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KINAN RACING

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レイン・タラマエ個人総合3位 シャールジャ・ツアー第5ステージ レポート

レイン・タラマエがシャールジャ・ツアーで個人総合3位
2025年初戦で大きな成果
●シャールジャ・ツアー(UAE、UCIアジアツアー2.2)
第5ステージ アル・アムリヤ-シャールジャ 121.87km

・出場選手
橋本英也
ネイサン・アール(第2ステージDNF)
レイン・タラマエ
宇賀隆貴
トマ・ルバ
新城雄大
KINAN Racing Teamが出場していたUAE(アラブ首長国連邦)でのステージレース、シャールジャ・ツアーが現地1月28日に閉幕。
個人総合3位につけて最終・第5ステージに臨んだレイン・タラマエが、そのままの順位をキープ。
シーズン初戦で総合表彰台への登壇を決めた。また、他チームの猛攻に遭いながらもしのぎ切ったチームにとっても大きな成果になった。
24日に開幕し、UAEを構成する首長国のひとつ「シャールジャ首長国」をめぐってきた選手たち。
前日27日は今大会最難関の山岳、アル・スフブ・マウンテンの一番登頂をかけたクイーンステージを走った。
KINAN Racing Teamはレインが上位固めをして、個人総合で3番手に。総合表彰台圏内を堅持し、最後の1日へと進んだ。
その最終・第5ステージは121.87kmの平坦路。
レースの大部分を砂漠地帯が占め、風の影響を大きく受ける可能性をはらんだコースが設定された。
実際、この日は朝から南風が強く、中東レースならではといえる風の要素が重要なウエイトを持つこととなる。

このステージに臨むにあたっては、レインの総合表彰台を決定させることと、第2ステージと同様に橋本英也がスプリントで勝利を狙っていく構えをとる。
そうして始まったレースは、スタート直後から波乱の様相。
集団から飛び出した8選手による先頭グループが形成されると、個人総合首位の証であるリーダージャージを着るJosh KENCH 選手(Li Ning Star)もジョイン。
さらに同4位・5位の選手たちも合流したことで、メイン集団が大急ぎで追走。
同2位に選手を送り込んでいるブルゴス・BH、そしてKINANメンバーも総出で前を追い、レインみずからもたびたび集団先頭で牽引した。
その甲斐あって、30km地点に達する頃には先頭グループをキャッチ。
仕切り直しとなったところで、レインにパンクトラブルが発生。
タイミングを同じくしてチーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ勢が猛然と集団のペースを上げる。
ここにリーダーチームのLi Ning Starなども加わったことや強い横風の影響で、あっという間にプロトンは分断。
個人総合の上位選手はほぼ前方に残った一方で、レインが後方に取り残される状況に。
これを打開するべく、トマ・ルバ、新城雄大、宇賀隆貴が後ろに下がってレインの引き上げを担う。
まずは第2グループへと入ってスピードアップを図ると、約20kmかけて前線復帰を果たした。
なおも張り詰めたムードでレースは進行。
たびたび数人が前をうかがっては集団が追う形勢が連続し、KINAN勢も危険を回避するべく前方をキープ。
フィニッシュまで50kmを切ったあたりからは数選手による散発的なアタックが出て、やがて3人がレースをリード。
いずれも総合成績に大きく影響しない選手とあり、リーダーチームが中心となってレース展開を落ち着かせる態勢を整えた。
前を行く3人と集団とは2分前後のタイム差で進み、残すは20km。
スプリント狙いにシフトした数チームが本格的に追撃に入ると、徐々にその差は縮まっていく。
そうした中で、フィニッシュまで10kmとなったところで橋本英也が落車。
チームとしてはスプリンターを失う痛手となったが、そこからはレインの総合順位確定へとシフト。
メイン集団で確実にフィニッシュラインを通過するべく、最終段階へと移った。
スプリンター陣の後ろでレインがレースを完了。
この日のトップ選手と同タイムでのフィニッシュで終えて、個人総合3位を決めた。
同4位の選手がレース前半の激しい攻撃戦の中で複数のボーナスタイムを獲っていたこともあり、表彰台をかけた最終的なタイム差はわずか1秒だった。
レインのほか、最終日まで駒を進めていたトマ、新城、宇賀、橋本も走り切って、KINAN Racing Teamは5選手が完走。
落車した橋本は大事には至らず、次戦へ向けてプラン通りに準備に移っていく。
レース終了後の表彰式では、多くのVIPや関係者、地元の人々が集まったなかで祝福を受けたレイン。
シーズン初戦で総合表彰台を確保する幸先の良い出足に、チーム全体が自信を深めている。
何より、大会途中からは他チームより少ない人数でレースを組み立てた点や、この日のステージでの他チームの猛攻をしのいだあたりは、チーム力の向上を示したものとなった。
なお、個人総合成績やステージ順位によって付与されるUCIポイントは、今大会で27点を獲得した。
ここから加速するレースシーン。2月からは国内シリーズのJプロツアーも始まり、KINAN Racing Teamにとって重要となるレースが数多く控えている。
今大会でつかんだ手ごたえと可能性を形にするべく、次のターゲットに向けた強化を続けていく。
シャールジャ・ツアー 第5ステージ(121.87km)結果
1 ダヴィデ・ステッラ(UAEチームエミレーツGen Z)2時間41分36秒
2 ドゥシャン・ラヨビッチ(チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0 秒
3 ダヴィデ・ペルシコ(ワグナー・バザン・WB)
4 フィリッポ・フォルティン(チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
5 Nikiforos ARVANITOU(ギリシャナショナルチーム)
6 Youssef BDADOU(モロッコ)
41 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)
61 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)
113 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+1分31秒
114 新城雄大(KINAN Racing Team)
125 橋本英也(KINAN Racing Team)+7分7秒


・個人総合時間
1 Josh KENCH (Li Ning Star)11時間58分40秒
2 ジョシュ・バーネット(ブルゴス・BH)+52秒
3 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)+1分2秒
4 ロレンツォ・クアルトゥッチ(チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+1分3秒
5 ジャムバルジャムツ・サインバヤル(ブルゴス・BH)+1分19秒
6 Duarte MARIVOET(UAEチームエミレーツGen Z)+1分21秒
19 トマ・ルバ(KINAN Racing Team)+3分50秒
91 新城雄大(KINAN Racing Team)+14分34秒
103 宇賀隆貴(KINAN Racing Team)+20分10秒
125 橋本英也(KINAN Racing Team)+39分16秒


・ポイント賞
10 レイン・タラマエ(KINAN Racing Team)23pts
28 橋本英也(KINAN Racing Team)8pts


・チーム総合時間
1 チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ 36時間1分50秒
10 KINAN Racing Team +11分2秒
●選手コメント
レイン・タラマエ
「スタートして10kmでリーダージャージの選手が飛び出していったので、とにかく“フルガス”で追いかけないといけないと思った。チームメートに任せるばかりでなく、自分でも追う姿勢を見せる必要があった。ただ、それ以上に危うかったのはパンクをしたこと。これで終わったかと思ったけど、助けてくれたのがチームメートだった。私のためにものすごいハイペースで前を追ってくれた。先頭集団に復帰できたのはミラクルとしか言いようがない。早い段階で消耗を強いられ、風が強かったなかで、私たちはできうる限りのことを成し遂げた。

私にとっても、チームにとってもこれ以上ないシーズンインになった。チームワークで戦うことができていて、チームリーダーとしての経験をみんなに伝える良い機会にもなった。最大目標である5月のツール・ド・熊野とツアー・オブ・ジャパンに向けて、ここからさらに仕上げていきたい。

KINAN Racing Teamを選んで良かったと思えるひとつが、日本人選手の強さにある。今大会を一緒に走った橋本、新城、宇賀はいずれもトップになれる力がある。それに加えて、UCIコンチネンタルチームとは思えないほどの充実度にも驚いている。素晴らしいバイクが用意され、経験豊富なスタッフがそろっている。強くなるための条件が整っているあたりにとても感謝をしている」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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