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KINAN RACING

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秋吉台カルストロードレース レポート

JCL最終戦・秋吉台カルストロードレース
山本元喜が復調証明する2位、山本大喜も3位で続く
●秋吉台カルストロードレース
10月30日(日)
29.5km×4周=118km

・出場選手
山本元喜
仮屋和駿
花田聖誠
山本大喜
新城雄大
畑中勇介
国内プロチームによるロードレースリーグ「三菱地所JCLプロロードレースツアー」は、10月30日に開催された秋吉台カルストロードレースで2022年のシリーズ戦が終了。
秋のカルスト台地を駆けた一戦は、KINAN Racing Teamとチーム右京相模原によるチーム戦。
最終周回で集団から抜け出した山本元喜が逃げ切りへあと一歩まで攻めたが、最後は急坂での力勝負でわずかに及ばず2位。
それでも、夏場の体調不良から回復を証明する好走。
山本大喜も3位と続いて、チームから2選手が表彰台に上がった。
2年目のJCLは、4月からここまで国内各地を転戦。
日本のロードレースシーンの活性化とあわせて、地方創生をテーマに、開催地の特色を生かしながらのコース設定で観る者を魅了してきた。
そして2022年の最終戦、舞台は山口県の秋吉台。
日本最大級のカルスト台地を南北に往復する周回コースでレースを展開する。
1周29.5kmのコースは、カルスト台地走行中の細かなアップダウンもさることながら、周回最後に待ち受ける通称“カルストベルグ”が最大の難所であり、勝負どころ。
平均勾配15%・最大勾配28%・約1kmの急坂は、通過のたびに集団を崩していく。
そして最後の4周目は、頂上に敷かれるフィニッシュラインめがけてのアタック。
昨年はこのコースで山本大が勝利を収めている。
今節は、前日の山口ながとクリテリウムとの2連戦。
クリテリウムを走った中島康晴に代わり、この日は花田聖誠が出走。
その他、山本元、山本大、仮屋和駿、新城雄大、畑中勇介が臨む。

パレード走行ののちリアルスタートが切られると、単発のアタックで前に出る選手が現れるも、どれもレースの流れを左右することはなく進行。
KINANメンバーは集団待機で進んでいくが、1周目のカルストベルグでこの日の優勝候補、ベンジャミン・ダイボール選手(チーム右京相模原)が加速した際には山本大がすかさずチェック。
2周目の序盤までには集団が1つに戻り、再び散発的なアタックを見送りつつプロトンは落ち着いたムードとなる。
先行していた選手を登坂開始までに捕まえて、2回目のカルストベルグ。
ここでチーム右京の3選手がペースメイクを始めると、集団はあっという間に崩壊。
KINAN勢では山本元、山本大、花田が先頭グループに位置し、合計6人で3周目へ。
この間、1回目の山岳ポイントを山本大がトップで通過している。
3周目の前半までに、上りで遅れた選手たちが先頭に再合流。
KINANメンバーも6人全員がそろい、ここからは畑中が牽引役としてプロトンをコントロール。
途中、中間スプリントポイント通過がありつつ、一団のまま3回目のカルストベルグへ。
ここで再度ダイボール選手がペースを上げて、山本大が追う1周目と同じ状況に。
さらにベンジャミ・プラデス選手、小石祐馬選手のチーム右京勢2人が続き、最終周回に入った段階では1対3の構図となる。
ここで一気に畳みかけたチーム右京の3選手だったが、山本大がすべて冷静に対処。
アタックを許さず、チームメートの合流を待つ。しばらくして山本元と花田が追いついて、前の周回と同じ顔触れが先頭に立つ。
ただ、最後の周回とあって、勝負を意識してのにらみ合いに。
チャンスを作り出そうと山本元や花田が前を狙うシーンこそあったものの、いずれもチーム右京勢が対応し、ペースの上げ下げが繰り返される。
やがて後続の選手たちが合流し、約20人のグループとなった。

レースが動いたのは、最終周回後半。
堀孝明選手(宇都宮ブリッツェン)のペースアップに山本元が反応。
一度は集団へと引き戻されたものの、再度堀選手とともに前へ出ると、さらに2選手が合流。
そのまま20秒ほどのリードを得ると、メイン集団では組織的に追うチームが現れず、4人先行のまま最後のカルストベルグへと突入。

いよいよ勝負の最終登坂。入口で山本元がダンシングで踏み込むと、労せず他の3選手を振り切ることに成功。
そこからは単独での逃げ切りを目指して急坂区間を攻める。
後ろではメイン集団からプラデス選手がアタック。こちらも単独となって、山本元を追う。
懸命に逃げた山本元だったが、残り300mでプラデス選手に追いつかれると、その150m先でアタックを許し先頭を奪い返すことができず。
一度は自分から仕掛けたものの、わずかな差での2位だった。
少しおいて、山本大が3位争いを制してフィニッシュ到達。
優勝こそ逃したが、KINAN勢が表彰台の2枠を押さえた。
この2人に続き、今節で山本大とともにKINANメンバーとしての最終戦となった仮屋が7位フィニッシュ。出場した6人全員がレースを完了させた。

チーム戦から最後は力勝負となったJCL今季最終戦。
KINAN Racing Teamとしては、夏場の新型コロナウイルス感染で調子を落としていた山本元が復調をアピールし、残りレースへの明るい材料となった。
この日観戦に訪れた株式会社キナン・角口賀敏会長、角口友紀経営企画室室長も「日本人メンバーだけでも十二分に戦えることを示せた」と選手たちを労ってくださり、次へつなげることを一同で誓った。
2022年の残りレースは、11月13日のツール・ド・おきなわのみとなった。
長かったシーズンを締めくくるにふさわしい、210kmという長丁場の戦い。
チームは来季へつなぐ意味合いも込めつつ、今季最後のタイトルを貪欲に狙っていくこととなる。
秋吉台カルストロードレース(118km)結果
1 ベンジャミ・プラデス(チーム右京相模原)3時間6分52秒
2 山本元喜(KINAN Racing Team)+3秒
3 山本大喜(KINAN Racing Team)+15秒

4 ベンジャミン・ダイボール(チーム右京相模原)
5 石橋学(チーム右京相模原)
6 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
7 仮屋和駿(KINAN Racing Team)+31秒
16 新城雄大(KINAN Racing Team)+1分46秒
19 花田聖誠(KINAN Racing Team)+3分22秒
33 畑中勇介(KINAN Racing Team)+9分41秒
●選手コメント
山本元喜
「チームとして2位と3位だったことはもちろん、個人としてもようやく結果を残すことができた。新型コロナ感染から調子を落としてしばらくもどかしい状態が続いたが、シーズン終盤に照準を定めて取り組んでいたので、確実にコンディションを上げてこのレースに臨むというテーマ通りの走りはできたと感じている。

自分たちとチーム右京の3人ずつが先行する場面が多く、走りながらこの中から勝者が出るだろうと思っていた。その中でも、冷静に分析するとチーム右京の方が力はある印象だったので、彼らをどう消耗させながらチャンスを作っていくかがポイントだった。最終周回で自分が前に出た場面は、大喜が近くにいなかった点が想定外だったが、チーム右京もプラデス選手とダイボール選手が後ろのグループだったので、それからは小石選手のマークに集中しようと思って走っていた。

本来であれば、最終周回に入った段階で大喜をフォローできていれば、もう少し違った展開になったのだと思う。あそこで大喜を1人にしてしまったことは反省点。ただ、表彰台に2人上がれたことは喜んで良いと思うし、正直ホッとしている。

次はツール・ド・おきなわ。チームが得意としている連携と攻撃的な走りで、展開をうまく組み立てていきたい。」
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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