●全日本選手権ロードレースU23
6月21日　8km×14周回＝112km

・出場選手
柚木伸元
新宮颯太

ロードレース種目の全日本選手権が6月21日に開幕。各カテゴリーの日本チャンピオンを決める戦いが始まった。
今大会最初の種目として行われたアンダー23カテゴリーのレースが112kmで争われ、KINAN Racing Teamからは柚木伸元と新宮颯太の2選手が出場。
柚木が序盤から逃げ、新宮は後半勝負へ。消耗戦となって結果的に上位入りはならなかったものの、終始チャレンジ姿勢を崩さず、今後につながる走りで終えた。

日本王者を決める一戦は今年も静岡県伊豆市・日本サイクルスポーツセンターが舞台。
1周8kmのコースはアップダウンが連続し、近年はサバイバル化する傾向にある。
今回は30度を超える猛暑の中でのレースとあり、一層その趣きが強くなることが予想された。
23歳未満の若きライダーによる戦いは、このコースを14周回する112kmに設定された。

KINAN Racing Teamからは柚木と新宮の2選手が参戦。
両選手とも今季は早くから国内シリーズを転戦するほか、新宮は今大会直前に韓国でのステージレースにも出場。十分な調整のもと、スタートラインへと並んだ。

レースは1周目に5人の先頭グループが組まれ、集団に対してリードを広げていく。
ここに柚木が加わって、展開を作っていく。ときおり追走狙いのアタックが集団で見られたが、柚木たちのグループまでは届かない。
4周目に入った段階で、タイム差は2分。柚木が前方での展開を担う間、新宮は集団に待機した。

一時的にメイン集団のペースが上がったことで柚木たちのグループに迫ったが、その後再拡大。
先頭メンバーでも地力の差が見られ始め、7周目を終えてレースが半分を過ぎたところで柚木を含む3選手に絞られる。
この時点で1分30秒差で3人が追走し、さらに30秒差で新宮が入るメイン集団が続いた。

これまでの流れが一変したのは9周目。
ここまで飛ばしてきた柚木が集団に戻り、新たな逃げ狙いの動きが生まれる。次の周回で1人が先行し、約1分差で新宮たちが続く。
この時点でメイン集団はおおよそ20人ほどまでに絞り込まれ、いよいよサバイバルの様相へと移っていく。

終盤勝負のムードが高まる中、11周目後半の登坂区間で新宮が集団から後退。
それまで好位置をキープしてきたが、徐々に消耗を強いられた状況で、上位戦線からの脱落を余儀なくされた。

その後、優勝争いは2人に絞られ、後続でも表彰台をかけた駆け引きが激化。
新宮は少しずつ番手を下げたものの、完走を目指して集中力は切らさなかった。
最終的に20位でのフィニッシュ。前年の8位を下回る結果となり悔しさを残しつつも、シーズン後半での巻き返しを誓った。
なお、逃げや中盤以降では他選手のアタックを抑えに回った柚木は役目を果たしたのちバイクを降りている。

大会2日目となる22日は、エリートカテゴリーのロードレースが控える。
8kmをコースを20周回する160kmの戦いには、山本元喜、宇賀隆貴、宮崎泰史、新城雄大の4選手が出走。
山本が制した2018年以来の日本の頂点へ、大きな挑戦をする。2025年の日本王者を決める戦いは、午前11時にスタート。午後4時頃に王者が決まる。

全日本選手権ロードレース　男子U23（112.0km）結果
1 森田叶夢（京都産業大学）3時間20分55秒
2 橋川丈（愛三工業レーシングチーム）+0秒
3 松井丈治（愛三工業レーシングチーム）+1分12秒
4 阿部源（VC FUKUOKA）+1分18秒
5 永井健太（ヴィクトワール広島）
6 奥田和人（VC FUKUOKA）
20 新宮颯太（KINAN Racing Team）+8分4秒
DNF 柚木伸元（KINAN Racing Team）

●選手コメント
新宮颯太
「（柚木）伸元が逃げに入ってくれて、僕が集団に残る展開は悪くなかった。良いレースができそうな感触があったけど、残り4周で脚が空っぽになってしまったのがすべてだった。完走目的のレースになってしまったのが悔しい。

周りの選手の動きに反応しすぎてしまったあたりが敗因だと感じている。KINANのジャージを着て走っていながら、この結果は受け入れられない。チームの中心選手になれるよう、もっと強くなりたい。まずはレースメンバーに選ばれて、チームに貢献していくことを意識しながら取り組んでいく」

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU