディオラ

レースが始まると、早い段階で4人が集団に対してリードを開始。
さらに5人が追走するが、メイン集団はこれらの動きを容認。
KINAN勢は5人全員集団に待機し、重要な局面に向けて備える。
前方では、集団から飛び出した9人が1つになり、そのまま先を急ぐ。
38.6km地点に設置されたホットスポット(中間スプリントポイント)では、約4分30秒差となった。

選手たちが固まって集団内に待機する

以降は、リーダーチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの集団コントロールによって、先頭9人とのタイム差を縮小させていく。
迎えた山岳区間でその差はさらに縮まっていき、この日2つ目の山岳ポイントである石北峠を越える頃には、1分台にまで迫る。

石北峠でアタックするサルバドール・グアルディオラ。攻撃の口火を切った Photo: Satoru KATO

そんな中、ここまで集団待機を続けてきたKINAN勢がついに動いた。
石北峠の上りを利用してサルバドールがアタック。
これに山本とトマも続いたほか、リーダージャージのフィリッポ・ザッカンティ選手(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)らも追随。
頂上を目前に、一時は8人が追走グループを形成し、サルバドールとトマが交互にアタックする場面もあったが、メイン集団も活性化したことで完全に抜け出すまでには至らなかった。

メイン集団のスピードを上げるトマ・ルバ Photo: Satoru KATO

一方、先頭グループは頂上通過後の下りでペースを上げ、約1分30秒差を保って逃げ続ける。
この状況を受けて、KINAN勢ではトマとサルバドールが集団のペーシングに加わり、タイム差の縮小を図る。
結果的に先頭グループが逃げ切ったものの、タイム差をわずかにとどめることに成功。
最終局面はトマの牽引から山本が集団前方でのフィニッシュを狙って加速。
他チームのスプリンターに先着は許したものの、16位でステージを完了した。

ステージ16位で終えた山本元喜。個人総合では4位にジャンプアップ

第2ステージを終え、総合上位陣に変動が発生している。
同タイムで並んでいた選手たちの個人総合順位は、それまでのステージ成績によって決まることから、山本が4位へとジャンプアップ。
3位の選手との総合タイム差は4秒。また同タイムで3選手がならんでおり、まだまだ予断を許さない状況となっている。
また、山本を支えたサルバドール、トマ、マルコス・ガルシア、新城雄大も問題なくフィニッシュラインを通過。
続くステージへ弾みをつけている。

レースを終えて引き上げる山本元喜とマルコス・ガルシア

大会は残すところあと1日。
最終の第3ステージは北見市から当麻町までの182km。
この日も中間地点を過ぎたところから標高1000m超の北見峠を登坂。
ただ、その後は目立った変化がないため、フィニッシュへと急ぐプロトン内の駆け引きも見どころとなりそう。
KINAN Cycling Teamは、上位戦線で好走を続ける山本の個人総合成績を意識しながらも、ステージ優勝のチャンスをうかがうなど最後までアグレッシブに展開していく構えだ。
ツール・ド・北海道2019第2ステージ(174km)結果
1 スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング) 3時間57分33秒
2 石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング) +6秒
3 ライアン・カヴァナ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +7秒
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO) +8秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6 セバスティアン・バーウィック(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
16 山本元喜(KINAN Cycling Team)
23 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
32 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
44 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +20秒
45 新城雄大(KINAN Cycling Team) +33秒


個人総合
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 8時間27分30秒
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +29秒
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +31秒
4 山本元喜(KINAN Cycling Team) +35秒
5 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
6 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
20 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分48秒
25 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
34 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +2分0秒
36 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分56秒


ポイント賞
1 スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング) 26pts
16 山本元喜(KINAN Cycling Team) 8pts
24 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts


山岳賞
1 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 23pts
2 山本元喜(KINAN Cycling Team) 19pts

チーム総合
1 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ 25時間25分10秒
3 KINAN Cycling Team +1分31秒
●選手コメント
・山本元喜
「スタート直後の9人のアタックに反応しなかったことがその後の流れにどう影響するか気になったが、チームとして結果的にまとめられてよかった。最悪自分の総合成績を諦めてでも、次のステージにつながる形にしようかとも思ったが、必要なく終えられた。

個人的には調子のよさを感じている。総合成績に関しては、最終ステージの流れも関係してくるので何とも言えないのが正直な印象。今日のように着順によって順位を上げるなり守るなりできるかは、やってみないと分からない。何より、自分が総合上位に入れるようみんなが協力してくれていることは本当にありがたく思っている」
※レポートはメディアリリースから

Photos: Satoru KATO, Syunsuke FUKUMITSU
Report, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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